かわず庵の掃除をしていたら、姿見の後ろにギターが置かれているのを助手さんが見つけた。
ん? なんだこれ? こんなのあったのか? ……と、ケースを開けてみると、川内村時代に
マサイさんが始めたリサイクルショップ「ぽやぽ屋」で買った中国製のアコースティックギターだった。胴はプラスチックのオベーションタイプ。一時期、超安いアコギとして日本国内にも大量に出回っていたモデル。5000円は高すぎるよなと思いつつも、悩んだ末に買ったのは、ちょうど『SONGBOOK1』の録音を始めていて、鉄弦アコギでアルペジオの伴奏を入れたい曲があったからだ。そのとき、我が家にはAriaのシンソニードという胴のないエレアコしかなくて、それで録音してみたが、どうしてもアコギ特有の音色に聞こえなくて嫌になっていた。どれだけ安物でも、胴体がプラスチックでも、マイク録りすれば空気感は少し出るんじゃないか、と。
過去の日記を「ぽやぽ屋」で検索したら、
日光に来てから一度だけこのギターのことを書いている2013年12月の日記が見つかった。
試奏の動画まで入れてあった↓
2013年12月にこんな動画をUPしていた↑
最後のほうに、
……というわけで、買うなら最低限、S.Yairiの表板スプルース単板のやつくらいからじゃないと弾く気が失せると思う。
Crafterなんていうメーカーも面白そうだ。日本では知られていないけれど、ヨーロッパではかなり有名というか、あたりまえに買われているブランドらしい。こちらは製造は韓国。仕上げの美しさと弾きやすさに定評があるとか。
で、Crafterのエレガットがなかなかよさそうなので、うっかり今、ポチッとしてしまった。衝動買い?(上のいちばん右のやつ)
あ~、助手さんに怒られる。怖い。
助手さんに気づかれずに受け取れないかなあ。
あ~、でも、今、居間に置いてあるAriaの初代シンソニードの代わりに買うのだから、隠し通すわけにもいかないか。
……開き直るしかあるまい。
なんて書いてある。そっか、このときにとち狂ってCrafterをポチして、その後、鉄弦のセミアコっぽいやつも追加でポチしてしまったのだった。
……で、この中国製アコギを使って録音したのが『時の流れに』という曲。これは1976年に樋口康雄さんとフィリップスレコードの本城プロデューサーの下で、フィリップスのスタジオでデモテープを録った記録が残っているので、1976年には存在していた曲。
歌詞が恥ずかしいのでずっと封印していたのを、2010年に『SONGBOOK1』を川内村の「タヌパック阿武隈」で録音していたときに入れた。そのときの録音が↓これ。
『時の流れに』 1976年に書いた曲を2010年、真冬の川内村でかじかみながら録音した
あの頃はでかいWindowsマシンとCubaseを使っていた。リバーブはソフトエフェクターを使うとマシンパワーが足りなくなってひどいことになるので、ハードのエフェクターを4台くらいミキサーにSEND/RETURNでつないでいた。
今はMac miniだけで全部済ませているので、ずいぶん身軽になった。使わなくなったエフェクター類も処分していきたいのだが、面倒でねえ。
このギター誰かいりませんか? と言ったら、獏原人村の栃木バージョンみたいな生活を楽しんでいる七田さんが手を挙げた。そのうち取りに来るとのことなので、オークションに出す手間が省けた。
マサイさんの形見を所有するに彼ほどふさわしい人はいない。
……ん? マサイさん、死んでないな、まだ……形見、はまずいか。失礼失礼。
考えてみると、今までデジタルキーボードを4台は人にあげて、シンセサイザーは3台以上売った。今うちにあるのはYAMAHAの安い(新品で1万円台だった)「ピアジェーロ」というデジピだけ。値段だけ考えたら、今回処分したカシオのほうがずっと高かった。MIDI入力用、コードの確認用にしか使っていないから、それで十分。録音のときの音源はもはやすべてソフト音源だしね。
大きな楽器はオークションに出すのも面倒くさい。かといって今残っている楽器はみんな高価な物ばかり。しかも、今となっては金を出しても買えないようなものもあるので、これからの断捨離はどんどんやっかいになっていくなあ。
早く片づけていかないと、助手さんに怒られる……。ふうう~。