富士山女子駅伝

富士山駅伝というと、5合目くらいまでは登るのかしら？　なんて思うけれど、そうじゃない。裾野のコースで、坂は最後にちょっとある程度。
Wikiを確認すると、正式名称は「全日本大学女子選抜駅伝競走」で、2004年～2006年は2月に埼玉で開催。2007～2009年まではつくば市で開催。
その後、主催のテレビ東京やスポンサーが降りてしまい、2012年までは開催されず、2013年から富士市・富士宮市をまたぐコースで12月に再開。

今年は2区と最終7区で区間新記録が出たが、コースはしょっちゅう変更されていて、現在のコースは2016年からだから、アナウンサーが「区間新記録！」と叫んでも、その前の記録が２つだけなのだよね。
それでも、2区と7区は面白かった。
2区の区間記録は中央大の五島莉乃選手がとった。中央大はチームとして出場できず、りのりんは全日本選抜チームの一人として出場。
選抜チームというのはたいてい最下位よりちょっと上あたりをウロウロしているものだが、今回は3区までずっと1位、しかも3区まで全員が区間賞というぶっちぎりで、これがまず面白かった。
2区のりのりんは、1区で2秒差で渡された襷を、18秒にまで広げて3区に渡した。3区のわかなんもそれをさらに32秒にまで広げて4区に渡した。
でも、見たことのない「選抜チーム優勝」の夢もここまで。4区は区間17位で3位に落ち、5区も区間12位で6位に後退。その後、6区のゆきなっぴが区間2位で4位にまで盛り返したが、7区は区間11位で、なんとか総合4位を守り切ってゴール。
箱根駅伝もそうだが、なんか、選抜チームを優勝させてはいけないみたいな暗黙の配慮があるのかしら？　なんて思ってしまう。出水田眞紀はまだ立教の4年生のはずだが、出てこないのかしら。

調べてみると、男子の箱根駅伝、全日本大学駅伝も、選抜チームはオープン参加で、順位外。成績も「参考記録」としてしか残らず、表彰もされないらしい。
富士山女子駅伝は「今年から静岡学生選抜チームがオープン参加ではなく公式参加になりました」と何度もアナウンサーが言っていたので、全日本選抜も当然公式参加チームとして認められているはずだ。ちゃんと公式記録にも4位として記録されている。
選抜チームが優勝することもありえるのが女子の駅伝だ、ということで、PR材料になるのではないかしら。絶対そのほうが面白い。
今年の選抜チームは全員が1～3年生で4年生は1人もいない。ということは来年も出られるわけで、来年が楽しみだ。

さて、2区のりのりんは、2年前の日光いろは坂駅伝1区で、ひとりぶっちぎって走ってきた姿を真正面から生で見ているのでしっかり顔もランニングフォームも記憶に刻まれていた。

2016年日光いろは坂駅伝の1区を独走するりのりん

テレビを見た瞬間、お～、あの子だ～、と分かった。
走りがダイナミックで、マラソンには向いていないかもしれないが、グイグイいくところがカッコいい。
インタビューに答えるときの笑顔と素直な口調も魅力。すっかりファンになっちまったよ。

あと、今回のヒロインはなんといっても大東文化大1年生のゆうかりん。
きつい登り坂の最終区では「スーパー1年生」「世界レベル」と騒がれていた高松智美ムセンビ選手の29分21秒（8.3km　これも区間記録で今回の区間2位）を42秒も上回る28分39秒というものすごい記録を叩き出した。ちなみに区間3位が30分08秒だから、ともみんはそれを47秒も離しているんだけど、そのともみんをさらに42秒ぶっちぎったんだから、ゆうかりんがどのくらいすごいか想像してほしい。中継車で解説していた金哲彦氏も興奮しっぱなし。
ゆうかりんの凄まじい走りのおかげで、大東文化大は6連覇を狙った立命館大との26秒差をひっくり返し、さらに1分以上の差をつけてゴールした。チームとしても嬉しい大誤算だったのではないかしら。

で、ゆうかりん。ゴール後のインタビューで「ありがとうございました」とお辞儀してインタビュアーのマイクにおでこをゴツンとぶつけるというオチまでつけてくれた。もう、天才！
将来、Qちゃんクラスの大物になるかもしれないねえ。楽しみだわ～。