阿武隈カエル図鑑(4)

ニホンアカガエル

分布
北海道、高山地帯を除く日本全域。ヤマアカガエルより低地にも棲むが、完全に混じり合っている地域もたくさんある。我が家の敷地内(標高460mくらい)では、ヤマアカガエルのほうが多い。

大きさ・容姿
40mm〜80mmくらい。。

ニホンアカガエルの体色は比較的明るく、側線がまっすぐ↑

体色は明るい茶色。ヤマアカガエルに比べると色が薄い。
ヤマアカガエルとニホンアカガエルとの見分け方は、背中の測線が、ヤマアカガエルは肩の後ろあたりで折れ曲がっていることと、喉の下にはっきりした斑模様があること。ニホンアカガエルは測線がほぼまっすぐに伸びていて、体表の色もヤマアカガエルよりは明るめ。しかし、よく見ないとどちらかすぐには判別がつかないものが多い。パッと見では、ニホンアカガエルのほうが若干スマートで、都会派?の印象がある。

産卵
ヤマアカガエル同様、早い時期から繁殖活動を始める。
卵塊は、ヤマアカガエルのものより弾力があり、手で掬い上げても形が比較的残っている。ヤマアカガエルの卵塊はだらっと形が崩れる。


孵化〜オタマジャクシ時期

ニホンアカガエルのオタマの背中には一対の黒い斑点があるというのだが、普通に泳いでいるのを見てそれを確認するのはかなり困難なのではないだろうか。
孵化した直後は真っ黒だが、成長するにつれて色が薄くなっていく。
オタマジャクシの時期はかなり長い。そのため、「中干し」などで早く水を抜かれてしまう現代の水田では生き延びるのが非常に難しい。
地域によっては絶滅危惧種II類に指定されている。

変態
変態直後は色も側線もはっきりしていないものが多いから、見分けが難しい。

例えば、この子がヤマアカガエルかニホンアカガエルかを見分けるのは困難↑


↑大人になっても、自信を持って同定することはかなり困難。例えば、これは多分ニホンアカガエルだと思うのだが、もしかするとヤマアカガエルかもしれない……と迷う。

鳴き声
キョキョキョキョ……というような感じ。しかし、これもヤマアカガエルと聞き分けるのは困難。


性格
ヤマアカガエル同様「普通のカエル」だが、ヤマアカガエルが田舎の庶民であるのに対して、ニホンアカガエルは都市部の庶民という印象がある。明るい色とちょっと細身の体つきから、ヤマアカよりも「垢抜けた」感じがするからだろう。無論、ただのイメージにすぎないが……。

(追記)
2011年の原発人災以後、川内村では2年連続して米が作付け禁止になり、すべての水田に水が入らないまま放置された。
そのため、それまでどこにでもあたりまえにいたヤマアカガエル、ニホンアカガエルの姿がほとんど見られなくなった。ただでさえ繁殖場所を失っているアカガエルにとっては、一気に地域絶滅の危機を迎えた。

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