後片づけ

亡くなって5日経ち、今日は特養に行って後片づけと退所手続きをしてきた。
コロナ戒厳令で僕らは部屋に入れないため、スタッフが事前に荷物を玄関ロビーにまで下ろしておいてくれた。重たい箪笥があって、申し訳なかったなあ。それを車に積み込むのも数人がかりでようやく……。
車椅子、テレビ、テーブルワゴン、ＣＤラジカセ、マットなどは「使えます」というので寄付した。
高性能な車椅子は、前のデイホームが親父の介護のときに購入したものが義母に引き継がれ、デイホームが閉所になってそのままこの特養に持ち込まれたもの。次に使う人に引き継がれていくのだなあ。

退所手続きの後、相談員さんとしばし雑談。
お花とユニットスタッフ全員の寄せ書きのカードをいただいた。
どのコメントにも「ありがとう」「嬉しかった」「今日も頑張ろうって気持ちになれました」といった言葉があって、なんてすごい人たちなんだろうと、改めて感謝と感動を覚えた。
「音楽を聞いているときのキラキラした瞳が印象的でした」というコメントには、僕も救われた。
最期、息を引き取る瞬間も、部屋には親父のときと同じようにCD『Orca's Song』が流れていたそうだ。
寂しくないように、部屋はみんなが集まる共有スペースのすぐそばに移され、さらにはドアは開けてあったという。音楽も流して、最後の最後まで気持ちのこもった介護をしてくださったのだと、涙が出る。
本当に奇跡のような素晴らしい施設だ。
何度もお礼を言い、こちらからはユニットの数分を超える特製ＤＶＤと、スタッフのみなさんで適当に好きな人たちで回してくださいと、ＣＤを渡した。
ケアマネさんが特にタヌパックのファンになっていて、すごく喜ばれた。
「また遊びに来てください」と言われたけれど、遊びに行く……というのもなあ……。「平時」であれば、何かできることがあればしたいけれど、今はそういう状況じゃないし、なんとか倒れずに乗りきってくださいと祈るしかない。

みなさん、本当にありがとうございました。