『ひよっこ』楽しいわ。前作があまりにひどかった分、ご褒美をもらっている気分だ。
みね子が就職したトランジスタラジオ工場に出てくる基板が新しいだの、あのラジオのモデルはソニー製だとか、今までもいろいろ盛りあがってみたが、その続きでちょっと息抜きしましょ。
まずはみね子が入ったアパートの住人。意地悪そうなOL役はシシド・カフカという人。この人、寝起きなのにバッチリ化粧していたりして、スタッフはもっと厳しく指導せねばいかんぜよと思っていたが、彼女の部屋がまたなんとも不思議。
OLという設定だが、どんな会社でどんな仕事をしているのかはまだ明かされない。でも、この部屋を見る限り、美大卒のアート系女子かな、なんて思う。
ジャンベらしきものがちらっと映っていて、これ、叩くの? それともオブジェ? 狭い部屋なのに……とも思った。
そしたらてっちゃんが「ドラマーだからジャンベは納得」と言ってきた。
ん? ドラマーなの?
調べたら、ものすごく重たいドラムを叩く人なのね。
親の仕事の関係で、メキシコで生まれ、小学生時代は日本、中学生時代はアルゼンチン育ち。175cm。恵まれたプロフィールだ。
で、ドラムの師匠がダニエル・ピピ・ピアソラというジャズ系のドラマーだそうで……
この人にドラムを教わったらしい
で、19歳でプロドラマーに
さて次はこれ。
すずふり亭の閉店時の札が「CLOSE」となっていた件。
これは典型的な間違い英語表記で、正しくは「CLOSED」なのだが、当初は、1960年70年代あたりだと、圧倒的にこの間違い表記のほうが多かったから、わざとそうしているのかな、と思っていた。
ところが、後日、しらっと正しい表記に直されていた↓

あら? 知らないうちに正しい表記になってる!
視聴者から「子供が間違った英語を覚えるじゃないか」とか、苦情でも入ったのだろうか。そもそも、わざと間違えたのか、単純に間違えたのか……謎だ。
シェフが語る戦争時代のいじめ風潮
すずふり亭のシェフが、唐突に戦争体験を語り始める日があった。
「みんなの感想」では、「不自然だ」とか、きっかけとなった厨房で大声を出すシーンへの非難なども見うけられたが、これは脚本家が今の世相に対して、どうしてもメッセージを送りたかった結果だと思う。僕は評価したいな。
こういうところがあって、ますます『ひよっこ』に好感が持てるようになるんだよね。
アメリカ在住のYukaさんが、いつもながら秀逸なコメントを寄せてくれたので紹介したい。
自分がいじめられなくても、いじめを見せつけられるから学校に行けなくなる子、怯えて育つ子がいっぱいいます。ホームレスを見るから、パワハラを見るから、国会でののらくらした詭弁を見るから、子どもたちは健全な社会がどんなところか、もう知らないんですよ。
普通の人って、追いつめられなければいい人なんです。
その普通の人を暴力的な環境におくと、悪い人になるんです。
だから、健全な社会を作りたかったら、普通の人を追いこんじゃいけないんです。
会社や学校、コンビニでパワハラするおじさん、おばさんは、追い込まれているから悪い人になっているわけで。そういう人々を見るだけで、普通の人は精神を病んでいくんですよね。むしろ、それに鈍感でいられる人の方が異常でしょ。
振り子時計の謎

お次は、シェフたちが常連になっているらしいスナックの店内。
壁にいっぱい振り子のついた柱時計がかかっているのだが、どの時計も振り子は止まっている。オブジェなのだなと思っていたら、次のシーンでは、なぜか針は一斉に動いているのだ。怖いわ~