2013/04/15
復活の沢 再々復活
ちょっとした誤解などもあって、上流側を止められてしまった復活の沢。昨夜、突然「再開してもいい」と連絡があったそうだ。
午前中、とりあえず様子を見に行ってみると、すでに上流の土嚢はどかされ、しかも川からの取水バルブはかなり大きく開かれていて、水が今までの何倍もの量流れていた。
で、しばらく止められていてU字溝内に溜まっていた落ち葉や泥などの堆積物が一気に流れてきたので、沢の流入口で溢れそうになっている。
慌てて本格的な三つ目鍬(というらしい。今調べた)を取りに戻り、再出動。昼飯前になんとか堆積物を掬い上げた。
取っても取っても上流側からどどど~っと落ち葉、枯れ枝、泥が塊になって流れてきて流入口に溜まる。
何回繰り返したことか。
ようやく落ち着いたかなと見定めて、さらに下流側に向かってつっかえているところを取り除き、とりあえず飯に戻った。

上流から流れてくる堆積物をせっせと除去
午後、また詰まっていないか確認に。
きれいに流れていた。
で、改めて沢の周辺の様子などを観察する。
上流側が止められ、ツチガエルのオタマが確実に越冬しているであろう水たまりは干上がってしまったのだが、そこにもたっぷり水が溜まっている。上の沢から沁みだしているのだ。
止められている間も、流入口の先に積んだ土嚢から先、本来、水が流れていないU字溝に、常時水が少し溜まっている区間があった。傾斜がここでほとんどなくなっていて、雨水などがいつまでも溜まっているのだろう。でも、その先はきれいに干上がっている。
この水が常に溜まり気味の短い区間の堆積物を網で掬ってみると、ツチガエルや甲虫類、タニシ、そしてハゼに似た小さな魚などがごそごそ入ってくる。周りに水がなくなった冬の間、こういう生物は、ほんの少しでも水が残っている場所に集まって、じっと息を潜めているのだろう。
夏の間、圧倒的な数になるトウキョウダルマガエルはまだ姿を見せない。逆に、夏には見つけるのが難しいツチガエルが、この季節はこういうところに集まっているのだと分かった。
何回か網で掬ったところ、ツチガエルが10匹近く、ニホンアカガエル1匹、ニホンアマガエル1匹。正体不明の小さな魚数匹を確認。
こんな感じで、U字溝にわずかな水たまりが残っていた
この小さな魚はなんだろうか? ハゼっぽい顔だが……

腹を出しているが死んではいない。元に戻すと死ぬ確率が高いので、復活した沢のほうに移した

このわずかな水が溜まった区間に、水が必要な生物が寄り添っている

こんな田舎でも、水たまりがどんどんなくなっている現代社会

それにしてもこれはなんだろう
水棲生物たちにとってのサバイバルはどんどん厳しくなっている。
U字溝にわずかに水が残った数メートルの区間という、こんな劣悪な環境でも、水が溜まっている場所が他にはもうないのだから、生き物たちはそこに集まるしかないわけだ。
ちなみに、ツチガエルは栃木県レッドデータブックでは絶滅危惧種II類に指定されている。
去年、涼風号に乗って、ずいぶんくまなくカエルを見て歩いたが、この周辺でツチガエルを見たのは、この復活の沢のごくごく狭いスポットだけだった。他の田んぼなどでは1匹も見ることができなかった。まさに絶滅危惧種。
そのツチガエルが、こんな劣悪なU字溝の、わずかに水が残った場所でじっと耐えて生き延びている。切ないなあ。
オオカミ池を造ったのは、水棲生物のシェルターをひとつでも増やしたいという思いから。
オオカミ池のようなちっぽけな池でも、1年を通じて水がある場所というのは本当に稀少なこと。
戻ってきて池を見る。ぼ~っと池を見ているだけで、時間が経つ。

アマガエル

石の島に登れないようだ

夜にも気になって見に来る。夜のオオカミ池
明日は川内村へ行く予定。池はどうなっているだろうか……。
↑本日のお勧め
★初期の短編集。じわっとくる逸品がいろいろ。
このページの写真はフジフィルムのXF1で撮っています
更新が分かるように、最新更新情報を年度別indexに極力置くようにしました⇒index
たくき よしみつ 新譜・新刊情報
新・マリアの父親
アマゾンKindleでたくきの過去の作品がほぼすべて読めます














音楽アルバム『ABUKUMA』
「福島問題」の本質とは何か?
|
『3.11後を生きるきみたちへ 福島からのメッセージ』(岩波ジュニア新書 240ページ)
『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言
第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる
■今すぐご注文できます
で買う
⇒立ち読み版はこちら
|
|
『裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす』(講談社 単行本352ページ)
ニュースでは語られないフクシマの真実を、原発25kmの自宅からの目で収集・発信。驚愕の事実、メディアが語ろうとしない現実的提言が満載。
第1章 「いちエフ」では実際に何が起きていたのか?
第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
第4章 「奇跡の村」川内村の人間模様
第5章 裸のフクシマ
かなり長いあとがき 『マリアの父親』と鐸木三郎兵衛
■今すぐご注文できます
で買う
⇒立ち読み版はこちら
|
↑タヌパックの音楽CDはこの場で無料試聴できます
Flash未対応ブラウザで、↑ここが見えていない場合は こちらへ
ガバサク流が推すデジカメ フジ XF1 パナソニックLX7、LX5、ソニー RX100、フジ X-S1
詳しくは⇒こちら
狛犬ネット入口目次へ
|