10/04/04
穴吹家弔問
AICで一緒に書いていた、野々村さんと本田さんにくっついて、穴吹宅を弔問した。
遺言で、葬儀などは一切行わなかったとか。
遺影の前にはカメラが置かれていた。「位牌の代わりに愛用のカメラを置いてくれ。ペンタプリズムのところが△に尖っていて位牌みたいだろ」という遺言があったそうだ。

花とお面に囲まれた祭壇

デジタル額でスライドショーが……

ベランダからは桜が見えていた

遺影は本人指定で、中国訪問のときのスナップ

笑いかけてくる写真で、見つめていると涙がどうしても出てくる

ここはお気に入りの場所だったとか

「お客様には必ずお酒と食事でもてなすように」と言われていましたとのことで、ごちそうになる

シーちゃんは右目が白内障で見えないらしい

京都の筍。美味でした<(_ _)>

筍ご飯まで……これまたとても美味でした<(_ _)>
夫人のお話では「たくきさんには電話をかけたようなんです」という。電話は受けていないので、変だなあと思っていたら、原因が分かった。ケータイに残された履歴を見ると、080-で始まる僕のケータイ番号を、間違えて090-でかけていた。2月17日、夜9時32分、通話時間18秒。090-以下が同じ番号の人が出て「番号違いですよ」と答えたのだろうか。そのやりとりが18秒……。
悲しい。
2月17日の夜、僕は何をしていただろう。
日記を見ると、雪景色の写真が残されている。080と090。1つ違いで最後のメッセージを受け取れなかったことがものすごく悔やまれる。

080-を090-とかけてしまったためにつながらなかった、僕への最後の電話履歴
同じ頃、やはり電話をもらっていたという本田さんの話では、淡々と最後のお別れを告げられ、何も言えなかったそうだ。葬儀はやらないことなども、そのときに本人の口から聞かされたとのこと。
年下の僕には、何かアドバイス的なことを伝えたかったかもしれない。悔しいけれど、穴吹さんが死の直前に僕に電話をかけてくださっていたということが分かったことはよかった。「つながらなかったんだよ。残念だったな」と伝えるために、今日、僕を呼んでくださったのかもしれない。
……なんとも言えない気持ち。言葉にならない。
穴吹さん。僕はもう少しだけ、この世で頑張ってみます。まだ宿題が片づいていないんです。ほんと、もう少しだと思います。

この石に、辞世の句を刻んでほしいとのことだったとか
辞世の句は……
をとこ去り復と還らず冬川原 殷人
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