何時間もかけて往復したけれど、収穫ゼロ。生気があまり感じられない森だった。
国道まで戻り、家に帰る前についでだからチェックしておこうと、見過ごし沼へ。
1つ2つ増えたかもしれない。10個はある。どれもいい感じにぶら下がっている。前に見たやつのいくつかは、雨で溶けていた。オタマは無事、下の沼に落ちただろうか。

ところが、その後にチェックした関守沼がショックだった。
きれいにぶら下がっていた2個の卵が見あたらない。下に落ちた形跡もない。
誰かが取ってしまったのだろうか?
相当高い枝に産みつけてあったので、よほどのことをしないと届かない。となれば、高枝切りばさみのような道具を持ってこないと無理だろうし、とても素人?とは思えない。
そうだとしたら、えげつないことをするやつがいるものだ。
そういえば、去年も、道路に干からびた卵の残骸のようなものが落ちていたのが気になった。自然に落下するような場所ではないところだったからだ。
関守沼は見過ごし沼よりよほど分からない場所にある。以前からここを知っている人間の仕業だろうか。
水のないところに落ちていたり、下に水がないところに産みつけられていたりする卵は回収して救ったほうがいい。そのままにしておけば死滅するのが分かりきっているから、少しでもモリアオの数を減らさないようにするためには、人間が手を貸すことも必要だと思っている。
でも、きれいに樹上に産みつけた卵は、見て楽しむだけにする。これが基本。
ちょっと暗い気分で帰り道についたところで、車の前に大きなカエルが飛び出してきた。
一目でモリアオガエルだと分かった。緑色でこんなに大きなカエルは他にいないから。
道のど真ん中で止まったまま動かないので、すぐにカメラを持って車を下りた。
おお、モリアオだよ。しかもでかい!

道路の真ん中でじっとしているモリアオ

動くなよ、と念じながら横に回ってパチリ

前からもしっかり撮る
……と、そのいいところに、あろうことか軽トラックがやってきた。ああ〜、なんでこんなときに!!
運転している人に事情を話して、しばし待ってもらう。その人も雨の中濡れるのも構わず下りてきた。
しかし、二人の大人が周りでわさわさし始めたので、モリアオは森の中に……。ん〜〜、残念。もう少し、至福の時間を楽しみたかったのに。
でも、この人としばしカエル談義をすることができた。
この道の先の住民だという。
「うちの田圃の縁にも産んでいる」
と言うので、見せてもらうことにした。