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のぼみ~日記 2020

2020/09/29

SONY HX-90V(720mm相当)とOlympus Stylus1(300mm相当)の望遠対決

遠く離れた案山子

さて、今までは望遠撮影ではStylus1がとても重宝していた。28-300mm相当で全域F2.8という明るさ。センサーは1/1.7型に1200万画素で、画素ピッチはHX-90Vの2.6倍ある。HX-90Vに負けているのは光学ズーム比だけだが、ズーム比はHX-90Vが倍以上ある。また、Stylus1の発売は2013年11月で7年前。HX-90Vは2015年6月で1年半遅い。センサーの基本性能はHX-90Vのほうが上だろうから、レンズの暗さと画素ピッチの小ささをどれだけカバーできるのか……という勝負になる。
よく見る風景を実際に撮り比べてみた。写りの細かな部分でどうのこうのではなく、日常的なお散歩カメラとして、どっちが使いやすく、パッと見、かっこいい写真、きれいな写真が撮れるのかという比較だ。
まずは、田圃1つ挟んで見えている遠方の案山子を望遠で撮ってみる。300mm相当のStylus1と720mm相当のHX-90Vではどう違うのか。

HX-90V 広角端24mm相当 F3.5、1/200秒、ISO:80、-0.3補整
背後の森が潰れて見える。



Stylus1 広角端28mm相当 F3.5、1/320秒、ISO:100、-0.3補整
木々の緑の色階調がHX-90Vより深い。



HX-90V 366mm相当 F6.3、1/250秒、ISO:200、-0.3補整
300mm相当を超えたあたりだと、F値が一気に暗くなる。



Stylus1 300mm相当(望遠端)、F2.8、1/400秒、ISO:100、-1補整
全域F2.8のおかげで1/400秒が切れるし、ISOも低いまま。



HX-90V 720mm相当(望遠端)、F6.3、1/250秒、ISO:250、-0.3補整
肉眼では案山子なんだか人間なんだか分からない遠さでも、720mmはやはりすごい。ただ、どうしても暗いのでIrfanViewで補整してみたのが↓



Stylus1で300mm望遠端で撮ったものを、HX-90Vの720mm相当に近い大きさにトリミングしてみた。十分いけるし、むしろ勝っているかな。



HX-90V 105mm相当 F5、1/125秒、ISO:125、-0.3補整



Stylus1 112mm相当 F3.2、1/250秒、ISO:100、-0.3補整
上のHX-90Vの写真と比べると、周辺の木々の緑の階調がまったく違う。画素ピッチの大きさが倍以上違うので、古い技術のカメラでもこれだけ差がつく。



HX-90V 720mm相当 F6.4、1/250秒、ISO:250、-0.3補整



Stylus1 300mm相当 F2.8、1/320秒、ISO:100、-0.3補整
300mmだとここまでだが、これをさらにトリミングしてHX-90Vの720mm相当に近づけると↓

十分に見られる。

道を挟んだ向こう側のトンボ


HX-90V 望遠端720mm相当 F6.4、1/250秒



Stylus1 望遠端300mm F2.8、1/500秒
これはHX-90Vの圧勝だった。まず、ピントが合いにくい小さな点のような相手にどこまでしっかりAFが追いつくのかという勝負。マニュアル操作も交えて頑張ってみたが、Stylus1では厳しかった。

HX-90V 720mm相当 F6.4、1/250秒、ISO:160



Stylus1 300mm相当 F3.2、1/320秒、ISO:100
720mmと300mmはこれだけ違う。HX-90Vに合わせてトリミングして拡大↓
頑張ってシャープフィルタをかけたりすると、かなり対抗できるかな。

動画はこれだけ違う……

動画はどちらもかなりきれいに撮れるのだが、ズーム比の違いは歴然。望遠端でもそこそこ撮れるHX-90Vはいいね。

中秋の名月


HX-90V 24mm相当(広角端) F3.5、1/4秒、ISO:3200
当然こうなってしまう。



Stylus1 28mm相当(広角端) F2.8、1/6秒、ISO:3200
同じ条件で撮っても、Stylus1ならここまで雰囲気が出せる。



HX-90V 720mm相当(望遠端) F6.4、1/1600秒、ISO:200
マニュアルフォーカスでISOを200まで下げて、マニュアルモードで頑張ってもこれが限界。もわ~。



Stylus1 300mm相当(望遠端) F2.8、1/2000秒、ISO:100
Stylus1だと、なんとかこの程度には写った。まあ、これも貧乏くさい写真だけれど……。



ちなみにXZ-10だとこんな感じ。26mm相当 F1.8、1/15秒、ISO:800
ウサギの餅つきは無理で、広角で雰囲気ものが作れるかと思ったが、ちょっと無理だった。↓下はIrfanViewでかなり明るく補整したもの

というわけで、野鳥の動画を撮るとか、そういう用途であれば、HX-90Vはポケットサイズのカメラとしては絶大な威力を発揮する。
Stylus1は素晴らしいのだが、いつもポケットに入れて持ち歩くというには大きすぎるし重すぎる。
大きさ的にはLumixのDC-TZ90あたりとの比較になるのだろう。
自転車に乗って、とか、旅行に持っていくというのならStylus1だが、私のように起きてから寝るまでずっと身につけているという場合(そんな人はいないのだろうが)、HX-90Vの小ささは本当にありがたい。薄いので、重さもあまり感じない。
花や昆虫が消えてしまい、その代わり野鳥をよく見る冬の間は、XZ-10に代わってHX-90Vがお散歩カメラになることが決定的になった。

ただし、重さ・大きさ以外の点では、Stylus1のほうが圧倒的にきれいな写真が撮れる確率が上がるし、ファインダーの視認性が段違いによいので、チャンスにも強い
HX-90Vは、ファインダーを覗くのに2段階の動作が必要だし、ファインダーの視認性が悪い。視野が狭いし、ピントが合っているのかどうかよく分からない。さらにはオートブラケットで3連写したり、少し暗い場所で撮ると、メモリに記録する時間が非常に長くかかるので、野鳥などはその間にどこかへ行ってしまう。その点でも、Stylus1のほうが圧倒的に使いやすい。特にファインダーの視認性のよさは、HX-90Vとは比較にならない
Stylus1のよさを改めて感じる結果でもあった。
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