2013/03/09

高知へ(その3) 講演会「裸のフクシマ」


ホテルは快適で、よく眠れた。
朝食はホテル提携のカフェと和食のお店のどちらかで食べるようになっていて、和食の店のほうを選んだ。
ドリンクバーとサラダバーがついている。このサラダバーがなかなかで、トマトがとてもおいしい。葉っぱの類もちゃんと味がする。いつも食べている野菜はなんなんだ、というほどの違い。
しかし、昔の野菜はみんなこんな風に味がしたよなあ。いつから蝋作りの食品サンプルを食べているみたいに味のしない野菜になってしまったのか……。
高知は、実は魚以上に野菜がおいしい場所なのかもしれない。

講演会会場へ向かう。アーケードの中ではトマトサミット?


会場はビルの7階。控え室の窓からはお城が見えた


心配していた人の入りは百人を軽く超えて、予想以上


主催の高知ソフィア会・会長さんの挨拶でマイクが入っていなかったという小さなミスはあったものの……


大きなトラブルもなく……


というか、「大きなトラブル」の話をしているわけだが……


四国や九州は「フクシマ」の放射能の影響はほとんどなかったので、やはり危機意識がとても薄いように思えた


質問者もおひとりだけだった。とてもいい質問だった。難しくて答えられなかったけれど

講演会にはいろいろなかたが来てくださった。
始まる前、控え室に現れた女性は、「五木寛之の夜(ラジオ番組)で初めてたくきさんを知って、あのときにリスナープレゼントでCDをいただいた者です。百合丘のKAMUNAのコンサートにもお邪魔しました」とのことでびっくり。
「太られましたね」と言われて、大苦笑。
そうねえ、KAMUNAの初ライブのときよりはだいぶ太ったかなあ。
聞きそびれてしまったが、まさか高知県外からこの講演会のためにいらっしゃったとか??
『マリアの父親』にサインを。

もう一組。2005年に高知県から福島県の矢祭町へ移住し、福島に永住することを決めて小白井(ウィンドファームがあるところ。我が家から車で10分くらい)に家付き6町歩の土地を購入して、矢祭町から引っ越ししようとしていたときに3.11になって、9歳、6歳、2歳の娘さん3人を連れて高知へ避難してきた、というご夫妻も。
今は、四万十に空き家を紹介してもらって暮らしているらしい。
「フクシマ」がなければ、今頃、阿武隈でご近所同士、楽しい交流をしていたかもしれない。
3人の娘さんたちにカエルのことを教えたり……。
小白井に6町歩の土地といったら、獏原人村に匹敵する桃源郷の構築も夢ではなかったかもしれないし。
そうすれば、風車にも負けず、小白井~タヌパック阿武隈~獏原人村というラインが描けて、楽しい阿武隈生活ができたかもしれない。実に悔しい。

福島は本当に大切なものをいろいろ失ったものだ。
福島の自然に惹かれて日本全国から集まってきた人たちをいっぺんに失ったことは特に大きい。
これからの福島の暮らしや自然を守っていったであろう人たち、福島の自立経済を支えていくことになったであろう人たちを、長い時間かけて呼び入れたのに、一瞬にして失ったのだから、これは本当に痛い。
なんとも辛い話だ。


そのご夫婦も交えて、スタッフとしばしお茶を飲んで、外に出ると、「おきゃく」と呼ばれる宴会イベントがあちこちで


今までしていた深刻な話と、会場の外のこの空気感のギャップがすごい。
それにしても、通路の真ん中に卓を並べてひたすら宴会する光景は、なんとも不思議空間。
飲み過ぎて大騒ぎしている人はいない。なんか、淡々と、粛々と??宴会をしているという感じ。
しかも、花見とか花火とか、何か添え物があるわけではなく、普通の商店街の通路でやっているわけで……。
首都圏や東北ではちょっとありえないかなあ。
大阪ではどうなんだろう。大阪だと、もっと派手に騒いでいる酔っ払いがあちこちにいそうだが、ここではそういうこともなく、大声も聞こえない。
本当に不思議な光景だ。

このページの写真はフジフィルムのXF1で撮っています

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『裸のフクシマ』以後、さらに混迷を深めていった福島から、若い世代へ向けての渾身の伝言

第1章 あの日何が起きたのか
第2章 日本は放射能汚染国家になった
第3章 壊されたコミュニティ
第4章 原子力の正体
第5章 放射能より怖いもの
第6章 エネルギー問題の嘘と真実
第7章 3・11後の日本を生きる

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第2章 国も住民も認めたくない放射能汚染の現実
第3章 「フクシマ丸裸作戦」が始まった
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