

鹿沼側から足尾に向かう人たちは、広大な太陽光パネルの光景の中を通っていくことになる



水源涵養保安林指定の国有林と隣接している

これから新緑の季節


この看板の向こう側斜面は日光市。ここも計画地に入っている

ここ一帯全部伐採される

雑木林なので野生生物にとっても貴重な住処




地下水も湧き出し、流れている。森の中の湿地は極めて貴重

計画地の北端に近い場所までやってきた。山頂付近

もし工事が進めば、このあたりを基地にして資材を積み上げ、斜面の下に向かって山を剥いでいくのだろうか


東大地震研の測定器も置かれている。工事が始まれば記録も狂うだろう

この道の右側から山の斜面全部が伐採エリア


道の北側は国有林。ここだけ保全しても、道を挟んだ下側が丸裸にされたら保水もできず、崖崩れも起きるだろう

計画地の北端。ここまでがヤマハが所有していた民有地だと分かる

ここも含めて向こう側の斜面全部を伐採するという嘘のような計画

斜面の上からなので計画地全部が見渡せないが、この斜面の下のほうまでず~~っと伐採し、16万7000枚のソーラーパネルを敷き詰めるという

ここは日光市なのだが、国有林の管理は群馬県の営林署管轄?
計画地を見て思ったのは、これはもう、反対運動をするまでもなく計画は頓挫するのではないか……ということ。あまりにも馬鹿すぎる。
普通に考えれば、こんな計画が合理性を持つわけがない。冬には雪も積もるし、ろくに発電もしないのではないか。標高1000mを超える場所だから、資材運搬や伐採した木の運び出しなども困難。どれだけ金をかけるつもりなのか。
送電線も新たに引くわけだし、計画として無理がありすぎる。
土砂崩れや下流側での井戸の水涸れ、河川の汚濁、川魚の死滅などが起きる可能性は高いから、損害賠償を求めて訴訟も起きるだろう。そういうものすべてに対応できるだけの力が企業側にあるとは到底思えない。建て逃げ同然の結果になって、最後は自治体が税金を投入して後始末をすることになる。自治体もそんな余裕はないから、膨大な処理困難ゴミを山の斜面に放置したままになる可能性が高い。
あまりにも馬鹿すぎる。与太郎にもほどがある。助手さんも助手席で呆れ顔で言った。「いくらなんでもこれはないでしょう。立ち消えになるんじゃない?」……と。

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しかし、この奈良県の現実を見ると、今の日本、どんなに馬鹿なことでもやらかす「想定外の馬鹿」がいるのだと知らされる。
横根高原はこの大馬鹿者のやらかしたことの何百倍の規模のウルトラ馬鹿なのだが……。↓
昨日も、近所で反対の署名集めをしていたら、ある人がこう言った。
「それって脅しみたいなもので、嫌なら自治体が買い取れということなんじゃないですか?」
そこまで考えてやっているとは思えないが、こういう馬鹿なことを引き起こす原因を作った再エネ振興政策の罪は大きい。企業の目的は発電ではなく金儲け。税金や電気料金に含まれている再エネ賦課金がなければハナから成立しない話。
いずれにしても企業が税金をむしり取るための詐欺と恐喝の合わせ技みたいなものだ。
ここを見に出かける直前に、「日米首脳が電話協議」という速報ニュースを見ていたので、こんなことをしている間にもミサイルが飛んできたりして……などと思った。
そういえば、松本サリン事件のときは神奈川の大山で狛犬の写真を撮っていて、売店のおばちゃんから「長野のほうで毒ガス事件が起きたみたいですよ」と聞いたのだった。
建設予定地を見終わって、山を下りながら考えた。
アメリカ政府は自国(本土)に被害が及ばないなら、他国でどれだけ人が死のうがあまり気にしない。中東やアフガンでしてきたことを見ればそれは明らかだ。
北朝鮮がほんとにアメリカ本土にまで届く核ミサイルを手にしてしまいそうだと分かった今、その前に叩けるなら、日本や韓国に多少(?)の被害が出てもいいと思っているだろう。
たとえがまずいかもしれないが、僕だって、本音を言えば横根高原に東京ドーム25個分のメガソーラーができるより、わが家の隣に数十坪のミニソーラーができるほうがはるかに死活問題だと考える。人間のエゴってそういうものだ。
アメリカの人たちが「あのアホが飛ばした核ミサイルがこっちに届く可能性があるなら、その前に、日本を舞台にしたミサイル合戦を起こして、徹底的に叩いてほしい」と、口には出さなくても思っているとしても、それは自然なことだ。
日本に関心を持つ世界じゅうのひとたちが、「なぜ日本人は、せっかく平和を享受して、この先の未来も戦争を避けうる幸運なポジションを占めているのに、わざわざ戦争に巻き込まれる国にしたいのか?」と疑問を述べるようになってから、もう何年も経っている。
怪訝な顔の世界の国ぐにを精力的に安倍首相が駆けずり回って、オカネをばらまきまでして説得して、憲法がすでに国民の合意によって改憲されたという真実とは異なる虚像をつくりだしてまで、全力でめざしたゴールに、やっとたどりついた。(ガメ・オベールの日本語練習帳
「新時代に入った日本」)
……まさにそうなんだろう。あらゆる面で、今までの時代とは違う時代に突入した日本。