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のぼみ~日記 2020

2020/11/19

MacのOSをバージョンアップしたら、とんでもないことになった


実は、今回のタヌパック バーチャルバンド セッションを始める直前に、音楽制作にしか使っていないMac mini のOSを、悩んだ末にCatalinaにバージョンアップした。
これまで、MacのOSバージョンアップは常に慎重にやってきた。音楽作業にしか使わないのだから、まともに動いている環境を壊したくない。余計な機能はいらない。重くなるのも困る。
買ったときのOSはOS X 10.9 Mavericksというやつだった。2013年10月リリースとなっているから、その直後くらいに購入したのかな。
これが人生初めてのMacだった。
言うまでもなく、Macを買ったのは音楽制作ソフトのLogicを使うため。それだけのためにMacを買った。
それから、Macを起動して、OSアップデートを促されるたびに無視し続けてきた。
OS X 10.10 Yosemite(2014年10月)、OS X 10.11 El Capitan(2015年9月)、macOS 10.12 Sierra(2016年9月)はすべて無視して、Mavericksのままで通した。
しかし、Logicの不具合がいろいろ気になってきたところに、LogicのバージョンアップがMavericksではできなくなった。
Logicが安定してくれるなら……という思いで、こわごわとmacOS 10.13 High Sierra(2017年9月公開)に入れ替えた。

このときは特に問題は起きず、Logicも若干使いやすくなった。また、LogicにオマケでついてくるApple Loopという音源も一気に増えていた。
『いにしへの恋歌』にバックグラウンドヴォイスで参加させたバーチャルシンガー Sophie and Ben-G もバージョンアップしたLogicに入っていたものをキーを上げ下げしたり、テンポを変えたりして作り出した。

今回も、少し前からLogicがバージョンアップしたという知らせは毎回出ていたのだが、OSがmacOS 10.15 Catalina(2019年10月)以降でないとインストールできないというので、悩んでいた。
Logicのバグが修正され、オマケ音源も増えるなら嬉しい。でも、やはりOSバージョンアップは怖い……。
しかし、このところ音楽からずっと遠ざかっていて、あらゆることに気力が湧かなくなっている自分に刺激を与えるためにも、ここは思いきってやってみるか……と手を出したのだった。
これが大失敗だった。

Catalinaからは、32bitアプリが一切動かなくなるということを知らなかった。いろんなところで何回も告知しているというのだが、音楽作業以外、Macを立ち上げることがない私は知らなかった。それなのに、毎回「OSをバージョンアップしましょう」的なお誘いメッセージは表示される。
そのお誘いのリンク先のWEBページを開いても、「セキュリティと信頼性が向上します」といったメリットばかりが並んでいて、32bitアプリが使えなくなるという警告は見たことがない。

というか、そもそも自分が使っているアプリケーションが64bitか32bitかなど、完全に把握しているユーザーがどれだけいるのだろうか。

嘘だろ! n12が使えない?

アップデートそのものは正常に終了したのだが、いくつかのアイコンにダメ印がついている。なんだかんだでいちばんよく使っているEWI USBに付属しているAriaの音源が使えなくなっている。嘘だろ、おい。
もっと衝撃だったのは、メインで使っているオーディオインターフェース兼ミキサーのYAMAHA n12が認識さえされなくなったことだ。
音楽にしか使っていないMacで、オーディオインターフェースが使えなくなったのでは、なんの意味もない。Logicが安定するとかしないとかいう以前の問題だ。音が出せないのだから。

YAMAHAのサイトで、ドライバを捜したりしてみたが、1つ前のMojaveまではなんとか対応し続けてきたものの、Catalinaは発表から1年経ってもまだ対応できていない。
愕然とした。

ネットで探しまくると、Garitanが64bit用のAria音源を公開してくれていた。助かった~。
しかし、それだけではどうしようもない。n12が使えないのだ。
しょうがない。n12を使うのを諦めるしかない。このでかい卓が……くっそ~。
このでかい卓がただの置物になってしまった!!

幸い、サブで使っていたFocusrite の Saffire PRO 24 というオーディオインターフェースは認識された。しばらくはこれをメインに使うしかない。
マイク録りの音なんかは、Saffireのほうがn12より若干いいかもしれないので、この際、神のお告げだと思うことにしよう。
完全なワンマン作業しかしなくなったので、入力は1つあれば足りるわけで……。

この段階で、タヌパックバーチャルバンドの澤野くんのベースを入れ、ニャンニーニョのパーカッションを編集し、自分の歌も入れて、ほぼ間奏以外は完成までこぎ着けた。ああ、これでもなんとかなるかな……と思い始めていたのだが……。

しかし、今度はEWIをリアルタイム演奏しながらアナログ音声をn12に入れて、それをオーディオ信号として入力するという技が使えなくなったことに気づいた。間奏でチェロを弾く(吹く?)ことができないではないか。
これまでは、それをSaffireが担当していたのだ。
Logicはn12でつなぎ、EWIはLogicにau音源としてはつながず、スタンドアローンのAria音源ソフト側でSaffireを使って動かし、Saffireから出したアナログ音声をn12の入力につないでLogicに渡すという手法。
これだと、EWIの外部音源をMIDI信号ではなく、最終的なオーディオ信号としてリアルタイムに録音できるから、細かいニュアンスが表現できるのだ。
Logic上でMIDI信号として編集することはできないが、失敗したら何度でも録り直せばいい、それでこそEWIプレイヤーだろ、ということで。

そこで、Saffireに代わるものとして、20年以上前のRolandのEdirolというオーディオインターフェースを持ち出してきた。USB1.0の時代のものだが、音質は悪くない。レイテンシーが心配だが……と思ってやってみたら、これまた認識されない。Rolandのサイトでドライバを捜したが、もう見捨てられていた。

しょうがない。新しく買うしかない。
MICプリアンプなどはいらないので、超シンプルなやつでいい。D/Aコンバータの質がしっかりしていれば、安いほうがいい。そのうち、YAMAHAがCatalinaで使えるドライバを開発して出してくれればn12が復帰するし……。
ということでAmazonでポチしたのが、Sound BlasterのPLAY!3というちっちゃいオーディオインターフェース。


翌日届いたのでさっそくEWIのAria音源などで試してみた。

n12に比べてなんだこれ、というくらい小さい。値段も2桁違う。


認識され、音も出たが、音量が小さすぎてうまくいかない。
これはSaffire側でAUX入力を上げてやらないといけないな、と思ったが、Saffireのミキサーアプリがこれまた使用できなくなってしまっている。
散々ネットで探し回って、ようやく64bitになったというミキサーアプリを見つけたのでダウンロードしてインストールしたら、ここでさらなる悲劇が起きた。
なんと、Macが立ちあがらなくなってしまったのだ!

リカバリーモードにならない!

とどめを刺された。
ネットで「Mac 起動しない」などで検索しまくり、セーフモードやらリセットやらリカバリーモードやら、ありとあらゆることを試したがダメ。
何度電源の長押しで再起動を繰り返したことか。
セーフモードもリカバリーモードもダメというのはショックだった。どうしようもないではないか。
ほとほと疲れ果てた頃に、ふと、思い立って、Ctrlキーの代わりにWindowsキーを押して起動させてみた。そのまま目を離してWindowsマシンのほうで検索したりしていて、ふとMacを見ると……ん? なんかマウスの絵が映し出されているではないか。
キーボード以外、ありとあらゆる外部機器を外していたので、マウスがつながれていないという警告画面らしい。つまり、起動したのだ。
祈るような気持ちでマウスをつないで「次へ」とやると、見事にリカバリー画面が出た。
外部USBのHDDをつないで、タイムマシーンでバックアップしてあったデータを上書きさせる。不安だったので、3つ前くらいに戻した。
2時間後、Macが前日午前中あたりの状態に戻っていた。

キーの分担という罠

実はこれ、MacにWindows用キーボードをつないでいたことで起きた罠だった。
command + Rで修復起動モードで立ちあがるというので、何度もCtrl+Rで起動させていたのだが、全然ダメだった。
コマンドキーはWindowsキーボードのCtrlキーだということは分かっていたし、今までそれで問題になることはなかった。
しかも、私のMacはCAPS/LOCKがControlキーになるようにしてあるので、オリジナルのControlで試みたり、CAPS/LOCKで試みたりしてもダメだった。

Windowsキー+Rでリカバリーモードで立ちあがったということは、Windowsキーがコマンドキーでもあるのか? と思い、調べてみたら、コマンドキーはControlとWindowsキーとで分業?しているらしい。多くのショートカットに使うときはControl、その他はWindowsキーらしい。なんだそれ。

↑こういうことらしい

結果、なんとかタイムマシーンで何回か前の状態に戻せたけれど、バックアップからメインドライブを書き換えるのに2時間ちょっと。初期設定はやり直し。しかも昨日丸一日頑張って入れた歌やら何やらのデータは全部喪失でやり直し。

この日はこれで力尽きて寝たが、頭が疲れすぎて寝付けないという状況に久しぶりになった。

怖くてこれ以上いじれない

翌日、改めて少しずつ環境整備。
PLAY!3の音量が小さいのは、Macの環境設定「サウンド」のところでPLAY3!側の出力を調整できたのでなんとかなった。
Saffariは相変わらず設定を変更できないままで、以前、どういう設定にしてあったか忘れてしまっているのだが、怖くてSaffari用のミキサーアプリを再インストールなどできない。
PLAY!3でヴァイオリンのキム姐さんも召喚できたので、とりあえずはこれでよしとしよう。
n12はコンピュータにつながっていないただの外部ミキサーになってしまった。
このままYAMAHAがCatalina対応のドライバを出してくれなければ、この状態でずっとやるしかない。

デジタルワビサビの道も、平坦ではないねえ。

しかしまあ、今回のトラブルで、長い間不活発になっていた脳細胞が少し刺激され、音楽を創る気力がちょっとだけ戻った気がする。
結果よし……となればいいんだけどな。
こんな苦労の末にできたセッションなのだよ


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