2018/07/23
田町彫刻屋台
町内会のかたが鍵を開けてくださったので、狭いながらもガラス越しではなく撮影できた。ラッキー。

金箔や錺金具をふんだんに使った初期型の彫刻屋台


彩色できた時代の屋台だからか、高覧下の波の彫りなどは浅い。奢侈禁止令が出て白木造りになっていってからのほうが、透かし彫りなどの技法に磨きをかけていくので、彫刻そのものは迫力が出てきた傾向がある


錺金具も江戸時代の製作時のままだという




脇障子。鳳凰だろうか、一部剥離しているが、下手に再彩色しないほうがいいような気がする


眼光鋭い顔がいい。尾もデラックス↓




鬼板は丸彫りの金獅子。懸魚は牡丹で唐獅子牡丹を構成。狭い場所での撮影なのでベストポジションが取れず残念

外障子は梅




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文政4(1821)年製作で、もともとは宇都宮市日野町が所有していたのを、明治15(1882)年頃に買い取ったという。本体大工棟梁は高田仲右ヱ衛門と記されているが、彫刻師はよく分かっていないようだ。
彩色され、金具類がふんだんに使われ、車輪は外車輪(宇都宮型と呼ばれる)。鹿沼にはあまり残っていないタイプの初期型屋台。彫刻屋台の歴史を知る上で貴重な屋台だ。
「鍵当番」の人が鍵を開け忘れていたおかげで、ガラスの内側にまで入れてもらえたのはラッキーだった。
助成金で立派な収蔵庫ができたので、ガラス越しに通年見ることができる。益子を訪れたら、焼き物だけでなく、ぜひこれも見てほしい。
『彫刻屋台図鑑01 鹿沼の彫刻屋台』★
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『彫刻屋台図鑑02 宇都宮・今市の彫刻屋台と天棚』
写真・文:たくき よしみつ 写真:鐸木郁子
地元の人でも滅多に見ることがないという石那田、徳次郎の屋台(計12台)の他、今市の6台、その他、東下ヶ橋の天棚など、合計23台をフルカラー写真で収録。収録写真画像500枚超。類書がない貴重な資料。
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