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のぼみ~日記 2021

2021/06/01

韓国ドラマは軽々と日本のドラマのレベルを超えた

涼風号MarkIIでのお散歩から戻り、珈琲タイムで韓国ドラマの『誰も知らない』を見た。
ここ数日はこれを見ている。8回分録り損ねたので、WOWOWオンデマンドで、消えないうちに追っかけているところ。
登場人物リストを印刷して、確認しながら見ている。そうでもしないと、名前も顔も紛らわしくて、誰が誰だかすぐに分からなくなる。
これはなかなか面白い。作り方がちょっと冗長で、もっと短くできるのに、と思うけれど、ストーリー展開は欧米の秀逸な刑事ドラマレベルかそれ以上。
今話題になっている『ヴィンチェンツォ』は、3回まで見てハマらなかったのでお休み中。韓国では、主役の男の子(日本でいえばジャニーズの誰か?)が演技をしているというだけでも話題になるんだろうなあ、なんて思いながら見ていた。多分、続きは見ないままになりそう。
いずれにせよ、日本の刑事ドラマは見ようと思えるレベルのものが皆無といってもいいほどなので、完全に水をあけられたなあ。
日本はほんとにいろんな分野でアジアの後進国になってきているのを感じて、複雑な思い。

それにしても、韓国ドラマを見ていると、あ、この役者は椿鬼奴の夫じゃないほうのグランジに似ている、とか、和牛のボケのほうに似ている、とか、ジャルジャルの福徳に似ている、とか、ザブングルの加藤に似ている、とか、そんなのばっかり気になってしまって、字幕を読み落としてしまう。

↑これ、少しずつ似てないか?

韓国ドラマから覗き見る漢字廃止政策



韓国ドラマを見る際に困るのは、登場人物の名前がなかなか覚えられないこと。顔も似ているので、『誰も知らない』は、ついに登場人物一覧表を印刷して、それを見て、あ、これはあの男のことか……なんて確認しながら見ている次第↑。これも惚けですかね。

で、韓国では夫婦別姓なので、夫婦でも違う名前だし、時々出てくる文書や看板などの文字が全部ハングルなので、アルファベットよりも把握できない。

そんなわけで、改めて韓国における漢字廃止政策というのに少し興味を抱いた。
日本が朝鮮を占領していた時代に行われた1936年ベルリンオリンピックでは、マラソンで孫基禎(ソン・キジョン)が金メダル、南昇竜が銅メダルだった。故国の代表としてではなく、占領した日本の代表として表彰台に立った二人の悔しさはいかばかりだったか。
それを知っている我々は、1988年ソウルオリンピック開会式で、競技場に孫さんが聖火を持って、踊るようにして入ってきたときの光景に涙した。

で、かつては孫基禎はテレビでも「そん きてい」と呼んでいた。それがいつからか「ソン キジョン」となり、さらには韓国人の名前表記から漢字が消えて、今はカタカナで「ソン・ギジョン」と記される。
現在の韓国では、
子の名にはハングルまたは通常使われる漢字を使わなければならない。通常使われる漢字の範囲は大法院規則で定める。(「家族関係の登録等に関する法律」第44条第3項)
と定められているそうで、名前の表記には漢字を使える。
その範囲が「人名用漢字」で、当初は「漢文教育用基礎漢字」を含め合計2,731字が「人名用漢字」に指定されていたが、その後9回にわたる規則改正で「人名用漢字」の範囲が拡大し、現在は合計8142字が「人名用漢字」に指定されているそうだ。
日本では常用漢字2136字+人名漢字863字で合計2999字だから、韓国のほうが2.7倍もの漢字を使えるわけだ。
それでも、「嫪」という字が子供の名前に使えず、受理されなかったのは違憲だとして訴えを起こす人もいる。
この裁判では「人名漢字の制定は合憲である」という結果になったらしい。
韓国では「戸籍」というものは2007年末に廃止され、代わりに「家族関係登録簿」というものが存在する。
この家族関係登録簿は、すべてデジタル化され、データをデジタル処理で扱うことが法律で決まっているそうで、決められた8142字以外の漢字を使うことによる不具合や、それを名前に与えられた子供の不利益を考慮すれば、制限されることは仕方がない、ということだった。

翻って、日本ではどうだろう。
使える漢字が2999字なのはいいとして、常用漢字表で定められた読み(4388音訓=2352音、2036訓)を完全に無視した、謎解きのようなキラキラネーム(「月」と書いて「るな」とか、「七音」と書いて「どれみ」、「男」と書いて「あだむ」、「黄熊」と書いて「ぷう」……とか、そういうやつ)が平気で戸籍に記載されていく。
これってどうなのよ。
漢字をどう読んでもいい、っていうのは、漢字制限論争以前の問題ではないのかなあ。そういうのはうやむやで、変なところで「法律で決まっている」「慣例に馴染まない」「前例がない」なんて言い出す日本社会。

コロナでありとあらゆる「日本のダメさ」が浮き彫りになっている。
●いつも診て頂くかかりつけ医が存在しながら、PCR検査で陽性と判明した途端に、そのかかりつけ医との関係が、殆どの場合、遮断されてしまう。
●現状認められている自宅療養者には、検査陽性となって自宅療養が決まった段階で、かかりつけ医や保健所契約医などにその事実の情報の伝達することにより、確実に全員を医療に繋ぎ、往診、オンライン診療なりで常時監視・診断をし、不測の事態を回避すべき。
●(しかし)当初、厚労省の医系の幹部は、「行政情報は出せません」と強く拒否し、「急変リスクは不可避だ」とまで断言され、厚労行政、保健所を中心とする「公衆衛生」における命の軽さを痛感した。
やすひさの独り言 DXにより自宅療養で亡くならない国を作る より)

「行政情報は出せません」ってどういう意味なんだろうね。
情報共有できなければ、オンライン診療もワクチン接種管理も不可能でしょうに。
電子カルテは10数種類あり相互互換性なし、介護記録に至っては、少なくとも300種類以上はあり、これも相互互換性がないし、介護事業所同士も、介護と医療の間の共有も全くできず、要介護高齢者が、介護サービス事業者を転居理由等で移動する場合も情報はついてこない。(同ブログより)


……だそうで、そういう基本のキを直していかない限り、何をやっても口先だけで先に進まないし、実効性がない。

「行政情報は出せません」と平気で言ってくる厚労省の医系技官がそこまで増長し、好き勝手できるのはなぜなのか?
政治のトップにいる者が、低レベルである自分のいうことを聞く、志のない連中だけを出世させてきた結果だろう。そうした腐った仕組みを壊さない限り、いくらまともなことを提案しても形にならないし、動かない。
いやもう、情けないやら怖ろしいやら……。

……などということまで考えさせるきっかけとなる韓国ドラマ。文化の違いを認識できてちょっと新鮮かな。

↑「資源物理学の基礎」については、これをぜひ読んでくだされ。東京女学館はじめ、複数の私立学校で入試の国語長文読解に採用されました。これは私の「遺言」です。Amazonで購入で購入は⇒こちら



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