柏木玲子の『Prelude』新バージョンを、悩んだ末にMusicoで購入した。
157円。

それはいいのだが、問題はWMAファイルであるということ。
購入しようとすると、こんな注意が出る↓
まず、多くの人はこの注意画面が出た段階で購入をやめてしまうのではないだろうか?
iPod、iPhone、iPaD、walkmanでは再生できませんというのでは、じゃあ、何で再生すればいいのか、ということになる。
要は、Windowsの最新バージョンMediaPlayerで再生せよというのだが、MediaPlayerを音楽鑑賞のメイン再生ソフトとして使っている人が世の中にどれだけいるだろうか。
パソコンには安いプラスチック製のスピーカーがつながってはいるが、普段音楽を聴く手段としては、携帯用メモリプレイヤーやカーステレオ、あるいは本格的なオーディオ装置という人が多いと思う。
僕はWindowsパソコンを音楽再生装置として使っているが、MediaPlayerは使わない。重いし、使いづらいからだ。
それでもこの楽曲ファイルを購入しようと思った時点で、MediaPlayer で再生した音をライン入力でデジタル録音機にアナログ録音して、その録音したファイルをMP3に変換してカーステレオ用のSDカードに転送して……という面倒な作業を覚悟している。
これは相当な覚悟といえる。
ところが、あろうことか購入して、ダウンロードしたファイルがMediaPlayerで再生できなかった!
MediaPlayerのバージョンは10で、以前にテスト的に購入したWMAファイルは今でもちゃんと再生できる。ところが、今回購入したファイルは「予期せぬエラーが起きました」とかで再生できない。「予期せぬエラー」だから、それ以上の説明もしてくれない。
ネット上でいろいろ検索していくと、次のような説明に行き当たった。↓
加工しやすいように、WAVで録音したが、元が128kbpsのWMAなので、音はよくない。これをいつも使っているSoundEngineに読み込ませて、前後の無音部分を切り取り、ノーマライズ処理で音量を適正化し、MP3に再変換する。
これでようやくメモリプレイヤーで聴けるようになった。iPodなどで聴く場合も、DRM付きのWMAファイルのままでは聴けないため、このような変換作業をしないといけない。
おそらく、ここまでやる人はほとんどいないと思う。DRM付きWMAであると分かった時点で、購入そのものを見送ることだろう。
なんのためのデジタルなのかと言いたい。アナログ時代のような手間と時間をかけずとも、誰もが簡単に、いろいろな環境で音楽が楽しめるようになったのではなかったのか。こうした嫌がらせのようなコピーガードをして、音楽鑑賞環境を圧迫してなんの得になるのか。音楽業界のためにもならない。
アマゾンMP3が日本でも販売を開始し、iTunesストアもDRMなしのファイル販売に移行していっている。従来のDRM付きWMAファイルを配信している業者は消えていくかMP3への転換を余儀なくされるはずだ。
最終的には最初からDRMをつけない高音質MP3を配信するアマゾンと、iPod、iPaD、iPhoneでユーザー囲い込みにすでに成功しているアップルが寡占状態になるのではないか。
念のため断っておくと、今回やっているDRM付きWMAファイルを再生しながら録音機で録音し、それをMP3に変換するという行為はなんら違法行為ではない。「デジタルコピー」ではないし、個人の使用範囲内だからだ。
パソコンの再生出力端子から出てきた音声はアナログ信号であり、それを再びデジタル録音したところで「デジタルコピー」ではない。だから、何回までコピーできるといった制限も一切受けない。
デジタル(元のWMAファイル)⇒アナログ(再生出力)⇒デジタル(録音機に生成されるファイル)⇒デジタル(WAVをMP3に変換)と、何度も変換を経ている。DAとADを経ているので、厳密に言えば音質は変わっているが、所詮、大元が128kbpsの圧縮ファイルだし、これを聴くのはカーステレオなので、全然関係ない。
これで決着かと思いきや、後に残ったのはあちこちにエラーが生じたパソコン。MediaPlayerをバージョン11にアップデートした際に今まで存在していたDLL類などを勝手に削除したようで、CDexなどのソフトが起動時にエラーを出すようになった。APIファイルを再インストールなどしてみたがエラー表示は消えない。
まだ再作動チェックをしていないが、うんざりだ。