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のぼみ~日記 2021

2021/11/02

帯状疱疹


帯状疱疹のことはすでに書いているけれど、実は気がついたのはこの日で、それまでは、なんか背中にポツンとニキビみたいなものができているようだな……という程度で、大ごとになるとは思っていなかった。
背中だから見ることができず、気づくのが遅れたのがまずかった。朝、痛みもあって、なんかおかしい、と背中をカメラで動画撮影して、ようやく帯状疱疹だと気がついた。
午前中のうちにかかりつけのクリニック(内科)へ。一目見るなり「典型的な帯状疱疹だと思います。薬を1週間飲みきりで……」と、出してもらう。そのときにはすでに胸のほうまで発疹が広がっていた。
痛みはそれほどでもなかったのだが、その後、薬を飲んでも全然よくならず、1週間経っても発疹は消えず、痛みはどんどん増すばかり。
通常、治るのにひと月くらいはかかるらしいし、1週間薬を飲みきった後は、せいぜい痛みへの対処くらいしかないようなので、憂鬱と苦痛と不安を抱えたままの日々を過ごしている。

処方されたのはバラシクロビルという抗ウイルス薬で、帯状疱疹に処方する薬としては最もオーソドックスなものらしい。
すでに1週間分飲み終わったのだが、これを書いている今も痛みがどんどん増してきていて、ほんとに気が滅入る。

で、薬のことを調べていると、前から気になっていた「医薬品の供給不足」について、かなり深刻な状況にあることが分かった。

2021年、後発医薬品企業3社に業務停止命令が通達される前代未聞の事態が生じた。他企業も相次いで出荷調整・自主回収を行っており、医薬品の供給が危機的状況に陥っている。
昨今の医薬品不足はこうして起こった 本吉 葵 日経DIプレミアム

後発医薬品というのはいわゆるジェネリックのことだが、水虫の薬に睡眠剤が混入していて死者まで出たというニュースは記憶に新しい。

小林化工(福井県あわら市)⇒製造販売承認書と異なる製造工程や二重帳簿の作成数百品目に及ぶ品質試験結果のねつ造など、過去に例を見ない不正が明らかとなった。
(略)健康被害の報告が相次ぎ、1人の死亡と245人の健康被害(うち車両運転事故38人、救急搬送41人)が明らかとなった(21年3月29日時点)。

日医工(富山市)⇒2020年4月から2021年1月にかけて75品目近くを自主回収したが、その後の調査で、製造販売承認書と異なる製造方法で製造したり、品質不適合品を適合品となるよう処理をしていたなどの問題が発覚した。2020年12月時点で約1230品目を製造販売していた同社だが、業務再開後の現在も160品目近くを出荷調整している(2021年10月18日時点)。

2社の業務停止命令や出荷停止のあおりを受けて代替薬需要が急増し、他社も出荷調整せざるを得ない状況に追い込まれている。 (同上のコラム記事より)

……いやはや、改めてとんでもない話だと呆れ返る。
医薬品って、正規のものであっても「副作用とか大丈夫かな」と不安を持ちながら服用するのに、「これ、本当にその薬なのかな?」という根本的な疑問を抱きながら服用しなければいけないではないか。
しかも、こういうことを続けていた企業(複数!)のおかげで、供給不足になり、医療現場では本来処方すべき薬を出せずに深刻なことになっている。実際、医療現場にいる人たちは異口同音に「大変困っている」と言う。
これはもう、モラルの低下、とか、そういう次元の話を超えた問題だ。

ありとあらゆる分野で、日本という国のモラル喪失や技術的なレベル低下、構造的な崩壊が深刻なことになっている。原発は爆発し、土砂や産廃の違法投棄が放置された山で土砂崩れが起きて人が死に、命を救うはずの医薬品で殺される。
しかも、医薬品の製造におけるこの記事を読むと、「原薬」はほぼすべて海外からの輸入で、国内の医薬品メーカーはそれを調合しているだけのような印象を受ける。
小林化工のイトラコナゾール製造事故の第一原因は「本来使用すべき原薬と睡眠導入薬の原薬を取り違える」という信じられないような単純ミスで、その過程は2人以上がダブルチェックしなければならないのに1人でやっていた。しかも、その後、取り違えた原薬(睡眠導入薬)を、製造工程でさらに「注ぎ足し」ていた(注ぎ足しは製造工程違反)。最終の品質チェックでも異常を示していたのに、虚偽の検査報告書を作成して出荷した……という、とんでもない状況が明らかになっている。
もはや「国産品は安心安全」神話は完全崩壊している。

こんなこと知れば知るほどストレスになり、帯状疱疹がいつまでも治らないよなあ。あ~、痛いぜ。


2021/11/04

浪費させられる才能、育てられる才能



水曜深夜2時から、空気階段とぺこぱの冠番組がテレ朝で放送開始になった。
共に1回だけ見たのだが、明暗がはっきり分かれている。
『空気階段の空気観察』はどうしようもない。こんなバカなことをやらせるなら、制作側は何もせず、かたまりに好きなようにコント番組をやらせればいいのに。
その後の『ぺこぱポジティブNEWS』はなかなかいい番組に仕上がっている。暗いニュース、腹の立つニュースばかりの昨今に、明るいニュースだけを取り上げて伝えるというのだが、コメンテーター役の人選もうまいし、変に気合いを入れすぎない姿勢がとても見やすく仕上がっている。
この差はひとえに制作スタッフの差だろう。
ぺこぱのほうにはスタッフロールの筆頭に「企画・倉本美津留」という名前が出てきて、試しにググってみたら、60代の売れっ子ベテラン構成作家だった。

要するに空気階段はスカを引き、ぺこぱは当たりを引いたということらしい。
ただでさえ過労が心配な空気階段。二人の類い希なる才能がバカなテレビマンたちにつぶされないかと心配でしょうがない。

また一人先輩が旅立った



突然、Dさんの訃報が届いた。
川内村での移住者仲間。同じ時期に引っ越して来て、原発爆発後に、Dさんは佐渡へ、私たちはこの日光へと再移住した。
硬骨漢で、いつも何かに怒っているようなところがあったが、私たちにはとても親切で、気前のいい先輩だった。
妻さんも大変ポジティブな人で、自然農法やパン焼きなど、次々に新しいことを手がける精力にいつも圧倒されていた。
彼女が主導して作った「もえの里」という田圃があって、原発爆発後、どうなっただろうと見に行ったとき、道を1本間違えて入り込んだ先で、のぼみ~が捨てられているのと遭遇したのだった。
「もえの里」がなければのぼみ~とも出会わなかったわけで、不思議な結びつきを感じる。

大塚康生さん、伊藤アキラさん、そしてDさん……と、仲よくさせていただいた先輩たちが次々に逝ってしまった2021年。何かひとつの潮目というか、区切りのようなものを感じてしまう。
寂しい。

チョウチョをいたぶるみ~。時すでに遅しだった。ったくお気楽で羨ましいわ。

           


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