楽器が出す音を定めることを「調律(チューニング)」といいます。基準になる音をAとして、このAの音の周波数を440Hz(1秒間に440回振動する)と定めたのがISO(国際標準機構)による一般的な調律法です。
Aの440Hzを倍にした880Hzが「1オクターブ上のA」の音で、この間を、なるべく周波数の比が整数比に近づくように分割していったのが音階です。
ドレミファソラシという「階名」は7つしかありませんが、現代において一般的な音楽のスケールとして使われている12音階というのは1オクターブ(ある音の周波数が倍になるまでの間)を12分割した12音で成り立っています。
この12分割した音と音の間を「半音」といい、半音2つ分を「全音」といいます。
12音のうち、半音の間隔が2つ、全音の間隔が5つの音の並びでドレミファ……が構成されています↓。
↑ピアノの鍵盤で表示すればこうなります。
ABCDEFGは「音名」といって、音の絶対的な高さ(周波数)を表す符号ですが、これもドレミ同様、8つしかありません。
このうち、EとF、BとCの間だけが半音しかなく、隣り合っています。
その他は名前のついていない音が挟まっている(ピアノの鍵盤では黒鍵に相当する)ので、この音は仕方なくA#(エーシャープ)とかBb(ビーフラット)などと呼びます。
この12音の中で、ドから始まる間隔を、全全半全全全半と並べた音階を長音階(メジャースケール)といい、ラから始めて全半全全半全全と並べた音階を短音階といいます。
同じ並びなのに、基準音(ルート)の違いを意識するだけでまったく印象が変わる、という話を今回しています。
長調の曲である『チューリップ』や『赤とんぼ』をマイナーのメロディに変換するとどうなるか……。
実際に聴いてみてください。