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のぼみ~日記 2021

2021/03/29

パナソニック DMC-LX100 というカメラ




最近、幸せビンボー術というコラム企画の中の写真趣味の回で、
必要なのは「スマホよりはいい写真が撮れそうだけれど、ポケットに入るくらいの小さなカメラ」であり、1台だけ選べといわれたらオリンパスのStylus1。28-300mm相当の広域にわたってF2.8の明るさを誇る万能機。使いやすく、シャッターチャンスを逃さない。動画性能もよい。
……と書いた。
Stylus1は常にポケットに入れたり腰にぶら下げたりして持ち歩くカメラとしては大きすぎるけれど、散歩やサイクリングの際に持っていったり、小旅行のときにバッグにポンと入れておくには最適な1台。しかも他にこれに似たカメラは後にも先にも見あたらない唯一無二の存在だった。
ただ、あまりにも万能なので、画質に関しても欲が出てしまう。フルサイズモデルと比べるのは酷だと分かっていても、もう少し頑張れないか……と思ってしまうのだ。

散歩に持っていくカメラとしては、別に腰にぶら下げる大きさでなくてもいい。ストラップで首からぶら下げたままでもいいし、ましてや自転車で出かけるならそこまで小さい必要もない。
そこで、Stylus1と同じくらいの大きさ、重さで、Stylus1よりもきれいな写真が撮れるカメラはないものか、と改めて捜していて目がとまったのがパナソニックのLX100だった。
このカメラは2014年11月の発売当時から知っている。レンズ一体型のコンパクトカメラに無理矢理フォーサーズセンサーを組み込んで、超明るいレンズ(F1.7~2.8)と組み合わせたという、画質追求の姿勢が徹底していて面白いカメラ。
フォーサーズセンサーの周辺部分は大胆に切り捨てて(諦めて)、真ん中部分だけを使うという発想が面白い。その勇気?だけでも気になるカメラだったが、買うまでには至らなかったのは、
という理由から。
本気で狛犬を撮るなら角度可変モニターがほしいし、お散歩カメラとして持ち出すにしても望遠端が75mm相当では野鳥などはまず諦めなければならない。
それをすべて満たしているのがStylus1だった。
Stylus1がLX100に負けているのは、広角側でのレンズの明るさと画素ピッチくらい。高い金を出してLX100を買う必然性がなかった。

そのLX100が、Amazonで中古が2万円台で出ているのを見つけてしまった。
2018年にLX100Ⅱという後継機が出たことで初代の値段もこなれてきたのだろうか。
ここでまた「どうせ長くない命だし」病が出て、この際、駄目元でポチしてみるか……となったのでありました。

Stylus1とLX100

改めて、不世出の万能機・オリンパスStylus1との比較をしてみる。

  Stylus1LX100
大きさ 116.2×87×56.5mm
(自動開閉式レンズキャップ装着時)
114.8×66.2×55.0mm
(突起部を除く)
重さ(下段は実測値) 402g
435g
393g
420g
センサー 有効1200万画素、1/1.7型有効1280万画素・総画素1684万画素、4/3型
レンズ 6.0~64.3mm(28~300mm
全域F2.8
10.9~34mm(24~75mm
F1.7~2.8
ファインダー 約144万ドット 約276万ドット
背面モニター 3.0型可動式
約104万ドット(3:2)
3.0型固定式
約92万ドット

センサーの違い


いちばんの違いはズーム比と画素ピッチ。
2013年11月発売のStylus1の1/1.7型センサーは、有効画素数1200万画素としか記されていないが、おそらく総画素数は1240万画素くらいで、4.5×5.6mmの大きさ。画素ピッチ(1画素あたりの面積)は2.40 µm× 2.40 µm だ。
対する2014年11月発売のLX100のフォーサーズセンサーは、17.2×13.0mmで、そこに1684万画素。画素ピッチは6倍以上あるはず。単純に考えれば、センサーの性能としては圧勝するはずだ。
ちなみに画素ピッチだけ比較すれば、CanonのG9XやSONYのRX100Ⅲは1型センサー(13.2×8.8mm)に2,090万画素なので、Stylus1の2.7倍の画素ピッチだが、LX100に比べると半分以下しかない。
レンズ交換式のα6000APS-Cサイズ(23.5 x 15.6mm)センサーに2470万画素詰め込んでいるが、画素ピッチはLX100とほぼ同じだ。
センサーの画素ピッチだけを見れば、LX100は2400万画素のAPS-Cサイズセンサーと同等、2000万画素の1型センサーの倍以上ということになる。
つまり、LX100に期待するのは、Stylus1に比べて圧倒的な画質のよさなのだが、はたしてどうなのか……。

ちなみにStylus1の1/1.7型はほぼ間違いなくSONY製で、バランスがとれている。しかし、今はもう1/1.7型センサーを搭載したカメラというのはないのではないか。Stylus1(S)の後継機が出ないのも、センサーが存在しないから作れない、という理由があるかもしれない。

LX100のフォーサーズセンサーはパナソニック製なのかSONY製なのかよく分からない。後継機のLX100Ⅱでは画素数が2000万画素に増えているので、ここでセンサーのメーカーがパナからSONYに変わったのかもしれない。
パナソニックはすでにカメラのセンサー事業から撤退しているはずなので、今後はフォーサーズカメラの新製品にはことごとくSONY製センサーが採用されるのだと思う。

実際の大きさ・重さ

届いてまず感じたのは「思っていたよりでかくて重い」ということだ。
仕様表では、
……となっていたので、Stylus1より少し小さいと思っていたのだが、全然違った。
特に奥行きが全然違う
Stylus1は実測値で約60mm(レンズキャップ先端からファインダー突起部まで)だが、LX100は75mmほどある。全然55mmじゃないじゃん。「突起部を除く」というのがズルいんだな。Stylus1の高さ87mmはそれほど気にならないのだが、LX100の実際の奥行き75mmは相当邪魔である。バッグに入れるにしても出っ張り部分が大きいので抵抗がある。
ちなみにLX100の自動開閉式レンズキャップは社外品を安く買ったので、色が合っていないのはご愛敬。

重さは、どちらもストラップをつけてバッテリー、カード込みで量ってみたら、435gと420gで、ほぼ同じだった。
LX100のほうが15gほど軽いのだが、首からぶら下げてみると、レンズが出っ張っていて前のめりに傾くせいか、むしろLX100のほうが重く感じられる。


↑LX100はレンズ部分が出っ張っているので、相当邪魔に感じる。

↑↓LX100はレンズの飛び出しも相当なもので、これだけ違う。



↑実際に首からぶら下げてみても、レンズが飛び出す分、LX100のほうが収まりが悪い。

背面液晶とファインダー

背面液晶の大きさと解像度はほぼ同じ。ただし、Stylus1は大きく角度が変えられるが、LX100は固定式。これが本当に残念でならない。
仰角や俯瞰で撮ろうとするときは、ほとんどモニターが見えないので、当てずっぽうでカメラを構えなければいけない。で、たいてい対象が外れていたり傾いていたりする。

背面液晶の見やすさはさほど変わらないが……



↑液晶が角度可変できるStylus1の優位性は圧倒的。
ファインダーは仕様表を見る限りLX100のほうが優れているはずなのだが、実際にはStylus1のほうが明るくて見やすい気がする。
AFの速さや連写速度の速さもあって、サクサク撮れる快感はStylus1のほうがやや上という感じ。
ここまでの印象としては、Stylus1のよさが改めて実感できるなあ……という感じで、LX100大丈夫か? と不安になる一方だった。

長くなってきたので、実際の撮り比べは次のページで。

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