YouTubeには、今、電力会社の原発プロモーション広告などがいっぱいアップされている。
こんなに金を使って原発のクリーンさや経済性をPRしてきた電力会社は、今回の件をどう説明する気だ、という気持ちからだ。
メモとして書いておきたい。
- エネルギー産業のような基本的なインフラは、ビジネスになってはいけない。それによって儲けていいものではないからだ。
- 基本インフラは、放っておいても、いちばんいい方法に落ち着くはずだ。原発がいちばんいい方法なら、なぜ金をかけて「クリーンです」とPRしなければいけないのか。莫大な金をかけて広告しなければいけないということ自体が、すでに嘘をつかなければ成立しない事業だということを証明している。
- 原発における最大の罪は、大量被曝する労働者がいなければ維持できないシステムであるということを隠していることと、出てくる放射性廃棄物の管理を次の世代の人間に押しつけていること。その罪は、発電コスト計算にさえ含まれていない。
原発に限らず、大量広告というものに接するたびに、僕は常に違和感を覚える。
例えば大量の広告を出している健康食品の類。本当にいいものなら、宣伝しなくても口コミでじわじわ広がる。本当にいいものなら、そんなに大量生産ができるとも思えない。ちょうどいい規模というものが必然的にある。
ニホンミツバチの蜂蜜は稀少なので、インチキ商品が大量に出回っている。ニホンミツバチの蜂蜜がどれだけ健康によいものかは僕は分からないが、よいものだとしても、宣伝すればするほど大量に売れるような性格のものではない。
異様な量の広告に接したら、警戒したほうがいい。
本当にいいものなら、きっかけさえ与えてやれば、つまり、最初に少し知ってもらうことができれば、あとは自然に広まり、評価が定まるはずなのだ。
原発CMに出ているタレントや有名人に払ったギャラで、バックアップ電源の充実をしていたら、今回のような無様なことは起こりえなかった。
電力のようなインフラ事業にイメージ広告を許すことがおかしい。ましてや、ニュース番組のスポンサーにさせることはもっとおかしい。