Eテレの番組で「鬼」のことをやっていたのを見た。鬼門の話も出て、京都では家の鬼門(北東)と裏鬼門(南西)の角に「鬼門除け」を置く風習が残っているとかなんとか。「鬼門除け」にはナンテンの木(難を転ずる、から)や柊(尖った葉が鬼の目に刺さって退散させるとか)、白い玉石(「結界」を作る?)などが使われるのだとか。
それをぼ~っと見ていて、そういえば昔100円ショップで買った焼き物の狛犬(実際にはシーサーのつもりの商品だろう)があったなあと思い出した。外に置いているうちに目玉が全部取れてしまい、目なしダルマならぬ目なし狛犬になってしまって、そのまましまい込んでいた。
越後時代に買ったので、多分、小千谷か長岡あたりの100円ショップで買ったのだと思う。
片方の目が消えた時期の姿↑ 阿武隈時代
焼き物なので外に置いてあっても割れない限りあまり劣化はしないのだが、目は人形用?のプラスチックの目が両面テープで貼り付けられていたので、雨風で取れてしまったのだ。
いつ頃どこで買ったのか知りたくて検索をかけてみたが分からなかった。
AICに「100円の幸福」というコラムを書いたときにチラッと触れているのが見つかっただけ。
このコラムを書いているのが2002年だから、それより前であることは間違いない。
助手さんが言うには「
越後の地震の後片づけのとき、瓦礫の中に埋もれていたこれを、あなたは『こんなものは置いていく』と言ったのを、私が『可愛そう』と言ったら、後から黙って取りに戻っていた」とのことなのだが、覚えていない。
ともかく、中越地震の震度7もくぐり抜けて、一度は見捨てられたのを阿武隈にまで連れてこられて、そこでカエルの池を見守る役割を果たしていたのだが、風雪で目がひとつふたつとなくなって、最後は2頭とも全盲になってしまったのだ。
阿武隈を引き払うときも、荷物は極力減らしたかったのだが、なんとなくこれは最後に持ち出す荷物の中に入れたらしい。日光に来てからは一度も日の目を見ないままになっていた。
で、テレビを見ていて、鬼門と裏鬼門にこれを置いたら魔除けになるかしら……と思い出した次第。
あちこち移動して、最後はかわず庵の倉庫に置かれていた。無造作に扱い続けてきたのに、目以外は壊れていない。ひびも入っていない。
じゃあ、いい機会だから復活させようと、マジックインキで簡単に目を描き入れた。
「一緒にしないと可哀想」と助手さんが言うので、裏鬼門にあたる敷地の角に置いた。