この手の工事では、斜面に土留め用の草の種が吹き付けられるのだが、これがどうも日本固有種ではないらしい。外来種の草。発育が早く、根を広げるという性質があるのだと思うが、そうした植物を山に植えつけることで従来の植生に影響を与えないのだろうか。植生変化は何十年かかってようやく影響が分かってくるだろうから、あれはまずかったね、ということになっても、最初の担当者はもうこの世にいない可能性が強い。
まあ、コンクリートで固めてしまうよりはずっとマシだとは思うのだが、どうにもすっきりしない。
それと、やはり路肩の処理が気になる。この「ふるさと林道」入り口には「あかはら橋」という橋があり、その名からしてイモリがたくさん生息している土地だと分かる。この入り口の舗装工事で、道の両側にびっしり縁石が作られたため、イモリの子が大量に死んだのは昨年経験済み。今年もこれからあの光景が再現されるのかと思うと心が痛む。で、それが繰り返されるうちに、イモリもいなくなるのだろうか。
アカハライモリは日本でいちばんあたりまえにいるイモリで、珍しいものではない。特に川内村ではどこにでもいる。平伏沼では、モリアオガエルのオタマジャクシを食べてしまうというので、駆除作戦が行われたこともあるらしい。
でも、福島県では準絶滅危惧種に指定されている。長命だし、簡単に絶滅するとは思わないが、ツチガエルのように、気がついたらいなかった、なんてことにならないとも限らない。
↑ここは前に路肩が崩落したところで、このようにガッチリ雨対策がとられているが、崖側も縁石にしてしまうと、この区間、イモリの子のような小さな生き物は登れなくなり、舗装路の上で干からびて死ぬことになりかねない。
久しぶりにさとーさんちの畑の奥にある仲五池を確認しに行った。
仲五池はまだ凍っていた。これではカエルも動けないね。陽当たりがあまりにも悪いと、オタマの生育が遅くなるのでカエルも産卵場所にしない。仲五池は、周りにいい感じの枝もあり、モリアオガエルの産卵場所に最適だと思うのだが……。少なくとも、アカガエルなどには人気がなさそうだ。