一つ前の日記へ一つ前 |  目次   | 次へ次の日記へ

のぼみ~日記2019

2019/05/29

原発爆発3000日



今日は日本の原発が爆発して3000日目の記念日である。
3000日を1年365日で割れば8年と80日。正確には閏年があるから、2、3日短いが、要するにそのくらいの月日が流れた。
私は、「絶対安全神話」によって突き進められてきた原子力政策がああいう決定的な形で破綻した事件は、日本という国が戦争に負けたり、原爆を落とされたりしたのと同じくらいの重い意味を持っていると思っている。
ところが、今の日本は、原発爆発がなかったことのようにされているどころか、原子力政策の間違いを認めず、再稼働どころか輸出まで本気で進めている。
歴史の重みって、そんなものなのだろうか?

そこでふと、太平洋戦争で日本が敗れてから8年後がどうなっていたのか振り返ってみたくなった。

1945年8月15日に日本では昭和天皇が「この戦争に負けました」という内容のラジオ放送を流して、日本中が敗戦を知った。
それから進駐軍がやってきて、ギブミーチョコレートやパンパンの時代になって……8年後の1953年はどういう感じになっていたのか?

Wikiで1953年の出来事から、いくつか目に留まったものを拾い出してみると、

1月
……といった感じで始まり、

2月

3月~5月
6月
7月
8月
9月~10月
11~12月


国民はプロスポーツやバラエティ番組を楽しみ、あちこちで豪雨などの天災。海外では独裁者の権力闘争やらなにやら……。今の日本とどこか似ている気がする。

……このうち、ローゼンバーグ夫妻の処刑とベリヤ副首相の処刑については少し説明を加えておきたい。

ローゼンバーグ夫妻処刑
 ローゼンバーグ事件を知るためには、ドイツ出身の核科学者のクラウス・フックスという人物を知る必要がある。
 フックスの父はルター派神学者エミール・フックス。1932年にドイツ共産党に入党。その後、ドイツでナチスが台頭すると、フランス~イギリスと逃れたが、第二次大戦勃発後に「敵国ドイツの国民」として逮捕されてカナダの収容所へ。しかし、釈放され、イギリス軍の原爆計画に加わった。1942年にイギリス国籍取得。
 1943年末にはアメリカ合衆国に渡り、原子爆弾の開発を目的として創設されたロスアラモス国立研究所に勤務した。
 しかしそれ以前の1941年からフックスはソ連のエージェントと接触し、ソ連に原爆、水爆の製造理論などを流し続けていた。
 戦後の1950年、スパイ容疑をかけられたフックスはスパイであることを自白。懲役40年の判決を受け、イギリス国籍も剥奪される。

 これがきっかけとなって、アメリカ在住のユダヤ人夫妻ジュリアス・ローゼンバーグとエセル・グリーングラス・ローゼンバーグ夫妻も同様のスパイ容疑をかけられ、逮捕された。大戦中にフックス同様、ロスアラモス研究所に勤務していたエセルの実弟デイヴィッド・グリーングラスから情報を受け取り、それをソ連に流していたという。
 夫妻は無罪を主張したが、死刑判決を受け、1953年6月19日に電気椅子で死刑が執行された。
 その日は、死刑執行までの状況がリアルタイムで刻々と報道され、全世界が注目し、興奮に包まれた。

……という事件。
 後に、実際にスパイ活動をしていたことは証明されたが、流していた情報の質は、フックスが流していた情報の質とは比べものにならないほど低かったとも言われている。
 そのフックスは1959年6月に釈放されて東ドイツに渡り、中国の核開発に協力したとされている。
 さらに東ドイツでは、ドイツ社会主義統一党中央委員会のメンバー、ロッセンドルフの核研究所の副所長となり、カール・マルクス勲章を受賞している。

ソ連ベリヤ副首相の逮捕・処刑
 ラヴレンチー・ベリヤ(1899-1953)は、ロシア帝国時代、グルジアの少数民族ミングレル人として生まれた。
 1917年にソ連共産党の前身であるボリシェヴィキに入党。1920年にレーニンが創設した秘密警察に加わり、1926年に支部長に就任。スターリンから目をかけられて出世していく。
 その間、数々のサイコパス的な性犯罪を重ねたという話もある。
 戦後、フルシチョフが台頭すると、秘密警察を掌握していたベリヤは「秘密警察を国家や党よりも上に置こうとした」として、銃殺刑にされた。(会議に呼び出して絞殺、射殺したという説も)


……歴史は繰り返すというが、敗戦後8年の日本と世界、原発爆発後8年の日本と世界を見てみると、規模は違うにしても、世相や事件の背景、構造がとても似ているような気がする。
「それは違う!」という批判を承知でいえば、ローゼンバーグ夫妻事件から思い浮かべたのは、籠池夫妻の収監や、おかしなタイミングでのオウム事件犯たちの同時処刑のことだった。
ローゼンバーグ夫妻がほとんど「公開処刑」のようにされた一方で、より本質的な部分を握っていたフックスは釈放され、後に中国の核武装などに関わっている。
誰もが「なんでそうなるの?」とモヤモヤするはずだ。
原爆の技術に関するソ連へのスパイ行動はあったのかなかったのかという話は世界的なニュースになるが、「市街地に原爆を落としたことは正しかったのか?」「なぜ落としたのか?」という論考や解明は十分になされていない。
そうした風潮も原発爆発後の日本に似ている。放射線量や避難指示解除の問題は大騒ぎされるが、そもそも原子力発電は間違っていたのではないか? なぜ爆発するような不始末が起きたのか? という根本問題が十分に論じられていないし、人々もあまり関心を示さない。

長くなったのでこのへんでやめるが、要するにいいたいことは、
「忘れることで解決はしない」「歴史に学べ」ということだ。

モリアオは?


去年、産卵に使われていた木が伐られてしまい、土の上に産んでいた田んぼを見に行った。卵はなし。まだ早いのか、ここは諦めてみんなで他に移動したのか……。

2019/05/30

3種混合ワクチンの憂鬱


のぼみ~のワクチン注射で獣医さんに。
のぼるくんは諦めが早いが、み~は行き帰りの車内、ずっと鳴き続けている。
3種ワクチンの効果については最近、いろいろな説が出てきたらしい。(薬学会あるある)
1度打てば数年は効果が持続するので、毎年打つ必要はないという説。海外ではすでに「3年に1度を推奨」としているところもあるという。
効果が1年で切れるのか、持続しているのかを確認する検査というのは8000円かかる。3種のうち1種だけ切れていてあとの2種はまだ有効です、とか、3種とも全部まだ有効なので打つ必要はありません、とか、いろんな結果が出るらしい。
日本では検査費用が高額なため、まだ十分なデータが集まっていないが、少ないデータの中では、5年持続する子もいれば、1年もたない子もいるという。
ワクチンが腎機能低下を引き起こすというリスクも報告されていて(その確率については諸説あり)、打つべきか打たないべきか迷う。

一旦は「今年はやめておきます」と言ったのだが、結局打つことにした。
ワクチンは4000円。検査は8000円。検査するだけでもワクチンを打つ2倍のお金が出ていくが、その結果、「やはり効果は切れています。打ちましょうか」となったら、さらに4000円。しかも全部2匹で×2だから……ねえ。
院長も「検査が1000円くらいならいいんですが」と言っていた。すでに同じ話を毎日毎日何百回と繰り返しているはずで、疲れるだろうなあ。


み~は、大量の汗をかいて、帰ってきたら玄関がこの通り。汗で足跡がくっきり


今年もこの光景が


カエルの数は減ったが、カナヘビは減っていないような気がする。毎日のように家の周りで見かける。



クチバスズメというやつかなあ。カッコいい。でも、幼虫には出会いたくない。


タヌパックブックス
狛犬、彫刻屋台、未発表小説、ドキュメント……他では決して手に入らない本は⇒こちらで


タヌパックのCDはこちら たくき よしみつの小説

↑エントロピー環境論を子どもから大人まで伝えたいという気持ちで書いた、これは私の「遺言」です。



あのとき、さまざまな偶然が重ならなかったら今頃日本は本当に「終わっていた」ということを、的確に分かりやすく解説。 ご案内ページは⇒こちら
A5判・40ページ オンデマンド 中綴じ版 580円/平綴じ版 690円(税別、送料別)
製本形態

新マリアの父親
「フクシマ」を予言した小説と言われる『マリアの父親』の改訂版が「紙の本」で甦る。試し読みは⇒こちらから
A5判・124ページ オンデマンド 980円(税別、送料別) 


更新が分かるように、最新更新情報をこちらの更新記録ページに極力置くようにしました●⇒最新更新情報
  


一つ前の日記へ一つ前 |  目次  | 次へ次の日記へ


Kindle Booksbooks    たくきの音楽(MP3)music    目次へ目次    takuki.com homeHOME


Google
nikko.us を検索 tanupack.com を検索