青木:(略)オレはデモなんかしても社会は変わらないと思っています。
Tehu:ホント、意味のあるデモって何?
青木:オレもそれがわからないから、デモが起きると絶対見に行くんだけど、参加者の年齢層がめちゃくちゃ高いんだ。見た感じ、定年すぎた人たちっぽくて、そのあたりって世代的に叫びたい世代じゃん。みんな時間を持てあましていて、鬱憤を晴らしに来てるんじゃないのかなって思う(笑)。
Tehu:政治家からそう見なされてもおかしくないよね。だからこそ、石破さんが「テロ行為だ」と言ったわけで。
青木:若い人にもぜんぜん響いてない。友達と「デモのニュース見た」という話はするけど、実際に行こうってヤツはやっぱりいなくて、結局、そこ止まり。少数の中で回していて、果たして意味があるのかな。そこを自分は変えていきたいんです。
でも、若い人はデモには行かないけど、ツイッターで思いを書く人はたくさんいるよね。
Tehu:いるいる。
青木:ということは、若者は政治に関心がまったくないわけじゃなくて、関心はあるんだけど、その発散場所がたぶんわからないんです。とくに、オレたち10代なんてまだ選挙権がないから、「選挙権を行使しろ」と言われてもできないし、「政治家になれば」って言われても、被選挙権もないわけで。それなら、そういう環境を自分たちがつくっていくしかない。
Tehu:(略)そもそも20歳未満は選挙権もないから、議員さんにとっては無視したって何の影響もない。それについてはどう思う?
青木:めちゃくちゃ憤りがある。結局、選挙に勝つためには、選挙権を持っている人に会ったほうがいいわけです。でも、政治ってその場その場ではなくて、10年後、20年後、30年後の社会を描いていくために、コツコツ積み上げないといけないものでしょ。若い人の意見をないがしろにするのは、先を見ていないってことだよね。
Tehu:だね。
青木:ただ、そういう現実を嘆いているだけでは仕方がないから、政治家が若者の話を聞いてくれるような環境を自分たちでつくらないといけない。自分たちも若者の意見をきちんと言わないといけない。それがいますごく求められていると思います。
Tehu:ボクは何か発言すると、大人から「若造のくだらない意見だ」とdisられることもあるんだけど、一方で、活発な若者の多くが団塊の世代を敵視しているのも違和感がある。「老害廃絶」って。
青木:オレらが求めていることはそうじゃないんだよね。よく「世代間対立」といわれるんだけど、別にオレらはオレらで思いがあるし、お年寄りはお年寄りで思いがあるわけだから、お互いに意見を出し合って妥協点を探ればいいと思う。
また、メディアも世代間対立を煽りたがるんだ。オレが「高校生100人×国会議員」の討論会を開いたときも、記事のタイトルで“若者が老人にモノ申してる”感を出そうとする。あれはやめてほしい。
いろいろな大人と接してきて感じるのは、60代以上のおじいちゃん、おばあちゃん世代って、意外とオレたちに優しいんですよ。孫世代だから。逆にオレらの親世代や30代ぐらいの人たちのほうが厳しい目を持っている。
Tehu:ボクらを「ゆとり世代」というのも、そこらへんな気がする。50歳ぐらいまでかな。
とはいえ、お年寄りと仲良くしても、ボクらとは意見がぜんぜん違うんだから、お年寄りに政治を任せてしまってはいけないわけです。
青木:いやあ、そうです。
Tehu:いま政治的に不安定なこともマズいですよね。総理は「若者がんばれ」って言うけどさ。
青木:政治がうまくいかなかったら、みんなバイバイじゃないですか。「おまえら、がんばれ」ってオレら背中叩かれるだけ。え? もう手札ないじゃん、みたいな。
Tehu:もちろん、ボクらもがんばるけどね。
青木:むちゃくちゃがんばりますよ、オレらは。
Tehu:だけど、あなたたちもがんばりなさいよって。50代、60代の逃げ切り世代にも、ちょっと責任を負わせたいわけです。
Tehu:でも、いまの10代は自分の意見を堂々と言う人が多いけど、大人とコネクションを作らないよね。ボクらは作ってるけど、ほかの10代は大人と手をつなぎにいくヤツがあんまりいない。
青木:横のつながりばっかり意識して、縦のつながりを持とうとしないよね。横のつながりのまま、ステップアップしていこうとしている。オレは横と縦がマッチングして、初めて先が見えてくると思っているんですよ。横だけでつながっていても前に進まないけど、大人と組んで縦にもつながると、三角形になって一気に進む。
──10代が横だけでつながるのは、目的よりも仲間意識が最優先ということ?
青木:そうです。だから、学生の間で発展途上国支援が異様に流行るんです。それって、横のつながりだけでできるから。縦につながらずに横でグループになって、発展途上国に行って「手伝います」って言えばできちゃう。しかも、それって上から目線なんです。「オレらがやってやる」って。
そういう活動を就活でアピールしたりするのが、もうナンセンスで……。本質的に社会を変える意識がないんですよ。学生団体も横だけのつながりでサークル化しちゃってる。
(略)何かしたいという意識はあるんだけど、小さいコミュニティの中でちょっと有名になればそれでいい。ツイッターのフォロワーが1000人ぐらいだと、「あの人、マジすげえ」みたいな。オレは10年後、20年後の社会をオレらが担っていくんだから、社会をどうしたいかという話をしたいのに、みんなそういうことは考えていない。本当に社会を変えたいと思っている人がなかなかいない分、Tehu君と話が合うんです。
Tehu:やっぱり大人と手をつながないとダメですよ。
意見の内容や意見を述べる人の立場に嘘や偽りがあってはなりません。このことは、大人でも子供でも、どのような世界のどのような場面にあっても変わらぬ普遍の原則です。いっとき人を欺き出し抜くようなことはできても、結局『詭道は正道にかなわぬ』ものです。などと書いている。
それでも、好奇心や見栄に負けて過ちを犯してしまったら、行動を改めればよい。
小学4年生と偽った大学生も「そのアイディアやエネルギーを強くて明るい将来に向けてほしい」と心から願います。
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