2011/05/02
きみちゃん
昨日回収したヒキガエルの卵をチェック。これから毎日これが日課に加わる。無事に孵化、変態、上陸までこぎつけるかしら。
アカガエルの卵は次々に孵化しているが、どうもずっと前に産みつけられたやつがあったようで、その時期のは寒さでか、死んでいるような気がする。去年のようなことにならないといいのだが。
これは最近産みつけられたアカガエルの卵が孵化したところ
夜、きみちゃんが来た。
きみちゃんは数日前からときどき姿を現すようになった新顔。
黄色いのできみちゃん。
しんちゃんほど神経質ではなく、最初からぴゃ~っと逃げるようなことはない。
あと、最近またテンだかイタチだかが来ている。この前は庭先を2匹がじゃれ合いながら横切っていった。
顔に傷がないので、以前に来ていたテンコとは違う子たち。
2011/05/03
小野町でウイリー
夜、雨が降るという予報なので、その前に買い物に行ってこようということで小野町へ。
県道小野富岡線の小白井川沿いの工事は、3.11で放り出されたままだ。かろうじて車が通れるように、ばば~っと土を被せて、みんな逃げてしまった。おかげで美しかった小白井川の渓流はぐちゃぐちゃに壊されて、護岸工事が中途半端に施されてしまった。景観は壊され、魚は棲めなくなり、道は雨が降るたびに土砂が流れて崩れていき、川の水も濁り……という最悪の状態に。
工事着工前に地震が来ていたらこんなことにならず、美しいままだったろう。
先月26日に戻ってきたときよりさらに道は荒れていた。
そこを通り過ぎると田園風景が現れる。ここ、小白井の手前、いわき市のはずれは30km圏に引っかかっているのだが、いわき市が「あとは自分たちでやるから制限から外せ」と強く主張したとかで、緊急時避難準備区域から外してもらったらしい。何事もなかったかのように田植えの準備をしている。羨ましい。
このへんは川内村のほとんどの場所より線量はやや高いと思う。
今年福島で収穫される米が売れるのかどうか分からない。もしかしたら、一部の人たちが意識的に買ってくれるという動きもあるかもしれない。汚染が少ない場所では、とりあえず作付けしてみたらいいと思うのだが、30km圏では今のところ足並みを揃えて作付けするなという県の指示を守って断念している。
その先は3.11からずっと停まったままの滝根小白井ウィンドファーム。
まったく動かない巨大風車が曇り空を背景に林立している光景は不気味だ。SF映画の世界のよう。
風力発電所は電気が来ないと動かせない。原発と同じで、稼働させるには外からの電気が必要なのだ。
ここの事業主体・ユーラスエナジーは、東京電力が60%、豊田通商が40%の株を持っている。東北電力は、これ以上系統を乱す風力からの電気を断っているため、東電の送電網につながっている。
原発がダメになり、東電の送電網は今ぐちゃぐちゃだから、受け入れは到底無理ということだろう。それ以前に、原発同様「外部電源」がシャットダウンして動かないということかもしれない。
原発は続けるべきだと言う人、原発をやめて風力で代替しろと言う人、どちらも実際の原発やウィンドファームを見ていない人が多い。WEB上で無責任なことを書く前に、とりあえず一度実物を見にいらっしゃいと言いたい。
滝根小白井ウィンドファーム、檜山高原ウィンドファームを見て、国道399で都路や葛尾村、浪江町の津島、飯舘村……と回るコースなどはいかが。ガイガーカウンターを持って30km圏の円周に沿って北上するといい。
全機停止したままの滝根小白井ウィンドファーム
小野町は原発から40kmくらい離れているが、ここはほとんど汚染されていない。川崎の仕事場とほとんど変わらないような線量。
いつも買い物に来ている小野のヨークベニマル前では、トライアルバイクのデモをやっていた。
ニシマキ師匠@自然山通信が小野に来ているというので、何の用だろうと思ったら、これだった。
フットワークのいい人だ。
軽トラックの荷台に乗っかるというデモ
ライダー二人を跳び越えるというデモ
ショーが終わったら観客とタッチ
こういうのは静止画では全然分からないと思うので、動画でどうぞ
大相撲のしょっきりのようなもんですかね
デモしていたのは
⇒この3人。
跳び越えていたのは小野貴史せんしゅ。この世界では有名らしい。
この名前、ググると、イケメンシェフ、物理学者、現代音楽作曲家などなど、同姓同名がいっぱいいる。
「しまむら」で、冬物の処分をしていたので、980円の革ジャン(無論、人工皮革だけど)とか、いくつか買った。
ゆっくり買い物をして帰る。
暗くなった小白井川沿いの工事現場を一応撮っておく。
こんなひどい状態に放置されてしまった。工事再開はしばらくないだろう。これまた大きな人災だ。
Sorry! じゃね~よ。カエル「に」謝れよ
あの美しかった渓流がこんな無残な姿に
ここが去年までは奥入瀬渓流ばりの美しい沢だったなんて、誰が想像できるだろうか
雨が降るたびに土が崩れ、川には泥が流れ込む
黒佛木ウィンドファームが着工でもしていたら、この先にはさらに巨大風車が並んでいた
この道の先にある富岡町は、もう人が入ってはいけない町になってしまった
この橋げたに道がのっかることはもうないかもしれない
とにかく疲れる。
原発震災がなくても、阿武隈の自然はこんな風にどんどん壊されていっていた。
中越地震の前も、これほどまでではなくても、似たような気持ちを抱いていた。
山の最奥、ここから先はもう人家がないという20戸あまりの限界集落にまで、都市ガスや本下水を引く必要があるのか? どう考えても無駄遣いだろうと思っていたところに中越地震が来た。
本下水の下水管や都市ガスのパイプは地震でずたずたになった。
集落は「二度とここに家は建てません。住むことをやめます」という誓約と交換条件で代替地を与えられ、集団移転した。
ガスはプロパン、下水は土壌浄化システム、水は井戸や小規模グループ水道などでこじんまり暮らしていれば、もっと災害に強い集落だっただろう。雑木林を伐採して杉ばかり植えたことも地盤を弱くして土砂崩れしやすい山にする結果となった。
等身大の暮らしを忘れて、ひたすら注ぎ込まれる補助金で、土地の特性を無視した、かつ無意味な公共工事を重ねた結果、大きなしっぺ返しを食う。
日本のあちこちで同じことが繰り返し行われてきた。なぜこうなってしまうのだろう。
最近、ちょっと外にでるとどっと疲れて眠くなる。被曝疲れかしら。
夕方、横になるのが日課。シロもおつきあい。
シロは放射能と関係なく、よく寝る。寝る子でネコだもんな
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