のぼみ~日記 2015

2015/07/11の5

まさか今日、モリアオの卵塊を見られるとは!


教えられた場所は2箇所だったので、まずは近いほうへ……と向かった。
ところがここで大誤算。地図を見ながら説明を受けているときに、完全に道を間違えていたのだ。教えられた道は黒川神社の分岐から今市方面に抜ける県道14号線のことだったのだが、僕は今いる277号線のことだと思い込んでいた。だから、Uターンしてきたさっきの道をもう一度上っていったのだが、説明されたような場所が見つからない。
公民館を超えて神社の手前とかいう説明を受けていたが、その公民館も神社も僕が思っていたのとはまったく別のだった。
それに気づいたのは、おかしいなあおかしいなあと道を行ったり来たりしながら、最後はほとんど清滝に近いところまで行ったときだった。
もう一度黒川神社まで戻るか、それとも清滝まで抜けきって、清滝ICから日光ICまで日光道を走って南下するか……。どちらにしてもかなりの距離だ。
悩んだ末に後者のルートを選んだ。



教えられた1つは、日光ICそばから山久保に入っていく山道の脇にある沼。
そこは最近ずっと通っていないので今でもあるかどうか分からないということだったが、注意深く走ってみたが、それらしきものはない。
仕方なく、「あそこはまちがいなくあるはず」と言われたもう一か所に向かった。
その場所はすぐに分かったが、車で通っている限り、絶対に見つからないだろうという感じで木の枝にぶら下がっていた。
こんな場所に? というような場所。
車道脇で、下は池ではなく小さな田んぼ。山の中ではなく開けた場所。
あれだけ山の中を探し回って見つけられなかったのに、こんな人里にいたとは……。
10個くらいはあっただろうか。すでにほとんど溶けているものが多かったが、中にはまだ産んでそんなに日が経っていないような白いものもあった。
「このへんは産むのが遅い」という話は本当だったのだ。

平伏沼の標高は700mくらいあり、冬の寒さも相当なものだが、それでも6月はじめから産卵し始めて、6月中にピークを迎える。ここは平伏沼よりずっと標高も低いのにこんなに遅いのか。
今頃産んで、冬になる前にちゃんとカエルになれるのだろうか? 下は池や沼ではなく田んぼだが、カエルになるまで水を入れていてくれるのだろうか?
いろいろ考えながら写真に収めた。

車道脇であっさり見つかったので、拍子抜けしたほど


7月半ばになるのに、まだかなり残っている


かなりの数のモリアオガエルがここに集まってきているわけだ


これなどはまだ新しい


これは1週間くらい経っているかな。もう中ではオタマになっているだろう


これは上から裂けているのが心配。この状態だと、中から落ちずに腐ってしまうことがあるからだ


卵塊の下が溶けてくれるとうまく落ちられるのだが、下が丈夫なままで上が避けてしまうとたちまち中で腐ってしまう



これはもういつ落ちてもいい感じ


もしかしてカエルが1匹張り付いているのかと思ったが、写真で確認したら葉っぱだった


一つの卵塊で数百匹分


なんでこんなに心が躍るんだろう。不思議な存在だなあ


よく「木の枝」に……と説明されるが、正確にはこのように葉っぱに絡ませて産む


奥のほうに見えているやつはほぼ理想的な溶けかた


下は田んぼ


オタマが泳いでいる。多分、モリアオのオタマだろう
モリアオの卵の下あたりには稲が植えられていないのは、モリアオ用にスペースを作ってくれているのか、単純に陽があたらず植えても稲が生育不良になるからなのか……。
毎年ここに産んでいるということは、ちゃんとカエルにまでなっているのが一定数いるからだろう。田圃の主がそれを意識して水の管理をしてくれているといいのだが。

これを見て改めて思うのは、やはり水温がある程度高くならないとオタマが成長できず、カエルになる前に冬が来てしまったり、水が抜けて干からびたりして生存できないのだろうということ。深い森の中の沼ならいい、というわけではないのだ。
平伏沼はそこだけぽっかり開けていて陽が当たるし、すぐに涸れてしまうくらいの浅い沼だから水温も低くならない。オタマが成長できる環境なのだが、うちのそばのマムシ沼などは杉林で一日中陽があたらず、水も絶えず流れ込んでいるので水温が上がらない。冬でも水が少しは残っているからアカガエルなどは生きていけるのだろうが、産む時期が遅いモリアオはカエルに成長して体力をつける前に気温が下がってしまい、生き抜けないのかもしれない。

小来川エリアには、他にもまだ棲息している場所はありそうだ。
多分、昔はもっと広範囲に棲息していたはず。モリアオガエルという名前から、深山幽谷をイメージしがちだが、止水環境と身を隠せる場所があれば、人里の中にかなり食い込んで棲息していてもおかしくないカエルなのではないだろうか。アマガエル並みに……。
川内村でも田んぼの縁や田圃のそばの木の上などに産んでいるのをよく見た。モリアオガエルと一緒に暮らせるくらいの里山が、人間にとってもちょうどいいくらいの環境のような気がする。

……っていうのは、あまりにもカエル好きの論理かな?

でも、カエル「も」生きていけるように、と考える余裕、ゆとり、穏やかな心が、幸せな人生には必要な要素だと思う。

比較的近い場所でモリアオの卵を確認できたことで、僕の心にもほんの少し余裕というかゆとりが生まれた気がする。










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