
2017/07/31
元気になったので特養を出された親父
特養(特別養護老人ホーム)は、要介護3以上でないと入所させてもらえない。昨年からこの規定は特に厳しくなった。
親父が入っている特養はショートステイ用の部屋が20あるので、ショートステイならほぼ常時空いているのだが、介護度が下がった状態でショートステイを続けると費用がかさむので、経済的に厳しい。
そんなわけで、施設側からは何度か「他に移ったほうがいいのでは」と言われていたのだが、いよいよ介護度の見直し時期が迫り「今の状態では間違いなく要介護1か2くらいに落とされますから、どこか有料老人ホームかグループホームに移れませんか」と言われてしまった。
以前から探してはみたのだが、グループホームはどこも満杯。しかも利用料が高い。
有料老人ホームやサ高住も、24時間介護サービスがついている施設は少ないし、費用が高いのでとても出せない。
とにかく、首都圏や周辺ではとても無理。日光市は田舎だから安いところもあるかなと探してみたのだが、グループホームはどこも満杯。
探し回った末に見つけたのが、意外にも家の近所(といっても5km)にある小さなデイホーム。
個室が4つしかないので、グループホームとしては認可されていない。デイサービスを提供する小規模施設だが、自主営業で夜もやっているから、入所サービスも可能……というもの。業界では「デイサービスを提供する小さな施設だが、泊まりも可能にしている」という意味で「お泊まりデイ」などと呼ばれているようだ。
ここにお願いすることに決めたのが半月ちょっと前。その後は横浜と日光、双方の役場やら年金事務所やらに問い合わせをして、手はずを整え、いっぱい書類を書いて提出して……という日々だった。
で、今日はいよいよ横浜の特養から日光のお泊まりデイへの移動。外は35度という猛暑の中、早起きして日光⇒横浜⇒日光の移動の一日となった。
月末の月曜日。しかも夏休みでもあり、首都高はすでに渋滞か所が出ているので、ナビを無視して安全策で圏央道で海老名ジャンクション経由という遠回りルートを選んだ。首都高を通るより20kmくらい長くなるが、首都高のごちゃごちゃした分岐で煩わされることもないし、渋滞が起きるとしても海老名ジャンクションの手前だけだろうから。
結果、正解で、すんなりと午後1時には特養に到着。
飯は海老名SAで取ろうと思ったが、その前にトイレで立ち寄った厚木PAのフードコートがなかなか充実していたので、そこで取った。これも正解。

圏央道内回り厚木PAのトイレ。ほぼすべての個室が育児、車椅子、オストメイト対応になっていてビックリ。普通はこういう個室はあっても1つだけだが、ここはほぼすべての個室がこうなっていた

食事は「さがみ食堂」と「B1グランプリキッチン」の2つが入っている。さがみ食堂の「とん漬け定食」980円と肉野菜炒め定食880円を注文

肉野菜炒め定食のほうが正解だった。高速道路で飯を食う場合、大きなSAよりも地元のおばちゃんたちが作っている小さなPAのほうがうまいし安いことが多い。このPAは新しい施設なのだが、地元の食堂のような雰囲気が残っていてとてもよい

きれいで設備も新しい。窓際の席にはパソコンを使えるようにコンセントもついていた

10か月お世話になった特養を出る親父。ケアマネさん、リハビリ担当のお兄さん、施設長がお見送りしてくれた。リハビリ担当のお兄さんには特にお世話になったようだ。
一杯持ち込んでいた荷物をしっかり段ボールに詰めて、運び出すだけの状態にしておいてくれたヘルパーさんにも感謝。いい人たちに囲まれて、親父は幸せだったと思う。
さて、これから猛暑の中、一路日光へ。
100人規模の大型施設から個室4部屋の「普通の民家」施設への引っ越し。うまく馴染んでくれるだろうか。
2017/08/01

一夜明けて今日は市役所に転入届を出しに行く。ついでに親父の部屋に持ち込む机と椅子を車に積んで……。転入届を出した後、オムツの補助を受けるために本庁へ

途中、評判がいい内科医院に寄って、こうこうこういうわけで特養にいた父親が来るのだが、今後、かかりつけ医として投薬や健康診断などをしてほしい旨、受付に伝えた

役所でもらったオムツの補助券。月に6000円まで補助してもらえる。ありがたい。だが、1枚で1回だけ。お釣りは出ないから、6000円使い切るように買わないといけないのが難しそうだ


今までは特養だったのでオムツは施設側で用意してくれたが、今度は自分で買って持ち込まなければならない。事前にどんなタイプのものをどのくらい……と打ち合わせしていたのだが、いざ売り場に行ってみると、う~~ん、微妙に違うのがいっぱいあって悩む。仕方なく、一旦は買わずに施設へ直行
2017/08/02

役所関係は一通り全部終わったと思っていたら、ケアマネさんの事務所から電話があり、「介護保険の資格証明書が役場に提出されていないようで、ケアマネ登録の手続きに行ったができなかった」とのこと。昨日、支所にも本庁にも行ったのに。介護保険の担当課の隣でオムツ補助券もらったときも「ではこれはお返しします」なんて言われて資格証明書は戻されてしまったのだ。なんという横の連絡のまずさ。
仕方なく、また本庁へ行く。
帰りに新しくできたラーメン屋さんでラーメンを食べてから施設に行くと、ちょうどお昼だった。「今日はカレーですが、よかったら一緒に食べていきますか?」と誘われたが、ラーメンを食べてきたばかりだったので辞退。なかなかうまそうだった。

親父の新居。いい部屋を用意してもらった。こちらで持ち込んだ机と椅子とテレビをセットして……なかなか快適な空間じゃないか

掃き出し窓の外には田んぼが広がる
この日は午前中、デイサービスの送迎車の助手席に乗せてもらって施設の周辺の風景を見ながらドライブを楽しんだようだ。
こういう柔軟な対応、大きな施設ではまずありえない。お昼を一緒にどうですか? なんてこともありえない。
家庭的な環境の中で、親父は今までより居心地がよさそうだが、認知症は確実に進んでいて、経済面のこととともに、今後の不安は膨らむばかりだ。
親父のことがあって、多くの人たちから親の介護についての話をいろいろ聴くことになったが、うちはまだいいほうで、もっと悲惨な状況もいっぱいある。かと思うと、介護の苦労を経験しないまま両親が亡くなったという人もいる。そういう人は、僕より年上でも「認知症って病気なんですか? ボケとどう違うんですか?」とか「要介護度ってなんですか?」とか「老人ホームって種類があるんですか?」などなど、驚くほど何も知らないまま歳を取っている。まあ、そういう僕も、親父がこうならなければ今でも介護の世界のことはよく知らないままだったかもしれない。
まあ、とにかくいろんな問題について次から次へと考えさせられる日々だ。

↑ここ数日はレオのお散歩も時間が遅れ気味。先日の紐絡まり死ぬ寸前事件の痕。痛々しいが、すでに痛みはないようで、元気に歩いている。完全復活。
レオも人間の歳なら100歳近いし、僕も、レオがいなければ足腰や内臓がガタガタになっているだろうし、人と人、人と犬の老老介護の日々は続くのだった。


↑たまたまこの本を見つけたのでパラパラとめくっていたら、ついつい最後まで読んでしまった。30年以上前に書いたもの。「読んでみる?」と親父に渡した。Kindleブックは上の画像をクリック。
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