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のぼみ~日記 2020

2020/10/06

星宮神社(小山市押切)の狛犬

17時寸前になり、もう写真は無理なほど暗くなったので、最後に一社だけ……と、小山市押切の星宮神社へ向かう。
6月とかなら18時くらいまで明るいんだがなあ。
ここは今日何度か遭遇した情けない顔の寛政狛犬。同じ石工なのだろう。

立派な台座にのせられている。







天保5(1834)年。願主は大久保清四郎さん。四郎がついていてよかった?





この顔、もうすっかり覚えてしまったわね。





今まで見てきたこの情けない顔の寛政狛犬の中ではいちばんきれいに残っているかな?




尾。



お約束の脚。

復習で、今日見てきたこの顔を振り返ってみますかね。
大前神社 天保4(1833)年
大前神社 天保4(1833)年4月 石工・萑翁鐫


星宮神社 天保5(1834)年(ここ)
星宮神社 天保5(1834)年9月


愛宕神社 天保6(1835)年
愛宕神社 天保6(1835)年3月 石工・阿萑翁鐫


こうして並べてみると、少しずつテイストが変わっていったのが分かる。この3対は「年子」だったんだねえ。

石工の「阿萑翁鐫」「萑翁鐫」は同じ人物なのだろうか。
「鐫」は音読みが「セン」。訓読みは「うが(つ)」「え(る)」「しりぞ(ける)」「ほ(る)」で、意味は、 名詞で「鑿(のみ)」。動詞で、える。ほる。うがつ。穴をあける。彫りつける。彫刻する。
しりぞける。官位を下げる。
だから、「萑翁鐫」は「萑翁」がこれを彫ったぞ、という意味だろう。
「萑」は「カン」または「スイ」と読み、意味は
  1. 薬草の名。シソ科の植物。めはじき。
  2. 草が多いさま。
  3. 草の名。葦(あし)の類。また、荻(おぎ)の類。
……だそうだ。
翁はもちろん爺さんのこと
草ボウボウの小屋に隠遁している爺さまが彫ったのだろうか。

愛宕神社のは「阿」がついている。
「阿」のもともとの意味は、
  1. 山や川の曲がって入りくんだ所。「山阿」
  2. 自分の意志を曲げて人に従う。「阿世・阿諛 (あゆ) 」
  3. 人を呼ぶ語に冠して親しみを表す語。「阿兄・阿父・阿母・阿蒙 (あもう) 」
……だそうだ。
単純に3の意味でつけたとしたら、「アカン」と読ませて、「あかんじじいが彫った」と、自虐的に言っているのか。
ものすごく穿った見方をすれば、「翁」には父親の意味もあるようだから、息子が父親の萑翁に命じられて、ほんとはこんなのやりたくないけれど彫ってやったぜ、という意味か……ま、それはないだろうな。

いずれにしても、これらの狛犬の顔を見る限り、相当ひねくれ者の老石工が彫ったのではないだろうか。
台座の銘1つで、これだけ想像をたくましくできるところが狛犬巡りの醍醐味でもありますね。

さて、周囲はもうまっ暗といっていいほどで、本日はこれにて終了。帰ります。
ランチも美味しかったし、煎餅はしこたま買い込んだし、栃木の歴史を感じられたし、予想よりずっと充実した狛犬巡りだった。
コロナで外出自粛していた10か月分楽しめたかな。

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