のぼみ~日記 2015

2015/08/25

iPod touch6のカメラ性能を検証する(3)


1/30秒、ISO 200

デジタルズームは使う派? 使わない派?

これはデジカメ一般に共通するテーマだが、デジタルズームは使うべきかどうか……という問題がある。
iPhoneやiPod touchの内蔵カメラは固定焦点レンズ(レンズというにはあまりにも小さいので、ピンホールよりちょっといい程度のもの?)なので、レンズによる物理的なズーム(光学ズーム)ができないのはもとより、絞りも変えられない。絞りは常に開放(iPod touch6の場合はF2.4)だ。
普通のカメラなら、デジタルズームを使って拡大して撮った写真と、デジタルズームを使わずに光学ズームの望遠端で撮っておいて、後から画像ソフトでトリミングして拡大させるのとではほぼ同じ結果が得られる。
しかし、iPhoneやiPod touchの場合は、撮ったらそのままSNSにアップしたりする即時性が売りだから、いちいちパソコンに取り込んでからトリミングしたりするのは面倒だ。内蔵の編集機能でトリミングをあとからやるのだって面倒だろう。だから、デジタルズームで画質が相当悪化するのを覚悟でデジタルズーム機能を気軽に使うことになる。
上の写真はデジタルズーム3倍で撮影したものだが、暗い部屋なのでISO感度は自動的に200にセットされている。ISO200だとデジタルズームしたらそうとう厳しい。小さなスマホのモニターで見ている分にはあまり気にならないだろうが、大きなモニターで見たら相当見苦しいことになる。

でもまあ、スマホやiPod touchで撮る写真というのはそれでいいのだと思う。

露出は後でいじったほうが安全?

同じように、露出を撮る前にいじるのか、撮った後で補整するのかというのも悩みどころかもしれない。
前ページでは露出を変えて撮影できるフリーソフトとしてVSCOcamを紹介したが、操作性の悪いiPhoneやiPod touchでいちいち設定に悩んで撮るよりは、サクサク撮っておいて、よほど露出がおかしい写真だけ後から修整するほうが楽かもしれない。

次の2枚は、VSCOcamで撮ったが、外の景色が白っぽくなっているので、IrfanViewでサクッと補整してみたもの。
撮るときに露出で悩むより、後からIrfanViewでサクッと直したほうがはるかに簡単だし時間もかからない。

1/30秒、ISO 40


上の写真をIrfanViewで補整


こちらは撮るときに補整した例。わざと明るく撮ってみた↑
1/10秒、ISO 25


VSCOcamで手動設定して適正露出を探って撮ったもの↑
1/30秒、ISO 40


ついでに、VSCOcamでシャッター速度を極端に速くして撮ってみた


結果はこうなった↑  1/1000秒、ISO 800
やはり相当粗いが、場合によってはこういうこともするかもしれない

シャッター音を消す

さて、iPhone6、iPod touch6でいちばん困るのは、シャッター音がでかすぎるということだ。
これはどうも日本から特別に要求していることらしくて、iPhoneは日本バージョン(初期設定で日本語を指定した場合?)以外では、マナーモードにするだけでシャッター音はしないらしい。
そのため、マナーモードにすれば音が出ないようになるカメラアプリというのが日本人ユーザー向けにいっぱい出ている。

しかし、iPod touch6の場合はiPhoneと違って「マナーモード」という設定そのものがないので、マナーモードを利用した消音アプリは使えない。
マナーモードに関係なく、音をごくごく小さく(事実上聞こえないレベルに)落とすカメラアプリというものもある。
代表的なのは、Small Sound や 超微音カメラ といったアプリ。
さっそくインストールしたが、フリー版は広告が出たりして「違う意味で」うるさい。高いソフトではないので有料版を入れて広告を消してみた。
超微音カメラの場合は、VSCOcamのように、露出とピントを別々のポイントに指定する技も使える↓



上の青い四角がフォーカスポイント、下の黄色い丸が露出ポイントを示している。別々に指で動かせる

しかし、気のせいかもしれないが、このアプリ、ピントの合い方が内蔵カメラアプリより甘いような気がする。
さらには別の大きな問題を見つけた。Exif情報を記録してくれないのだ。
写真の腕を上げるためにも、後から撮ったときのことを思い出すためにもExif情報は絶対に必要である。

内蔵アプリで撮った写真にはこのようにシャッター速度やISO感度などのExif情報が記録されている


ところが「超微音カメラ」などの消音カメラアプリで撮った写真にはExif情報が記録されていない↑


僕としてはこれはちょっと許せないことだ。
どうでもいい写真(店で「これからこれを食うぜ」みたいな料理の写真をSNSにUPするとか)なら別にいいかもしれないが、Exif情報が記録されないとなると、常にこのアプリで写真を撮る気にはなれない。日時すらExifとしては記録されていないのだ。

また、フォーカスポイントと露出ポイントが別々に出るというのは、凝った写真が撮れるようでいて、やはり操作性がよくない。内蔵アプリのように、ポンとタッチして上下にスライドだけのほうがずっといい。

というわけで、残念ながらこのアプリも常用アプリにはならなそうだ。

そこで悩んだ末に行き着いたのは、「カメラソフトは内蔵のApple製を使う」「でかすぎる音はスピーカー穴をふさいで小さくする」という原始的というか、極めて物理的な方法。

動画にしてみたのでご覧あれ↓

露出を簡単に変える方法とシャッター音を軽減させる方法のまとめ↑

iPod touch6の場合、ここがスピーカー(底部分の右)


結局、メンディングテープ(100円ショップで売っている)でふさいでしまった

スピーカー穴をふさいでしまって困ることはないのか? Siriちゃんと会話できないのではないか? などと心配する人もいるだろうが、今のところ不都合はない。
完全に消音されるわけじゃないし、マイク穴は開いているわけだから、録音や音声通話には問題がない。Siriちゃんの声も小さくは聞こえるから大丈夫。
むしろ、公共の場所で予期せぬ音がでかく流れなくなるという安心感のほうが大きい。

それにしてもなぜに日本仕様だけがこうなっているのか? 盗撮防止ということらしいが、なんという貧しい発想なのだろう。悲しくなる。
(続く)






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