2023/01/02
山の妖精
我が家の場合、正月三が日は「駅伝連休」とでも呼んだほうがいいかな。
録画して、酒を飲みながら追っかけ再生して、途中で中断してネコどもの散歩につき合って、また見て、ゴールまで見たところですでに夕方。
箱根駅伝、今年はあの監督の悪行のせいで素直に観戦できないのが不愉快だったが、案の定の結果になった。
各チーム、故障者続出でエース級も続々と直前に出走できなくなり、ああ、やっぱり……と考えざるをえないのが辛い。
そんな中で「山の神」「森の妖精」ならぬ
「山の妖精」の出現が、いちばんの贈り物だった。
↑最高!

↑山の妖精 城西大学・山本唯翔くん
で、この子は妻有トリエンナーレで何度か訪ねた松代町犬伏集落出身で、村では大騒ぎになっているらしい。

↑ここが犬伏集落。ここにあるのが↓これ

この作品は今でもちゃんとある。
「山の妖精」が犬伏集落の出身だということは、この「翼/飛行演習装置」という作品の作者である塩澤宏信さんから教えてもらった。
唯翔くんもこれを見ているはずで、名前にも「翔」という字が入っている。翼をもらって山を駆け上がったのかな。
日本中のどれだけの人たちがこの子の笑顔で明るくなれたことか。すごいね。
2023/01/03
今年もまた「一人に向かって」の気持ちで

駅伝見終わったらもう夕方。
『狛犬ガイドブック』のご注文があったので、日没と競争しながら涼風号MarkIIで郵便局まで出しに行く。
風が冷たい。
帰り道にふと前方の空を見ると月が出ていた。



↑シャッターを押しているうちに雲の後ろに隠れてしまった
タヌパックブックスを始めて何年目だろう。
オンデマンド形式で販売すれば在庫を抱えなくていいし、配送も印刷所がやってくれるのでオンラインの作業だけでいい。ただ、製造費が高い。Amazonへの手数料と毎月の契約料も加わるので、まったく商売にはならない。1冊でも世の中に本という形を残していく、という意味だけで続けている。
『狛犬ガイドブック』と『日光東照宮の狛犬と日光のはじめ狛犬』はだいぶ前にオフセットで作って、在庫が死ぬほどあるので、注文があるたびに包装し、郵便局まで行って投函する。
送付手段は、かつては安いクロネコメール便が使えたが、メール便がなくなってからは、クリックポスト~ゆうメール~ゆうパケットと移行してきた。その度に送料がぐんぐん上がっていった。
ゆうメールは重量制限が厳しく、ゆうパケットは厚さが1cmを超えると料金が跳ね上がるので厳しい。
断トツで注文が多いのは『新・狛犬学』で、数日に1冊のペースで売れ続けている。
ありがたいことだが、自分としてはいちばん世に残したいのは
『用務員・杜用治さんのノート』あたりかな。
これはnoteや森水学園第三分校のサイトに掲載しているので、わざわざ紙の本を取り寄せなくても誰でも読めるのだが、それをたま~~に注文してくださるかたがいて、感謝している。
正月早々、何か月ぶりかで
noteの『用務員・杜用治さんのノート』に「いいね」がついたので、そのリンクをクリックする形で読み直してみた。
<信じる必要はない。いや、簡単に信じてはいけない。とことん考えてみてほしいんだよ。
人が信じる信じないという言葉を使うときは、背後に「常識」というものが存在している。疑いようのないこと、あるいは疑ってはいけないと認識されている情報や解釈。
でも、この世界に「常識」と呼んでいいものなど、ほとんどないんだよ。>
<一般に「常識」とされている認識なり感覚は、自分が見たくない現実を見ないようにしている「架空の世界」の話なんじゃないかい?>
(そして私も石になった(17) 「常識バイアス」とは何か より)
これを書いていたときは、あまりにも「直説法」で書いていて「小説」としてはけっして出来がいいとは言えないよなぁ……と思っていたが、今読み返してみると、もしかして、自分の人生で書いたものの中で、いちばん「価値」のあるものだったのかもしれない。
エンターテインメントというのは、人の好奇心を揺さぶり、感動させる要素を持つものだろう。
直説法で訴えることは、大勢の人たちがやっているし、少しずつでも浸透してきている。自分がそこに加わってもほとんど力にはならない。
どんどん弱っていく脳みそと体力で、残りの時間に何ができるか。
そう考えたとき、結果や効果を欲張っても仕方がないと分かる。

↑直説法で伝えている人たちは世界中でどんどん増えている。日本は絶望的なまでに取り残されているが、それでもあと何年かすればメディアや行政の掌返しも起きてくるだろう。
その様子を毎日見守ってはいるけれど、自分がやることは、完全な直説法ではなく、やはりエンターテインメントを軸にした作業だと思う。
そう考えて腰を据えたとき、精神も安定するし。
というわけで、今日からまた例の作業に戻ろう。