一つ前の日記へ一つ前 |  目次   | 次へ次の日記へ

のぼみ~日記2019

2019/12/15

いざ東博へ


改めて思い返すと、国立東京博物館に入るのはいつ以来だろうか? 大人になってから一度も入っていないような気がする。
子供のとき、というか、東洋館が落成した直後くらいにお袋に連れられて来たような気もするのだが、定かではない。
……などというと、馬鹿にされるのは必至だが、ここは正直に告白しておいたほうがいいだろう。はい、あたしはアホです。

今回は東洋館で特別展「人、神、自然-ザ・アール・サーニ・コレクションの名品が語る古代世界-」というのをやっているのをネットで知って、これは見ておきたいと思ってやってきたわけだが、東洋館は常設展示物がとても魅力的だ。
生前、お袋もそんなことを言っていた気がする。「国立東京博物館は東洋館がずば抜けていいわよ」と。
でも、その頃のあたしは特にアジアの美術に興味があったわけでもなかった。
そのままなんとなく何十年も時間が流れてしまったわけだが、これは本当に恥ずかしい。

というわけで、ここからは東博未経験者の目でのリポートなので、常連さんは鼻で笑いながら読んでくださいませ。


まず東洋館へ直行。入り口ではこんなのが出迎えてくれる。


なんと写真撮影OK!!

実は、↑この入り口のところでこの像にカメラを向けていいのかどうか、悩んでいたのだ。こういう美術館や博物館では、入り口付近には必ず撮影禁止などの注意書きがあるものだが、見回してもそれらしいものはない。「長傘の持ち込み禁止」という表示は見つかったが、写真については見あたらない。
まさか写真撮っていいわけないよな、でも、これは建物の外だからOKかな、と、半分ドキドキしながらカメラを向けたのだった。

で、これはあたしの完全な予習不足だった。
帰宅後に改めてネットで確認したら、Q&Aのページにこうあった。
総合文化展については、個人利用にかぎって写真撮影ができます。ただし、撮影禁止マークのついている作品は、所蔵者の意向により撮影をお断りしています。 また、一脚、三脚、自撮り棒などの使用とフラッシュの使用はできません。他のお客様のご迷惑となるような行為(割り込んだり、撮影のため長時間その場にとどまるなど)はおやめください。撮影した画像を営利目的で複製・配布することはできません。 特別展会場については、写真撮影は禁止です。
東博WEBサイトより
要するに、常設展や「撮影禁止」表示のある展示物以外は撮影OKなのである!
ビックリした。多くの人が堂々と写真を撮っているので??と思ったのだが、そういうことだったのだ。
一眼レフでガシガシ撮っている人もいた。

最初に本館を訪れていれば、入り口にそのことが掲示してあったのだが、いきなり東洋館に向かったために分からなかったのだった。
あたしみたいに、コンパクトカメラで音も消して、ササッと撮っている場合はぜ~んぜんOKなのだ。

もうひとつの失態は、入り口そばに無料のコインロッカーがあるのを見落としていた。これも最初に東洋館に入ったから。東洋館のロッカーコーナーは引っ込んだところにあって見落としてしまいがち。本館は入っていきなり目に入る場所にあるので嫌でも気づくのだが……。
で「無料のコインロッカー」というのは矛盾しているように思えるが、まさにその通りで、ロックするには100円玉を入れなければならないが、使い終わって鍵を戻すと100円玉は返却口に出てくる。
職員さんの話では、結構これに気づかず、取り忘れている人がいるらしい。
ちなみにこのとき、財布の中に100円玉がない! 売店まで行って「コインロッカーを使いたいんですが……」と言ったらすぐに「両替ですね」と、にこやかに両替してもらえた。
ロッカーに気づかず、重いリュックと分厚いダウンジャケット(中身は羽毛じゃない偽ダウンだけど)で5Fまでゆっくり見て回った後にこれに気づいたあたしは、改めてリュックとダウンをロッカーに入れて、もう一度、今度はしっかりと写真を撮りながら回ったのだった。最初から分かっていれば、撮った写真は倍増していたし、まだ人がそれほど入っていない時間帯だったから、写真の写りもよかっただろうに、本当に無念。

ロッカーの存在にようやく気づいた後も、ロッカーの100円玉が戻る仕組みを知らず、荷物を東洋館のロッカーに入れたまま、薄着で本館と平成館を回った。
本館では階段の上で、立っている年輩の職員さんの目の前で恐る恐るカメラを構えたら、そのおじさんはニコニコしてす~っと自分が邪魔にならないようによけてくれた。
そこでは博物館の天井を撮っていたのだが、職員さん(結構偉い人かも?)は笑顔で(かなり大きな声で)「建築関係のかたですか?」なんて声をかけてきた。
「いえいえ。こういう建物の内部はなかなか撮れるもんじゃないので……」
「この建物自体が重要文化財なんですよ~」
なんて会話が弾んだりして……ほんと、素晴らしい場所だなあ。日本国の宝だ。
「大らかなんで驚きました」と言ったら「でも、ペットボトルを手に持っていたり、そういう人は注意します。鞄の中に入れてもらわないと」
ですって。

1日かけても回りきれない。それがたったの630円。今まで知らずにいて大損した。
常連さんが多いのも当然だな。

東洋館の展示物(撮影OKのエリア)より



























こういう小品はカタログや図録にも登場しにくいので、写真OKは本当にありがたい。しかも、無反射ガラスのおかげで、まったくガラスがないかのような見え方。↑ガラス越しの写真だと思えないほどクリアでしょ。
続きは次ページで。




タヌパックブックス
狛犬、彫刻屋台、未発表小説、ドキュメント……他では決して手に入らない本は⇒こちらで

★Amazonでも購入できます⇒Amazonで購入こちら

タヌパックのCDはこちら たくき よしみつの小説

『彫刻屋台図鑑01 鹿沼の彫刻屋台』

ユネスコ無形文化遺産登録で注目が集まる鹿沼の彫刻屋台。全27屋台を128ページフルカラーで「アート」として見つめ直す写真集。
B6判・128ページ フルカラー オンデマンド 無線綴じ  1680円(税別) 送料:220円
■ご案内ページは⇒こちら 

『彫刻屋台図鑑02 宇都宮・今市の彫刻屋台と天棚』 

写真・文:たくき よしみつ 写真:鐸木郁子  地元の人でも滅多に見ることがないという石那田、徳次郎の屋台(計12台)の他、今市の6台、その他、東下ヶ橋の天棚など、合計23台をフルカラー写真で収録。収録写真画像500枚超。類書がない貴重な資料。
B6判・132ページ フルカラー オンデマンド 1680円(税別) 送料220円
ご案内ページは⇒こちら

小説・神の鑿 ─高遠石工・小松利平の生涯─

「神の鑿」石工三代記の祖・小松利平の生涯を小説化。江戸末期~明治にかけての激動期を、石工や百姓たち「庶民」はどう生き抜いたのか? 守屋貞治、渋谷藤兵衛、藤森吉弥ら、実在の高遠石工や、修那羅大天武こと望月留次郎、白河藩最後の藩主で江戸老中だった阿部正外らも登場。いわゆる「司馬史観」「明治礼賛」に対する「庶民の目から見た反論」としての試みも。

B6判 250ページ オンデマンド 1280円(税別) 送料:220円
ご案内ページは⇒こちら


Kindle版は643円。(Kindle Unlimitedなら0円)Amazonで購入⇒こちら

HOMEへ 狛犬ネット入口目次へ

狛犬ネット売店へ
『神の鑿』『狛犬ガイドブック』『日本狛犬図鑑』など、狛犬の本は狛犬ネット売店で⇒こちらです


更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報
   Twitter   LINE


一つ前の日記へ一つ前 |  目次  | 次へ次の日記へ


Kindle Booksbooks    たくきの音楽(MP3)music    目次へ目次    takuki.com homeHOME


Google
nikko.us を検索 tanupack.com を検索