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のぼみ~日記2019

2019/11/08

年に1度の?三宝鮨


↑これで営業中なのだから、地元の人でも分からないよなあ……
福島から狛犬関連の客人が来訪。毎年新米を届けてくださる。三宝巻をたいそう気に入っているので、今年もお連れした。
また暖簾が引っ込んでいる。暖簾が出ているのを見たことがない。これで営業中なのだ。最初は分からずに店の前でUターンしたものだ。
地元の人でさえ、これで「営業中」だとは思わないだろう。分かっている人だけが引き戸を開けて入店できるという怖ろしい?システム。


三宝巻。ウニ、いくら、イカ、マグロなどを太巻きにしたもの。普通の太巻きはでんぶや卵焼きが入っているが、そういうのは一切入ってない。かなりの量がある。



満足していただけたかしら。



客人2人は三宝巻。あたしは今日は上にぎりにした。三宝巻全部食い切るだけの若さがないというか……。レーンをお皿にのって走ってくる寿司じゃない寿司は久々に食べた。ああ、去年の今頃以来か。
客人としばし戊辰戦争当時の話をする。
『神の鑿』の舞台となっている白河、棚倉、石川周辺が戊辰戦争のときにどんなことになっていたか。
山白石村大庄屋・松浦孝右衛門の日記が発見され、解読作業が進んでいたが、もうすぐ出版されるそうだ。その内容の一部を教えてもらった。
松浦家では棚倉城主・阿部家の荷物などを預かっていたが、その後、薩長の兵がやってきて「預かっているものがないか?」と詰問された。孝右衛門は自ら土蔵に案内し「この荷物は親戚から預かったものです」と嘘をつき「お役目ご苦労様です」と、酒や鶏や馬二頭を差し出して帰らせた。
「魚心あれば水心」と日記に書いている。
棚倉城を脱出した阿部家の人々がやってきて荷物を預けた際も「会ったこともない人たちなのに当惑した」と書いている。
戦場にされた庶民にとっては、東軍も西軍も関係ない。人夫出しも、当初は東軍(奥羽越連合軍)からの要請で、戦が進むと今度は西軍(新政府軍)からの要請で出している。
……とまあ、そんな話をしていた。

ちなみにこのとき棚倉城を脱出した阿部正外の娘は私の母方の曾祖母。養父の祖父・鐸木三郎兵衛は白石藩の藩士の次男で、福島町いちばんの富豪に養子入りし、その財産を一代で公共事業や社会福祉につぎ込んで使いきった政治家。実父は庶民の出だと思うが、福島の人。私の血には「東北魂」が流れているのだなあと、この歳になって改めて知る。
東北戊辰戦争の恨み、忘れるものか~~。

小説・神の鑿 ─高遠石工・小松利平の生涯─

「神の鑿」石工三代記の祖・小松利平の生涯を小説化。江戸末期~明治にかけての激動期を、石工や百姓たち「庶民」はどう生き抜いたのか? 守屋貞治、渋谷藤兵衛、藤森吉弥ら、実在の高遠石工や、修那羅大天武こと望月留次郎、白河藩最後の藩主で江戸老中だった阿部正外らも登場。いわゆる「司馬史観」「明治礼賛」に対する「庶民の目から見た反論」としての試みも。

B6判 250ページ オンデマンド 1280円(税別) 送料:220円
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