実際のF値はLX100が34mm、RX100Ⅲが25.7mmである。LX100のほうがセンサーが大きい分、この大きさまでデジタルズームで拡大したときも解像度は高い。
上の2枚を切り取ってみると↓こうなる。

LX100での切り取り拡大。

RX100Ⅲでの切り取り拡大。
ちなみに、HX-90Vも腰にぶら下げていたので、HX-90Vでも撮ってみた↓

HX-90V 720mm相当、F6.4、1/250秒、ISO:3200、WB:Daylight

↑上の写真をトリミングで拡大。
いやもう、完全にHX-90Vの圧勝である。いくらセンサーが大きくても、デジタルズームで拡大するのは限界があると分かる。また、HX-90VがISO:3200まで上げてもこれだけ「見られる」画質を保てることに驚く。
やはり、離れたものを撮るときの光学ズームの倍率は、センサーの大きさより実践力が高いのだと分かる。
さて、猫も逃げてしまったので、陽のあたっていない庭の池などでの比較。
まずは「ヘ池」のアメンボやらメダカやら。

LX100 150mm相当(デジタルズーム)、F4.5、ISO:200、WB:Cloudy

LX100 150mm相当(デジタルズーム2倍)、F2.8、1/125秒、ISO:400、WB:Cloudy

RX100Ⅲ 70mm相当×デジタルズーム4倍、F2.8、1/80秒、ISO:200、WB:Cloudy

LX100 トリミングして拡大。

RX100Ⅲ トリミングして拡大。
どちらもパッとしない写真ではある。が、LX100のほうが若干シャキッと感はあるかな。RX100Ⅲは解像力が弱い。これなら1/2.3型センサーのHX-90Vのほうがきれいに撮れるのではないだろうか。
あと、気になったのは、Exifの書き込みで、LX100とRX100Ⅲではデジタルズームの比率の数値がなぜか違うこと。
LX100は150mm相当が34mmのデジタルズーム2倍と記されているのに対して、RX100Ⅲは70mm相当が25.7mmのデジタルズーム4倍と記されている。どういうこと?
LX100は光学ズームだと 10.9mm ~34mm(35mm 判換算:24~75mm)/F1.7~2.8
RX100Ⅲは光学ズームで 8.8~25.7mm(35mm 判換算:24~70mm)/F1.8~2.8
レンズの実質ズーム比はほぼ互角ということになっている。
だから望遠端の倍率もほぼ同じなのだが、なぜかデジタルズームの倍率表示が違うのよね。
まあ、気にしないでおこう。
トウキョウダルマガエル

LX100 150mm相当(デジタルズーム2倍)、F2.8、1/125秒、ISO:250、WB:Cloudy

RX100Ⅲ 70mmでデジタル4倍、F2.8,1/80秒、ISO:320、WB:Cloudy
この比較では若干RX100Ⅲのほうがクッキリしている気もするが、ピントのせいか?
ヤマブキ

LX100 72mm相当(光学ズーム)、F5.6、1/320秒、ISO:200、WB:Cloudy

RX100Ⅲ 70mm相当(光学ズーム)、F4、1/250秒、ISO:125、WB:Cloudy

RX100Ⅲ 70mm相当、F4、1/250秒、ISO:125、WB:Sade

LX100 72mm相当、F5.6、1/400秒、ISO:200、WB:Cloudy

RX100Ⅲ 70mm相当、F4、1/250秒、ISO:125、WB:Cloudy

LX100 150mm相当、F8、1/1000秒、ISO:200、WB:Cloudy

RX100Ⅲ 70mmとデジタルズーム、F4、1/200秒、ISO:125、WB:Cloudy
これは色味がものすごく違って出た。印象としてはLX100の黄色のほうが好きだが、RX100Ⅲの黄色のほうが実際の色には近いのかもしれない。どちらも色味はスタンダード、WBは曇りで同じ条件にしているのだが、これだけの違い。
RX100Ⅲはホワイトバランスを日陰にするとLX100の曇りに近い色味になる。
SONYのほうが色を「作っている」気がする。こういう感じの写真のほうがウケがよさそうだということなのか。
リキュウバイ

LX100 72mm相当、F5.6、1/320秒、ISO:200、WB:Cloudy

RX100Ⅲ 70mm相当、F4、1/320秒、ISO:125、WB:Cloudy
リュウキンカとケマンソウ

LX100 150mm相当、F5.6、1/800秒、ISO:200、WB:Cloudy、-1.33補正

RX100Ⅲ 70mm相当+デジタルズーム、F4、1/500秒、ISO:125、WB:Cloudy、-0.7補正

RX100Ⅲ ホワイトバランスを晴天に変更
このへんは大きな違いはないというか、運によって多少の違いが出る程度かな。
難しい条件ではあるのだろう。
……というわけで、RX100ⅢとLX100は、どちらが圧勝という結果にはならなかった。
LX100にもっと頑張ってほしかったという気持ちはある。でかいセンサーだし、本体も余裕のある大きさなのだから、出来上がってくる写真がビックリするほど解像感が高くてきれい、という手応えがほしい。それがない。常に「こんなもんか、まあ、悪くはないけれど……」という感じ。
撮影しやすいのはLX100のほうだ。手に持った感じがしっくりくるし、ファインダーも覗きやすい。
しかし、背面モニターが角度可変にならないのがかなり致命的。
RX100Ⅲはマニュアルフォーカスにしたときのピーキング表示がきつすぎて使いづらいのが困る。最大の欠点かもしれない。ピーキングレベルを弱・中・強と変えてもほとんど変わらない。弱にしてもモニター画面がまっ黄色や真っ赤になってしまって、まったく役に立たないのだ。
できあがってくる写真は、ときに「え? こんなにひどいの?」ということがある。色がおかしいとかモワッとしていて使えないとか、ガッカリする頻度が高い。それでなんとなく使わなくなってしまうのだ。
あれだけ評判の高いカメラなのだから、そんなはずはない。俺の使い方が下手なのではないか……と、時間をあけて何度も試してみたが、やっぱり同じ印象になってしまう。
少し離れた被写体なら、1/2.3型センサーのHX-90Vのほうが圧倒的にきれいな写真になることが多い。暗いレンズに画素ピッチの狭いセンサーのHX-90Vには最初から期待していないので、思いの外いい写真が撮れると嬉しくなってしまう、ということもある。
となると、お散歩カメラとしてのRX100Ⅲの魅力はあまりなくなってしまう。普通のスナップ写真程度ならきれいに写るが、それならiPhoneの内蔵カメラでもそれほど印象は変わらないだろう。
照明がしっかりした室内で静物や人物を写したりするときは圧倒的にRX100Ⅲの勝ちだと思うが。
やはり、状況によって使い分けるしかないのか……。
となると、万能型のオリンパスStylus1の素晴らしさがますます際立つ、という印象だけが残った。