風車の大きさは、むしろ離れたところから見たほうがよく分かる。滝根の中心部、セブンイレブンと
生産者直売所「だんだん」がある交差点から見ると、遠くの山の上に異様なシルエットが飛び出しているのが分かる。風車までの距離は6km弱。これだけ離れたところからの風景の中でも、その大きさは威圧感がある。住民はみんなぎょっとしているだろう。
これが最初の1基で、これから23基、次々に建つのである。滝根から見た山並みの景観は、もうおしまいだ。
テレビでは連日、CO2温暖化という史上最悪・最凶の偽プロパガンダを垂れ流している。今日もニュースで、中部電力社員が小学校に「出前授業」して、「CO2が地球を危機に陥れている」という大嘘を「授業」として子供たちにすり込んでいることを、あたかもよきこと、望まれることとして報じている。
その中部電力の傘下にある風力発電事業者シーテックの課長が
「風力発電は発電しなくてもよい。補助金がいただけるから、建設しさえすればいい」という言葉を行政担当者などに繰り返し言っているということは、すでに書いた。
こちらを参照。
風力発電事業者も、親会社である電力会社も、もちろん経産省などの官僚たちも、風力発電が役に立たないことくらい百も承知している。税金を投入できる事業として目をつけ、補助金が集められる今のうちに何が何でも建ててしまいたいと思っている。税金だけでは足らず、ビール会社やらテレビ局やら、民間企業や一般市民からも大金を集めて風力発電会社に流している。
これから阿武隈の、普通に人が住んでいる山村が、こうしたふざけたものに蝕まれていくのを見ていくのは、あまりにも悲しく、ストレスフルだ。
人間の愚かさ、悪魔性も、ここまできてしまったのかと思うと、いよいよ人類史も最後の段階に入ったのだなと、いやが上にも実感させられる。

上の図は、CEFが川内村に26基建てようとしているGE社製2500kw風車の大きさをイメージしやすくさせるために、福島県内の代表的な建造物と並べてみたものだ。
郡山ビッグアイという高層ビルは、目下、県内で最も高い人工建造物とされている。タワー85m、ブレード直径100mの2500kw風車の全高は135mある。(GEでは、さらに高い100mというタワーも用意している。これに取り付けると全高は150mにもなる)
こういうものを阿武隈山系の村を囲むように次々に建てていこうとしているのである。
気が狂っているとしか言いようがない。
買い物を済ませ、帰り道、中秋の名月の下、最初の悪魔は、隣の巨大クレーンの警告灯の赤いライトとともに、山の上に不気味な姿を浮かび上がらせていた。
風車ファンにとっては、こうした光景も美しいのだろうか。これから先、この地に住む住民が味わうストレスと健康不安、あるいは具体的な身体的精神的苦痛を想像することができない人たちが風車を賛美し、そんなことは切り捨てればいいと思う官僚や事業者たちが風車を建て続ける。
住民はどうすればいいのか。
自分たちが収めた税金で、このようなものを無理矢理作られ、苦しみを受ける。こんな理不尽が許されていいのか。
ここには建てたばかりの立派なログハウス風の家がある。新居で家主はこれから毎日、眼前の山の上に風車が1基また1基と増えていくこの風景を見ながら、低周波健康被害の恐怖に耐えながら暮らすのだろうか。
距離は1kmもない。気の毒だが、風車が止まらない限り、最後は新居を捨てて移転ということになるのではないか。
二地域居住を推進している福島県は、この事態をどう考えるのだろう。
最初の一基が建った後、どのように風景が変わっていくかが、
⇒ここを見るとよく分かる。
こうなっていくのを見ているしかないと思うと、なんともやるせない。