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のぼみ~日記 2021

2021/12/17

店のサッカー台に忘れ物をしてもちゃんと帰ってくる


明日は雪かもしれないというので、買い物に。
玄関前は前日の夜に吹いた強風で、落ち葉がものすごいことになっている。

大沢のカワチで、会計のとき「13日の月曜日にサッカー台にトイレットペーパーを忘れてしまったんですが」と言ったら、すぐに出してきた。「お忘れ物は必ず取っておきますので大丈夫です」だって。日本はいい国だ。

日光のクリスマス2021

ここ数年、年末に「日光のクリスマス」と題した新曲を書くのを自分に課しているのだが、いよいよ気力も能力も落ちてきた。
今年はもう諦めようかなとも思ったけど、曲を書くのを断念するのは、テニスを断念するとかよりずっと怖い。
身体がどんどん劣化していくのは避けられないとしても、頭まで連動したら、後は死しかないものね。
歳をとって、瞬発力やひらめきが失われるのを嘆いていても仕方がない。あたしはもともと頭が先に行って、手が動かないタイプだから、ここからは「泥臭く」行くしかないと言いきかせる。
ああ、また同じことしてる。しかも、前よりダサい……とか思って、そこでやめてしまうのではなく、同じことをどれだけ繰り返せるか、自分をいじめてみよう、という気持ちで、とにかく手を動かすこと。声を出すこと。
何度でもやり直して、自分にしか分からないであろう微妙な違いでも、より満足できる方向を探ること。
そして、追求した後に「割り切る」こと。
その割り切りが、決して日和ることではないようにすること。

……な~んてね。例によってウダウダ言いながら、なんとか完成。


今回はニャンニーニョとエーリッヒはお休みしてもらった。なんかこれ以上音を入れるとかえって印象が薄れる気がして。
これは日和ったのではなく、考えた末の正しい判断だと思いたい。
オーボエっぽいソロを際立たせるためにも、そのほうがいいだろう、ということで。

学生の頃、ナベサダやHIROSHIMAという日系アメリカ人のフュージョングループを聴いてサックスに憧れた。自分には単音のメロディ楽器が向いているんじゃないかと。
お茶の水の質屋で中古の柳沢のアルトを7万円で購入したけれど、2日で断念。これを習得するのは無理だわ、と。で、1週間後には5万円で転売していた。
その後、バリバリのサックスではなく、ソプラノサックスやソプラニーノサックス、あるいはオーボエの高音で細く澄んだ音で奏でる樋口康雄っぽいソロがやってみたいと気づいたのだが、オーボエは管楽器の中でも音が出るまでにいちばん苦労する難しい楽器だと聞いて、諦めた。
その後、40代のとき、チェロの低音でのソロもいいなあと思い、ヤマハがサイレントチェロを出したときに買ってしまったのだが、これも3日で諦めて、5万円で講談社の編集者に転売。
ほんとに根性がないというか、楽器演奏に向いてないダメ人間なんだなあと嫌になったものの、未練たらしくCASIOのデジタルホーンとかヤマハのWXとかのウィンドシンセサイザーにも手を出した。でも、音がちゃっちいんだよな~。玩具の音というか、電子音というか。憧れているオーボエやソプラノサックスの音とはほど遠い。
EWIに出会ったのは50代後半。これがダメならもうほんとにソロ楽器は諦めようと思ったけど(かみさんは完全に呆れていた)、これは1週間くらい練習が続けられた。
今回、オーボエ風のEWIでソロを入れてみて、ああ、ようやく夢が叶ったかな、と。本物の管楽器や弦楽器をやっている人からすればお笑いぐさだろうけど、楽器を上手く弾きたいのではなく、メロディを奏でたいのよ、あたしは。自分が気持ちよくなれるメロディを、できるだけ気持ちのいい音で。
この曲で入れたオーボエ風のEWIは、EWI USBの付属音源(ARIA)で、オーボエの音を7、2種類の(キーの違う)クラリネットの音を1.5+1.5くらいの割合で混ぜて出してる。ダブルリード楽器特有の微かに金属っぽいざらつきなんかを出せないかなと思って。
このソロを本物のオーボエやソプラニーノサックスで出そうと思ったら、ものすごい達人を呼んでこないといけないだろうと思う。ギャラ高い人じゃないと無理だろうなあ。宮本文昭・宮本笑里父娘とか、そのクラスの……。
軟弱なあたしは、軟弱な手段で理想に近づける。

……とまあ、例によって長々と、ウダウダと、ぐちぐちと書いてしまったわ。

この曲を、今年、先に行ってしまった先輩たちに捧げます。
大塚康生さん、伊藤アキラさん、出戸達雄さん、三遊亭円丈さん……みなさんとの関わりがあったことで、私の人生は豊かなものになりました。
ありがとうございます。

2021/12/19


オオカミ池に氷が張った

日があたらないかわず庵の庭は1日中霜柱がとけない

今夜は今年いちばん小さい満月だそうだ


日光のクリスマスシリーズをどうぞ⇒こちらから

           

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