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のぼみ~日記2019

2019/10/10

消費増税で消えていくもの


消費税を8%から10%に上げられてしまい、庶民の生活が困窮するのは当然だが、小規模商売をしている人たちへの圧迫度がものすごい。
それと、システムの混乱。案の定、うちでも散々影響を受けた。
印刷所が混雑してオンデマンド本の製作遅れや配送ミスが重なった。ヤマトと業者をつなぐシステムがダウンしたとかで、配送番号が分からない。
そんな中で「まだ届かない」とか「まったく違う本が送られてきた」といった事故が続いて、まいった。
もちろんちゃんとフォローしたが、現場の混乱ぶりや疲弊を考えると、ミスやトラブル自体に文句を言う気にはなれない。そういう現場の苦労をまったく思いやらない政治家やら官僚への怒りは増すけれど。

個人営業の飲食店などは最も影響を受けるだろうと思っていたけど、やはりそうで、あちこちで10月から廃業、閉店が相次いでいるという。
久々に入った山本鉄筋の社員食堂では、価格もそうだが、あれだけ豊富で内容の濃かったメニューが4種のみに激減していたのがちょっとショックだった。
ここは開業当初はすべての定食が税込600円だった。これだけものすごい内容で600円(税込)? と、たちまち評判になって、激混み。12時を過ぎるとまず入れないような人気店になったが、その後、税別600円に。先日久々に入ったら、税別750円になっていた。
税込810円でも、この内容ならなんの文句はない……と思っていたけれど、メニューが一気に減ったのはちょっと驚いた。店主一人でこなすのはさすがに厳しかったのだろう。仕出し中心に移行して、夕方からの営業もかなり前にやめたらしい。
この店はファミリー向けや観光客向けではなく、完全に職人さんや外回りの営業マンなどが相手だったから、800円を超えると足が遠のくのだろう。
1000円以下の定食屋など入ったこともない人たちは、このギリギリの苦労を想像できない。机上の計算で簡単に増税しようだの、軽減税率だの、勝手なことを決める。たまらんなあ。

↑ハンバーグ、↓天丼、牡蠣フライ、皿うどんの4種だけになっていた。内容は相変わらず十分。


電子書籍のほうが長命?

日本では電子書籍がなかなか受け入れられないようなので、オンデマンドで紙の本を作り始めたのが数年前のことだったが、紙の本は相変わらず売れない。みんな疲弊している感じ。文化に金と時間を使う余裕がない。ちょっと時間があくとスマホでゲームをやるくらい?
そこに消費増税。
追い込まれ、振り回され、ヘトヘトになって家に戻って、発泡酒をちびっと飲んで、スポーツニュース見て、寝るだけ……みたいな生活になってしまうのも無理はないんだろうなあ。

なんとか気持ちを維持させながら、改定した小説『神の鑿』を、引き続き縦書きKindleブックにする作業をしていた。
ルビ振りや画像挿入なんかが大変で、コンバートしては「あれ? ここがおかしい」……と、20回くらいやり直した気がする。
紙のオンデマンドブックは1冊も売れなければ最初から「存在していない本」になってしまうが、電子書籍ならデータが消されない限りは生き残るのではないか……という気持ちから、頑張ってみたのだが、それとて同じことか。10年20年くらいでは、状況は変わらないどころか、悪化し続けるだろうから。

ちなみに、今回の改訂作業をしていて分かったのは、自分の母方の先祖(曾祖母)が「白河城最後のお姫様」で「幕末に急に棚倉城に移されて、そのときまだ子どもだったから大変な思いをした」という話の「白河城最後のお姫様」は、阿部正静の娘・通ではなく、阿部正外の娘・勝か礼のどちらか(多分、勝のほう?)であろうということ。正静の娘は当時まだ生まれていなかったと分かった。
女系の子孫については、公表されている家系図などでは「女」とか「娘」としか書かれていないことが多く、調べるのが困難なのだ。

阿部正外の娘が明治になってから誰かと結婚して、その娘・香が境の明神・南部屋の石井家で育ち、伊勢崎の蝋燭問屋細野智之助に嫁いだ、……ということなのだと思う。
おそらく、香が嫁いだのは明治40年くらい。であれば、その母親は明治20年かそれ以前に香を生んでいるわけで、お袋の祖母(あたしの母方の曾祖母)が「白河城最後のお姫様で、子供のときに棚倉城に移された」という話と、時間的には整合する。
また、境の明神・南部屋は南部藩を追われた石井七兵衛が始めたもので、南部藩と白河藩は血縁関係があるし、南部屋の主が代々「関守」と呼ばれ、関東と東北の境界を監視して徳川に報告を入れる隠れ任務を負っていたという話も頷ける。それだけ徳川と関係が深かったのだから、正外の娘、あるいは孫娘が嫁いだとしてもおかしくない。

もしそうならば、あたしの母方の祖先は阿部正外だったわけで、その怨念やら悲運やらが今もつきまとっているのかなあ……。
ちなみに助手さんの母方の祖先も歴史上重要な場面に登場する幕臣で武芸の達人。京都見回り組から始まり、戊辰戦争では最後の箱館戦争まで従軍したという人物で、なるほど助手さんには逆らえないわけだ。

トンボ


今日もトンボの群れの下を散歩する。
ライチェルがおとなしくしてないので、動画はどうにもならんかった……



なんか奔放な?田圃


2019/10/11

颱風が……


とんでもなく怖ろしい台風がやってくるらしい。無事にやり過ごせるか……。


マイマイカブリの幼虫?


その台風を避けてきたわけじゃないだろうが、居間の床をこんなのが歩いていた。オサムシ科のなんかの幼虫(マイマイカブリが有力)らしい。助手さんはこういうのは全然平気らしくて「なんか歩いてる」だって。ゴキブリだと大騒ぎするくせに。変なの(Wヤング平川師匠風)
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