久しぶりに新刊が出る。
『デジタル・ワビサビのすすめ ~大人の文化を取り戻せ』(講談社現代新書 4月刊)で、今、初稿ゲラを戻したところ。
現代新書は『日本のルールは間違いだらけ』が売れなかったので、次を出すのは厳しいだろうなと覚悟していたけれど、もう一度チャンスをもらえたことに感謝。
本を出すときはいつも「これが最後の本になるかもしれない」と思って書いている。今回もそうで、なんとか次につなぎたいから、とっても苦労して書いた。大きな書き直しだけで4回やっている。
プロフィール写真とプロフィールの原稿を送るために、前著『日本のルールは間違いだらけ』を、文字数を確認するために手にしたのだが、パラパラとめくっていたら面白くてついつい立ったまま読みふけってしまった。
こんなに面白かったんだなあ……この本……と、我ながら思うのだが、売れなかったなあ。
本というものは中身がどんなによくても売れないのが普通で、売れる本はよほど運がいいというか、タイトルが時代の空気にうまく合致したり、何かの拍子にマスメディアで話題になったりしたときに売れる。
『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社現代新書)は売れた。5万部近くいった。これはみんなが抱いていた「もやもや」にうまく訴えるタイトルだったからだと思う。
その点、『日本のルールは間違いだらけ』はタイトルがまともすぎたのだろう。
『福知山線事故は大隈重信の責任?』というようなタイトルにでもしておけば、もう少し善戦したかもしれない。
もちろんもっとひどい結果だったかもしれないのだけれど。
今回、本棚から抜き取ってカバー中折れ部分の文字を見たとき、あれ? これって他の本の宣伝か? と一瞬思った。↓
「人名漢字にみる国民性」ってなんのことだろう……と。誰か他の人が書いた本の告知かと思ったのだが、この本の中身の抜粋だった↑
その部分を開いて確認してみた。


……これは「糞太郎という名前」というセクションあたり。面白いなあ。
ついでに「福知山線事故は大隈重信の責任?」というセクションのあたりのさわりも……↓

↑このイラストはとてもよく描けている。分かりやすい。
残念ながらこの本は先日裁断処分が決まって絶版になった。電子書籍版はあるのだが、古書が7円で売られていて、古書を買ったほうが送料(250円)を入れても安い。
それでも、「本は前に買って面白く読みましたが、データとしてほしいので電子書籍版を新たに買いました」というありがた~い人もいる。
そうね。この本、出てくるデータが貴重で、パッと確認したいときにデジタルで保存されているといいかもしれない。
こんなクイズも載っていた↓
【問題】次の30の漢字のうち、常用漢字ではない漢字はどれか?(複数回答可)
嵐・岡・柿・熊・栗・虎・頃・鹿・尻・亀
誰・鶴・瞳・丼・奈・梨・謎・藤・枕・蜜
遵・殉・恭・璽・匁・虞・朕・謁・彰・顕
答えは……ネットで調べればすぐ分かるね。今の時代は……。