絶対音感神話の大誤解　動画編

YouTubeにUPしてある「あなたの音感は何型か？」と「固定ド絶対音感と移動ド相対音感」の再生数が、現在、それぞれ21万と46万を超えている。
オリジナル楽曲動画の再生数がどれもせいぜい3桁なのを考えると、なんとも皮肉なことだ。
コメントを寄せている人のほとんどが固定ド音感の人というのも興味深い。自分は移動ドだ、という人のコメントはほとんどないのだ。
移動ド相対音感の人があまりにも少ないらしいというのはちょっとした衝撃だ。
しかし、世の中にはそんなに固定ド音感の人が多いのだろうか？　そうは思えない。おそらく、このテーマに興味を持つ人の多くが音大生や音楽系クラブで楽器を演奏している若者で、そういう人たちの中では、移動ド音感の人より固定ド音感の人のほうが多い、ということなのだろう。

世の中のほとんどの人は、メロディを聴いてドレミファ……という階名を自動的にラベリングする習慣はないし、できない。だからこのテーマにも興味を持てない、ということは理解できる。
しかし、メロディを聴いてドレミでラベリングできなくても、相対音感が優れている人はたくさんいるはずだ。多くのミュージシャンはそうだと思う。
大切なのは、自分の音感型を知った上で、自分に合った音楽の追求をしていくことだろう。自らドアを閉ざしてしまってはせっかくの音楽修業がつまらないものになる。

しつこいようだが、あまりにも間違った「絶対音感神話」がはびこっているので、遺言として、もう一度だけ動画にまとめておこうと思った。
100年後くらいにまだこの動画が残っていたら「何をあたりまえのことをくどくどと説明しているんだ？」と思われることを願いつつ。