2011/02/20

こっそり7

例の「ふるさと林道」の工事が終わり、林道は終点まで完全舗装になった。
誰も通らないその舗装道路を、ほぼ毎日のようにジョンと歩く。
沢の流れが一部変わり、アカガエルが棲みついていた水たまり2箇所が消えてしまった。
水が抜けた凹みには、作業員が捨てていった空き缶やゴミが残っている。
消えた水たまりはしっかりコンクリートで水路が造られてしまい、もう一度水たまりとして復活させるのは無理そうなので、別の場所に代わりの水たまりが形成されないだろうかという目で周囲を観察しながら歩いている。
先日から目をつけているのがここ。
2箇所の沢が合流するところに、三角州のように湿地が形成され始めていた。
大雨が降ればたちまち呑み込まれてしまいそうだが、この感じはヒキガエルの産卵場所になりそう。
ほんのちょっと手を入れて、湿地部分がより明確になるようにしてみた。後は自然に任せる。

2011/02/21



翌日、またチェックしてみる。昨日よりちょっとだけ水たまりらしくなった。今はいい感じなんだけど、極めて不安定な環境ではあるなあ。
大雨で沢が増水すれば、オタマはたちまち流されてしまうだろう。
それでも、カエルにとって貴重な産卵場所が2箇所も消されてしまったことを思えば、ないよりはずっとマシ。


こんな感じの場所

この周辺、ジョンと一緒に山のかなり深いところまで入り込むことがあるが、水たまりや沼がない。
平伏沼と下川内の国道399沿いにはモリアオがいるのに、その間にあるこの山近辺にはいないのは、単純に水たまりがないからだ。
道路工事のたびに水たまりや湿地を消してしまっているのだから、その分、カエルや水棲生物の棲める環境を作ってやる必要がある。
ここは「こっそり7」と名づけておこう。僕がこっそり観察し続ける場所。「7」は「しち=湿地」の意味。池とか沼とか呼ぶにはあまりにもささやかで、危うい代物だから。
この春、ヒキガエルが産卵しないかな。いかにもヒキガエル好みの場所なんだがなあ。沢に近すぎるかな。

とにかく、工事をするにしても、沢を極力コンクリートで護岸せずに、天然の石を並べたりして自然の風景に同化させてほしい。その際、石の配置も、カジカガエルが好きそうなレイアウトにするとか、そういう気配りができないものなのかなあ。
段差を作って岩魚や山女が登れないようにしてしまうのは論外。
今までなんとなく土がクッションになって調整していた場所がことごとくコンクリート水路やヒューム管でストレートにつながれてしまったことも心配。大雨で崩れそうな場所はすでに分かっている。素人目に見ても、舗装路そのものが水路になって大量の雨水が流れ、ここに集中するだろう……と思える場所がある。
この予測が当たるのは、そう遠い日ではない気がする。

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