地面に置かれた小さな2対を高い台座の上から見下ろしているおおきいやつはいわゆる「皇紀2600年もの」。昭和15(1940)年には全国の神社で数多くの狛犬や燈籠が奉納された。
日清日露戦争を経て太平洋戦争に突入していく時期で、国威発揚を意識したような「護国タイプ」が多い。特に岡崎古代型が量産された。滋賀県の大宝神社にある鎌倉時代の木彫狛犬がモデルで、そこからさらに胸板を厚くしてマッチョにしたような狛犬。
この狛犬もそうだが、岡崎古代型と岡崎現代型の中間のようなテイストだ。

「皇紀2600年もの」は、このように胸板が厚く、猛々しいのが多い


台座が高いのでどうしても見上げてしまうが、護国タイプとしては結構剽軽な顔かもしれない


「兄貴」の横にいるこのチビ狛犬は……


台座の泥を落としてみると↑……昭和5(1930)年だった↓


仲よく並んでいるこの風景がなんともいえずいいなあ