2016/07/29
徳次郎六ケ郷の彫刻屋台 (1)
鹿沼の駒場さんというかたからていねいなお手紙をいただいた。
彫刻屋台に興味を持ってWEBを検索していたら僕のページ「彫刻屋台の世界」を見つけ、サイトオーナーが、昔購入した『デジカメ写真は撮ったまま使うな!』(岩波アクティブ新書)の著者であることを知り、その後はこののぼみ~日記やフェイスブックをフォローしているという。
で、今年は徳次郎智賀津神社の3年に1度の夏祭りで、彫刻屋台6台が出るので見に行きませんか、とのお誘い。
前回(3年前)は大雨で中止になったので、6年ぶりに屋台が出てくるのだそうだ。
徳次郎町は宇都宮市の外れにあり、狛犬めぐりでは何度か訪れている。石那田の彫刻屋台と一緒に存在だけは聞いていたのだが、忘れていた。
二つ返事で「行きます行きます」ということに。
祭は7月の最終土曜日なので30日だが、徳次郎の屋台は彫刻がすばらしいのに提灯をたくさんつけてしまうので彫刻がほとんど見えないという。だから、写真を撮るには屋台蔵から出して組み立てているとき、しかも提灯をつける前しかない。前日の組み立てのタイミングで行きましょう、とのこと。
午前10時。駒場さん登場。車に乗せてもらって徳次郎町へ。
徳次郎は日光道のICもあるが、そのICのローマ字表記は2008年まで「TOKUJIRA」となっていた。下を走る日光街道の交差点名は「TOKUJIRO」となっているので、どちらが正しいのかと論争も起きたらしい。
今は「とくじろうまち」が正式名称。
奈良時代に日光東照宮近くの久次良(くじら)氏の外領になり、智賀津神社も日光三社権現を勧請したために「外久次良(そとくじら)」と呼んでいたものが「とくじら」に転化し、後に宇都宮氏家臣の新田徳次郎がこの地に徳次郎城を築いたことから徳次郎と書いて「とくじら」と読ませていた。
それが宇都宮市に編入されたときに文字通り「とくじろう」と読ませることになったのだが、地元の人たちや栃木に古くから住んでいる人たちは今でも「とくじら」と呼んでいる。
ここにはもともと徳次郎六ヶ郷(上徳次郎村、中徳次郎村、下徳次郎村、門前村、田中村、西根村)と呼ばれる6つの集落があって、それぞれの地区が彫刻屋台を持っている。
鹿沼や今市の屋台に比べて貧しいのかなと想像していたのだが、とんでもなかった。6台すべてがものすごい。しかも個性的。
……というわけで、2日かけてのべ4600枚くらいの写真を撮ったので、一部をここに紹介していく。
田中、門前、上町は初日空振り
最初に「提灯がつく前に」と急いで行った田中では、屋台蔵の前に人っ子ひとりいなかった。「あれ? まだ出してもいない。今夜の宵祭りに間に合わないじゃない?」と駒場さん
続く門前も同じで、誰もいなかった
市の補助で立派な屋台蔵が建ったという上町も閉まったまま……
どうなることかと思いつつ中町へ行くと……、屋台蔵は開いていたがすでに提灯がついてしまっている。残念!
「すみませ~ん。写真撮らせてください~」
提灯はすでに何日も前につけてしまったのだという。提灯を無視して撮れるだけ撮るしかない。
中町の屋台(1)
この状態だった
案内板
提灯をかいくぐって撮る。絢爛な彩色屋台
彫刻師は鹿沼の石塚直吉・吉明父子。花鳥の意匠が得意
金も多用している豪華仕様
向拝柱も彫刻で埋めていて、しかも彩色
リスに葡萄のお約束意匠。リスも塗られている
彩色は補修されていて非常によい状態
脇障子は細密かつ大胆な透かし彫り
横から。高覧下は波
車隠し(高覧下のさらに下の部分)も波で、こちらは龍がいる。ここだけ大出常吉の作で、後付け
高覧下の波間に彫られたエビ
蛸もいる。金ピカの蛸
車隠しの龍
まだまだ続く
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第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
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第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
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