こんなに気温が上がらない夏は珍しい。江戸時代だったら深刻な飢饉だ。
日経ビジネスに、
「戦国時代は寒冷化による食料争奪サバイバル戦争だった」と題する文章が出ていた。
14世紀後半の応仁の乱から17世紀初めの江戸幕府成立までの約1世紀半。いわゆる戦国時代は、天候不順が続いて、とりわけ気温が低下した結果、作物がとれずに飢餓に苦しんだ農民が雑兵などになったことが引き金となっていると、藤木久志立教大学名誉教授が指摘しているのだそうだ。
NHK大河ドラマで一躍人気が出た直江兼嗣が仕えた越後の上杉家は、「関東管領職を盾に、度々晩秋に関東に進出して、春まで居座って食料を強奪し、冬場から春にかけての越後の食糧払底期を食いつないだ」という。
愛だの義だのというきれい事ではなく、食い物争いだったというのだ。
それも寒冷化が生んだ悲劇。温暖な時期が続いて作物が順調にとれているときに人口は増えるが、その後、寒冷化すると、膨れあがった人口を支えられなくなる。食えなくなった人間は隣地を襲い、戦争が起きる。
これは日本だけではなく、世界の歴史が繰り返してきたことだ。
翻って、現在の日本は、温暖化で地球が危ういなどととぼけたことを本気で信じ、毎日メディアが「温暖化防止」キャンペーンを繰り広げている。まったく馬鹿げている。
エアコンに身体が慣らされ、ヒートアイランドの中で毎日暮らしているうちに、現代人は、正常な五感、直感、思考力、判断力が著しく落ちてしまったのだろうか。