2013/04/29の3
オオカミ池のカタストロフィ

帰ってきたら、ちょうどご近所の渡辺さんちで、娘さんのお友達家族とのバーベキューが一段落したところ。
「カエルのおじちゃんが来たよ」との掛け声で、5人の子供たちが一斉にやってきた。
一人二人ならなんとか制御できたかもしれないのだが、いっぺんに5人は無理。
いちばん年上の5年生の男の子(妙に大人びた喋り方をする)の質問攻めに答えている間に、1年生の女の子3人と小さい男の子ひとりがあっという間に池の周りを乱舞している。
あ~、そこ、花、踏んでる! あ~、そこ危ない! 池の縁、近づかないで、崩れるから! ……と叫ぶ間もなく、突然の嵐が吹き荒れたのでした。うわ~~……。

あ! そこ、ちょっと……!

言っている先から、おいおいおい、嘘だろ~~(泣)

落ちた男の子を引き上げている間にも、他の子たちは勝手気ままに……

え? なになになに……

庭のどこかから小さなアマガエル二匹を捕まえてきて、何度も何度も池に放り投げてはつついて遊ぶという、カエルにとっては地獄のアトラクション開催……
お手上げ。
降参。
なすすべなし。
早く収まって……と祈るだけ。
子供たちがようやく引き上げていった後のオオカミ池は、さっきまでの平穏な光景とは一変して、茶色く濁って何も見えない水たまりになっていた。
遮水シートはごく薄いから、あそこに両手両脚ど~んと突き刺さって穴が空いているんじゃないか。となれば、水は抜けてしまい、オタマがすでに孵化しているので修復も難しい。
いやはや、頭を抱え込んでしまった。

こちら、さんざんつんつんとつつかれまくっていた救出してきたばかりのシュレの卵塊。
この卵塊の中でうまくオタマになったタイミングで水の中にオタマを移すのが至難の業。
孵化して、卵塊の中でオタマが育つ間は、卵塊が水浸しでも乾燥してもダメ。これが本当に難しいのだ。
シュレの卵を水に浮かせたままにしておくと、やがて溶け出して腐ってしまう。これは川内村で何度も失敗した。
わた状のものに水を含ませてその上に置いたこともある。すると、最初に孵化した小さなオタマが水を含んだわたに絡まってしまい、そこから剥がせなくなる。孵化したばかりのオタマはものすごくひ弱で小さいから、指で直接触ることなど到底できない。
結局、川内村では、部屋の中に入れて、卵は直接バットに入れ、観察しながら霧吹きで水を吹いて様子をうかがい、卵塊の中でオタマが動くのが確認できたら水を入れる……という方法に落ち着いていたのだが、今回は上下を土でサンドイッチして、なるべく自然の状態に近い環境を再現してみることに。
家に持ち込むとのぼみ~が絶対に手を出すからね。四六時中見張っているわけにもいかないし。
いつ孵化してきても大丈夫なように、バットの半分に土を入れ、半分には水を少し入れておく。ものすごくデリケートな「保護」だなあ。
さて、うまくいくだろうか……。
それよりも、大惨事にあったオオカミ池は無事なのだろうか。なにせ、卵塊の真上に派手に落ちてくれたからなあ。
夜、心配で見に行った。
水量はあまり減っていない。遮水膜は無事だったのだろうか?
でも、昨夜まで毎晩、数匹必ず池の縁に顔を出していたカエルの姿がまったく見えない。ショックだったのだろうなあ。
こりゃ、とてもこんなところに棲んではいられないと逃げ出したのか……。

夜中、水量をチェック。大丈夫?
2013/04/30

一夜明け、4月も最終日。
朝、起きてまっ先にオオカミ池の様子を見に行った。
水が抜けてオタマがひくひくしていたら大ショックだが、なんとか無事みたいだ。
小さな穴くらいは開いたかもしれない。そこをベントナイトがうまく埋めて、今のところは辛うじて大丈夫なのかもしれない。もう数日は気が抜けない。
踏まれていた菫やリュウキンカもなんとか持ちこたえて、残った花がけなげに咲いていた。ま、自然界ってのはそういうものだな。
過保護にしてもよろしくないだろうから。
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