2014/08/02

EWIと蛍


EWI5000は毎日少しずつ研究している。
詳細は⇒http://ewifan.com/ewi5000.htmlに書いた。

僕はなぜEWIにこれほど執心するのか?
ひとつには、人生の最後のほうでようやく出会った「メロディを思うように表現できる楽器」だからだ。
生の管楽器や擦弦楽器でできればそれに越したことはないが、自分の人生の中ではできなかった。
根性が足りないと言えばそれまでだが、管楽器や擦弦楽器を一流レベルでマスターする(超一流でなくとも、人を感動させられる演奏ができるレベルに達する)には大変な努力と時間が必要で、それと引き替えに諦めなければならないものもあるような気がする。
EWIはずぼらな人間にとっては本当に救世主のような楽器だ。

もうひとつは、僕にとってはやはり音楽の神髄はメロディであり、ギターや歌のような手段ではなく、メロディを純粋に表現できる道具を選ぶべきだと思っているからだ。
メロディは言語であり、それ自体に意味がある。
でも、世の中のほとんどの人たちは、音楽は「音」だと思っている。音楽の感動とは音を聞いて感動するということ……という解釈になんの疑いも持っていない。

今鳴っている音がすべてではなく、メロディそのものに意味がある──音が鳴っていない状態でもメロディには価値があるという価値観を突き詰め、体験するための一つの手段が、僕にとってはEWI、ということだ。

文章を原稿用紙に万年筆で書くか、テキストエディタでデジタルデータを打ち込んで記録するか……というようなことはどうでもいいことで、作品の価値は文章の内容そのものにある。
同じようなことが「メロディ至上主義」としての音楽には言える。
僕はメロディを作っている。社会的に成功しなかった以上、それを自分ひとりで記録しなければならない。その道具としてEWIというものを見つけた。ただ、そういうことだ。

僕がこうこだわることによって、僕が作る音楽に感動する人が減っても、あるいは去って行っても仕方がない。
この信念は、人生が残り少なくなっている今だからこそ、しっかり持ち続けなければ、と思う。
頑固爺さんになってきたってことですかね。

ごくごく少数だが、このことを分かってくれている(んじゃないかと思える)人もいる。
「よしみつはやっぱり単音、ロングトーンで作る音楽が向いている」と。
親父もそんな意味のことをさらりと言っていた。
そうした一言が、今の僕にとってはどれだけ救いになっていることか。
なにせ否定されることばかり、四面楚歌に近い中で続けようというのだから。

夕方、指を怪我してから久々に涼風号MarkIIに乗って外に出た。
まだ中指、薬指に力が入らないので、前輪ブレーキがほとんどかけられない。ゆっくり進む。

胴体が黒いやつと緑色に光っているやつがいるが、雄雌の違いらしい


復活の沢の畔に、こんな黄色い花が咲いていた


これに似たえげつないピンクバージョンのやつが玄関前にあるなあ


↑この左のやつ。似ているが同じ種だろうか


道路拡幅工事でつぶされた蛍の沢


暗渠の先に、少しだけ残った土に触れる沢。数メートルというところか


この部分に残っていた沢に蛍が棲息していたのだが、これだけつぶされるともういなくなるだろうな

2014/08/03


今日もEWI5000と格闘中。EWI用のストラップはいいのがない。サックス用をいろいろ買ってみたが、どれもしっくりこない


夕方、また復活の沢のチェックへ。用水路の壁に張り付いているカエルたち


拡大してみると……これはツチガエル。いまだにこの狭いエリアでしか確認できない。まさに絶滅危惧


このへん、大谷石でできた蔵があちこちにある。贅沢だなあ


これが今暮らしている日光市の風景


ぐるっと一周して戻る頃、日光連山の向こうに日が沈む

2014/08/04


ゴミの日なのでゴミを出しに行く。ごみステーションのそばにいろいろ咲いている


これも次の自治会草刈りデーまでの命


隣の空き地に咲くヒルガオ


その後、歯医者へ。
そろそろ検診しましょうと葉書が来て呼び出されるのだが、引き継ぎがうまくいっていなかったようで、いきなりレントゲンを撮られ、その後「今日はどうされましたか?」と。
歯茎が下がってきているので麻酔を打って歯茎の中の掃除をしましょうと言われたが、なんだかなあ。

歳を取れば歯茎はどんどん下がってきて、歯槽膿漏になり、歯が少しずつ欠けていく……ということなのだが、まあ、衰える肉体って、つくづく寂しい。
指の怪我がなかなか治らないのも歳のせいだろうし、どよ~んとして家に戻る。

今日のオマケ

宗教と物理学

般若心経の超現代語訳というのが出回っているらしい。
ちょっと雑すぎるし、だいぶ違うんじゃないかな~と思う。
そこで、改めていろいろ見ていたら、このページがとても面白い。質量保存の法則とか、カタカムナとか、いろいろなものに通じる。

完全なものは永久に続かず、時間の経過とともに堕落する
これは般若心経のテーマですね。
現代物理学で言えば、エントロピーは増大する。

エントロピーは小さいほどいいから、自然にさからってエントロピーを減らすことを、反エントロピーという用語で表すことにする。
子供は反エントロピーを増やす能力に乏しい。
座敷をおもちゃなどで散らかし、畳や壁をよごす。
主婦はおもちゃを片付け、座敷を掃除し、よごれを拭う。
彼女らは自然の傾向に逆らって、反エントロピーを大きくしている。
洗濯も同じである。

反エントロピーの増加は、いわゆる仕事と呼ばれているものの中にだけあるわけではない。
中国からのゲームで、はじめ配られる13(4)枚の牌は、普通には極めてエントロピーが大きい。
(たまたま、はじめからエントロピーが小さいときには、天和とか地和とかいって大そう珍重する)
ゲーム開始と同時に、4人のプレーヤーはせっせと反エントロピーの増加にはげむ。
14枚の牌がきめられたエントロピーの極小値(必ずしも最小値ではない)に達したとき上がりとなる。
このときの極小値の値が小さければ小さいほど点は高い。
(都筑卓司:マックスウェルの悪魔、講談社ブルーバックス)

自然現象は煙が拡散するように秩序が崩れて、混沌とした状態になっていく。
つまり自然現象ではエントロピーは増大する。
しかし、人間は上にあげた例のように、エントロピーの小さい状態をわざわざ作り上げたりする。
(時には徹夜までして)

人間の力こそがエントロピーを小さくするとなると、仏教も末法を救うのは人間自身かもしれない。
こういう考え方が近代欧米流の考え方であろうか。

……筆者は岩手大学で土木工学を専攻している教授らしい。
こんな先生に学べる学生はラッキーだな。

還暦ともなると、アートの世界だけでなく、こうした宗教哲学的世界に傾倒していく。
自分を構成しているもの(物質)が緩んでいき、消えた後の世界において、何かが残るのか? まったくの無なのだと覚悟した上で、小さな価値(例えばメロディの美)にこだわりぬく人生には何らかの意味があるのか? あるとしたら、その意味は自分にしか意味のないものなのか? 云々……





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