2022/09/18

狛犬函を仕上げたい……

このところかわず庵のゴミの山を少しずつでも片づけたいと思って出入りしているのは、アトリエ的な場所にして絵でも描こうかと思ったから。
いろんなことが面倒に感じられ、創作意欲が持続しない。アイデアは次から次へと湧いてくるのだが、それを実行できるだけの気力が伴わないのだ。
絵を描くのも粘土をこねるのも相当気力がいるし、なによりも技術が伴わない。文章を書くことは呼吸をすることくらいに自然で、気力がどうのとか感じる前にキーボードを叩いているのだが、楽器とか画材とかをいじるのは、気持ちを持っていくまでが大変で、ようやく道具を手にしても、そこから長時間集中することができず、すぐに疲れてしまう。

何年も放置していて埃がビッシリ積もっているこいつも、居間のストーブの上に置いてあるので毎日目には入るのだが、まったく手を伸ばさないまま時間ばかりが経過する。
それでも、せめて着色だけでもやろうかなと、ようやく手に取ってみた。
仕事が雑すぎるあたしなりに、とりあえずはパッと見、形になっているようなところまでもっていこう……と。

ここまでやったのはいつのことだったか……と、日記を振り返ったら、2016年10月のことだった。6年も放置していたのか……

雑だわね。もっとちゃんと彫り込んで、磨かなくちゃいけないのだが……

尾も、やりたいことは分かるのだが、投げやりである

やれるの？　どうせまた放り出すんだろ……グガァ～

かしら……う～ん、どうかしら

尾は団扇尾ですかね。いや、投げやり尾？

一応、ざっとシミュレーションしてみるが、この時点ですでに気合いが削がれていく……

う～～ん、根本的に何か問題がありそうな……？

それでも、今やらなきゃ、また何年も放置するだろうと思い、やはり何年も放置しているアクリル絵の具を捜しだして着色してみた。
う～～～～ん、思ってたのと違うな～。






なんというか……現世（物理世界）から旅立つためには、科学とかデジタル技術とか、そういうのではない、理屈ではないものに吸い込まれいていく感覚が必要なのかな……と。
左脳過多から離れていこう、みたいな……そんなことを考えてやってみたのだが、これはちょっとほど遠いような気がするなあ。

助手さん曰く「絵を描けば？　絵のほうが向いてるんじゃない？」

絵も……ねえ……。仕上げが雑なんだよね。
小学生のときは漫画家になろうと思って、石森章太郎の『漫画家入門』『続・漫画家入門』を買って、烏口やGペンなんかも買ってみたのだけれど、道具が使いこなせずにすぐに嫌になってしまった。絵を描くよりもストーリー展開のほうがどんどん先に進んでしまい、いちいち絵を描いているのがまどろっこしくなるのよね。
やはり物書き、ストーリーテラー、メロディメイカーという、作品の芯の部分を生み出すほうが向いているんだろう。形として仕上げる職人技的な仕事は向いてない。というか、できないのだわね。

うだうだやっていたら、突然家電が鳴った。
昔からの電話恐怖症が強くなっていて、最近は家電は常時留守電応答にしているのだが、もしかして洗濯機の配達日時を早めたいとか、そういう電話かと思って出たら、近所の小学5年生の女の子・ゆいちゃんだった。
「今日の午後、時間とれますか？」
という。
何？　と訊くと、学校で獅子舞をやることになり、横笛担当になったのだが、高い音が上手く出せないから教えてほしいという。
横笛はやったことないのよね。フルートも音を出せない。あれって、リコーダーとは違うからねえ。
ギターやウクレレなら教えられるんだけどねえ。
ざんね～ん。
さいもんママがフルート奏者だから、訊いてみたら？　と言っておいた。

なんか、俺って、つくづくアナログ技術系はダメなんだな、デジタルごまかし系でチャチャッとやってるインチキ野郎なんだな、と思い知らされた。
かわず庵で、草ぼうぼうの庭を見ながら水墨画を描く……なんて心境には死ぬまでたどり着けないのかな。
ざんね～ん。