先日購入したKORGのオーディオインターフェイスを使ってEWI USBに付属しているヴァイオリン音源を演奏したものをLogicに直接オーディオ信号として入力すると、以前に作った『Digital Wabi-Sabi』のときよりいい音で録れるだろうか?
EWIで擦弦楽器音源(特にチェロ)を鳴らすということに関しては、今まで何度も挑戦してはうまくいかなかった。
一般的なソフト音源はキーボード対応なので、EWIのようなウィンドシンセサイザーで入力すると最初の音の立ち上がりがうまくいかず、不自然極まりない演奏になる。というか、ほぼ演奏できない。
SWAMという新エンジン搭載の音源がEWIに対応した入力モードを持っているというので、最初の製品Violaと次に出たCelloを購入してみたのだが、確かに音の立ち上がりは対応しているものの、なんだかノペッとした音で、擦弦楽器に聞こえない。
結局、『Digital Wabi-Sabi』のアルバムで多用したEWI USBのヴァイオリン音源より優れた音源が見つからない。
しかし、今使っているLogicは64bitの音源しか認識してくれないので、32bitのEWI USBの音源はそのままMIDI音源としては使えない。『Digital Wabi-Sabi』では苦肉の策として、手元にあったM-AudioのFASTTRACKというUSBオーディオインターフェイスを使って、そこから出した音をオーディオ信号としてn12に入力し、それをオーディオトラックとしてLogicで録音するということをやった。
つまり、Macにはn12(YAMAHAのデジタルミキサー兼オーディオインターフェイス)とFASTTRACKの2つをつないで、Logicはn12で、EWI USBはFASTTRACKで同時に立ち上げて、EWI USBの音はFASTTRACK⇒n12⇒Logicという流れで「オーディオ信号」として録音したわけだ。
EWIでチェロの音を出したいというのはEWIを始めてからずっと思っていたことなのだが、どうしてもうまくいかない。
昨年、SWAMという新しいソフトでViolaとCelloの音源が相次いで出たので、買ってみた。これは64bitもあるので、Logicでもプラグインとして認識してくれる。というか、SWAMエンジンは困ったことに今のところ単独での再生ソフトが存在せず、なんらかのDAW(LogicやCubaseなどの音楽制作総合ソフト)にプラグインとして読み込んで使うしかないのだ。
しかし、これが非常に使いづらい。動作が重いのか、息の強弱でのニュアンス表現がなかなかうまくいかない。しかも、MIDIプラグインとして使うと、細かな差し替えがモニターと同時にできず、いちいち差し替えたい箇所を削除して空のトラックを作ってからじゃないとダメ。
↑SWAMエンジンのCello音源を使った録音
これだと作業効率も悪いし、演奏も乗れないので、考えた末に、MacBOOKでGaragebandを立ち上げてそこにSWAMのトラックを作り、リアルタイムで音を出しながら、それをMacBOOKの音声出力から取りだしてn12に入れて、Mac miniのLogicに音声として録音する……という方法に切り替えた。上の録音で、Viola音源(Violaには聞こえないかもしれないが)はそうして演奏した。
それでも音に表情が出ない。MacBOOK内蔵のオーディオインターフェイスでは音が悪いからかもしれない。あるいは、根本的にSWAMの作り込みが甘いのか……。
EWIを使う場合、本物の弦楽器の音をシミュレートするのではなく、本物の弦楽器よりも面白い演奏やニュアンスが出ないと意味がない。その点でもダメだなあと気落ちする。
結局、EWI USBのヴァイオリン音源に戻ってしまった。それのなるべく低いほうを使って演奏し直したのがこれ↓
SWAMを諦めてEWI USBに戻った。入力機はEWI5000
やはりこっちのほうがずっといい。動作が軽いので演奏していても細かなニュアンスを出しやすい