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のぼみ~日記2019

2019/10/11

颱風が来る



今度の颱風はかなりヤバいと、気象庁もかなり前から異例の早期会見を開いて警告している。
コースは東京直撃。そのまま関東上陸。
雨雲レーダーを見ると、すでに巨大な雨雲がかかり始めている。これはホントに怖い。どうなるのか……。

ただ、今思えば、この時点では多くの人たちは「また千葉が? 可哀想に」というような感じで構えていたんじゃないだろうか。
特に、関東以外、東海や北陸、東北あたりの人たちは、自分たちにまで甚大な被害が及ぶとは思っていなかったと思う。
それって、メディアの伝え方にも問題があったのではないかな。

居間の床をこれが歩いていたので、捕まえて外に出す。どこから来たのか? 颱風が接近しているから屋内避難かよ。
助手さん、この手のは平気らしくて、平然と「何か歩いてる」だって。ゴキブリはギャ~ギャ~騒ぐのに、変なの。(Wヤング 平川師匠風)
調べたら、マイマイカブリの幼虫らしい。マイマイカブリ……カタツムリの天敵か。。

きたきたきた。モロ首都直撃コースじゃないか。霞が関の予報↓を見ても、今回ばかりは政府も燕尾服着て内閣改造とかやってられないだろうな。


颱風接近。
我が家は雨は降り出したものの、風はまだほとんどない。ほんとに来るのか? という感じだった。

2019/10/12

颱風襲来の日、テレビは……

土曜日。いよいよ颱風が上陸するという日。午後からは「命の危険も」と言っていながら、テレビの番組はどこものんびりと通常編成。テレ東以外は免罪符代わりのL字枠を出しているが、中身のアホらしさがかえって目立ってしまう。この国は大丈夫なのか?

午前中。颱風が来ているのに、NHK以外は通常編成で放送中

↑日テレは食べた麺の長さを競うとかなんとか……相変わらずなんか食ってる



↑TBSはラッコの飯風景をやってる



↑フジはジャニーズに漢字を読ませている



↑テレ朝はサンドウィッチマンと一茂が食い物屋を探し歩いている



↑いわゆる「安定のテレ東」。L字枠さえ出さないのがむしろ潔く感じる?

午後になっても食い続けている


午後になって、あちこちに大雨特別警報が出され、箱根では観測史上最高という雨量になっている中、TBSはまさかの「箱根のお持ち帰りグルメ50品を全部食べきるのにどれだけかかるか」とかで大食いをやっている。その箱根では今、住民が命の危険にさらされているのに、だ。
首都圏が大変なことになるという予測は何日も前から出ているのに、臨時編成を準備していないどころか、この内容!!をそのまま流してもいいだろうと判断する編成部の神経! 嘘だろ。ここまで日本は劣化しているのか、と、暗澹たる気持ちになる。
↑TBSが箱根グルメの大食いを流しているずっと前に、すでに箱根町では観測史上最大の雨量を記録している。

↑まさにその「命の危険」に直面しているまっただ中の放送がこれなのだ。雨は降り続け、この日の夜20時には918.5mmに達し、全国の日降水量の観測史上1位の値(これまでは2011年7月19日・高知県魚梁瀬851.5mmが最高記録)を大幅更新した。

この時点で、箱根だけでなく、東海、北陸も含めた広いエリアで「命の危険」を知らせなければならない人たちがたくさんいて、みんな緊張しながらテレビを見ていたはず。



このテロップと画面の乖離。なぜこの内容を事前に差し替えなかったのかな。これなら静止画で文字情報と音楽でも流していたほうがずっといい。

この女性タレントが気の毒で見ていられなかった。この子も被害者だなあ。



そうこうしているうちに我が家も大雨の中心部に入っている。


2015年9月の豪雨被害は、我が家の周辺でもひどかった。道路がの舗装面ごと剥がれて田圃に流れ込んだし、死者も出た。

↑2015年9月の豪雨被害。涼風号MarkIIでよく通る散歩道がこうなった。⇒当時の日記
今回も河川の氾濫がいちばん怖いので、NHK防災アプリで河川の危険度情報をチェックしていた。すると、塩谷町を流れる川が栃木県内ではまっ先に赤く塗られ、氾濫危険度が高いことが分かった。↓

栃木県内でまっ先に「非常に危険」とされた荒川



すでにこの時点で、塩谷町は赤く染められた危険区域のまっただ中↑

ここが放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場の候補地

ここで思い出してほしい。塩谷町は環境省が「放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場の候補地」として指定して、今も地元の反対を押し切って計画を進めようとしている場所。しかもその候補地は水源地である。
その塩谷町の処分場候補地を見に行ったときの日記が⇒こちら(数ページある)
候補地は山の頂上に近い斜面で、進入路は狭く、このときは台風で壊れ、通行止めだった。
山に入っていく道も細くて折れ曲がっており、工事が始まるだけでも大型車が行き交い、大変危険なことになるだろう。

環境を破壊し、人々の命を危険にさらし、幸福を奪う環境省。進次郎よ、きみの仕事はそんなことではないよな?


……ああ~、またたくまにほとんどの河川が氾濫危険になっている↑
ここだけではない。過去何度も洪水被害に見舞われている足尾町の上流側にあたる横根高原の斜面に、ミズナラを大規模伐採してメガソーラーを作るという馬鹿げた計画も、事業者はまだ引っ込めてはいない。鹿沼市が難色を示したために、範囲を変えて、今は日光市の部分に建てると言っているらしい。
足尾と反対側の下流域にあたる鹿沼市粟野地域は、今回の颱風19号で河川が氾濫し、甚大な被害が出た。ただでさえこうなのに、上流側の木を伐ってメガソーラー……保水作用は奪われ、表土は簡単に流れ、崩れて……もう、殺人行為ではないか。
何が「再生可能エネルギー」だ。環境破壊、殺人事業以外のなにものでもないではないか。こういうのをこの国では「経済効果」というのか?
いずれにしても、被害が出てから「大変です」「ひどいことになってます」と騒ぎ立てても遅い。颱風も地震も大雨も必ず襲ってくるのだから、被害をいかに小さくするかを考えなければいけないのに、被害拡大になるようなことばかりしている。


横根高原メガソーラー建設予定地(左上の青い○の場所)と、今回、浸水被害でひどいことになった鹿沼市粟野地区(右下の青い○の場所)との位置関係
横根高原を水源地とする思川と粟野川の合流地点が広範囲で水没した。上流の山の斜面のミズナラを野球場数十面分伐採してソーラーパネルを敷き詰めるなどという馬鹿げたことを本当に実行したらどういうことになるのか? 子どもでも分かる。
栃木県内では、那須御用邸のそばにも約37ヘクタールのメガソーラー建設計画があり、地元住民らが反対している
横根高原も那須御用邸脇も、事業者は外資系である。外国企業が日本の山を食い物にして儲けるという図式。水道事業の民営化も、そうした図式になっていくことははっきりしている。
こういう問題が出るたびに、反対する側は揃って「自然エネルギーには賛成だが、場所を考えてほしい」的な主張をするが、「自然エネルギー」「再生可能エネルギー」と呼ばれている風力発電、太陽光発電の正体をしっかり勉強し直してほしい。「自然」だの「再生可能」だのといううたい文句で補助金、税金をかっさらい、建て逃げを図る企業によって、地下資源はむしろ枯渇を早めるし、温暖化が防げるわけでもない。無駄が増えて、その分、金が集まるという構造は原発ビジネスと同じなのだ。
そういう基本的な認識ができず、資源物理学の基礎が分かっていない民主党政権時のトップが、自然エネルギー万歳の能天気な発想でFIT法を制定した罪は極めて重い。現安倍政権と経産省の悪政を強力に後押しし、軌道修正をしにくくさせてしまった。
太陽光発電施設の設置について、現状は土地利用を直接規制する法律はなく、環境影響評価法でも対象外となっている。そのため全国の自治体では、条例に基づく環境保全を求める手続きや環境影響評価手続きなどを、独自に設ける例が増えている。(「太陽光発電施設、11市町が独自規制検討 法整備求める声も 足利、栃木は条例制定」 下野新聞 2017/08/15)

このままでは、日本の宝である山と水が、外国企業や国内の悪徳腰巾着企業によってズタズタにされてしまう。そうした行為から国民を守ることが「国防」であるはずなのに、国が後押しをしているのである。

なぜそういうことになるのか。なぜそういうことを許しているのか……構造、システムの問題だということに気づかないと、どんどん手遅れになる。

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