09/07/23の2

納骨(承前)


鐸木家の墓は墓地の端にあり、たどり着くまでが結構大変
屍櫃(かろうと)に骨を直接入れる


お袋は墓に異様な執着を持っていた。それまで、鐸木家本家の墓にあった祖父(僕から見て。お袋から見ると、夫の父親だから義父)の骨を納めるために新たに墓を建てたのだが、それは全部、親父ではなくお袋の主導。
その際、墓相学の本を2冊買ってきて読んで(能光も読みなさい、と、読まされた)、墓石の色、形から、彫る字の書体まで細かく石屋に注文を出し、何度かダメだしもしていたと記憶している。
墓石は黒はだめなんだそうで、白っぽい石を指定。石屋さんから、白河で採れる石は白っぽいと言われて、それにしてくださいと発注したのだが、この石、どう見ても「白っぽい」とは思えない。
お袋にそう言ったら、「何言ってるんですか。これが黒に見えますか!」と一蹴されてしまった記憶がある。まあ、僕としてはどうでもいいことなので、この墓石は「白っぽい石」だということにしておこう。
そのお袋は、墓相学の本を読んだ後、「コンクリートの屍櫃はよろしくない。骨は土に帰らなければいけない」ということで、屍櫃も石で作らせ、完成後、わざわざ石屋に言って、屍櫃の底を抜いてもらった。
というわけで、この墓の屍櫃は底がなく、土がむき出しになっているのだが、上に土をかぶせるわけでもないので、納めた骨はなかなか土に帰ることはない。
この墓に骨を納められるのは、親父の両親、姉に続いて、お袋が4人目になる。

墓の前で、亡き妻が主導してこの墓を作った話をする親父


お盆が近いからか、墓地のあちこちで工事をしていた


角屋に戻って会食。出席者は11名
このお店は昔から美味なので期待が膨らむ



本日のメニュー……おお、これは堪能できそう


一人欠席したので、最初のほうはまとめて撮影できた。
右上が「柚香蒸し」。柚の皮が、パンの耳くらいの食感になるまで蒸し上げてある。ソースというかスープは豆乳スープのような味わい。これは凝っているわ。
その左下が真子鰈のお造り。蕪のように丸く盛りつけてある。
その左のオレンジ色の丸いやつが「柚子玉」。これだけでもかなりのボリュームで食べ応えがあった。
斜めに置かれた板の上にのせられているのが和風オードブル「八寸」。新生姜ご飯(ほんの一口盛り)、百合根梅肉、水菜お浸し、南瓜茶巾絞り、蔓紫じゅうねん(ごま)和え、紫玉葱甘酢漬、黒花豆、柚餅子。
どれも小さいのに丹誠込めて調理されているのが分かり、感動。
お椀は柚っこ汁。これも柚味。具がまた凝っていて泣かせるんだわ。
左下はじゅんさい、梅肉の酢の物。酢の加減が絶妙で、飲み干せる。

天然鮎の塩焼き。小振りゆえに上品な味と柔らかさ。これを特製のたれにつけて……
添えられているのはサツマイモのレモン煮と茗荷の酢付け


角屋といえば、かつては田楽のお店で通っていた
味噌はもちろん柚味噌。豆腐、蒟蒻、里芋の3品


茄子の冷製。ぴしっと冷えている
添えられているのは生姜と枝豆


天麩羅と漬け物


名物の天笙幻(てんしょうげん)と名付けられた十割蕎麦
相当磨き込んだようで、更科以上に白く上品な仕上がり
夏バージョンなのかもしれない。早く食べないと伸びる


柚シャーベット


いやあ、柚づくし、堪能いたしました。
これだけの味と内容なら、都内では軽く万札が飛んでいくお値段になるはずだが、角屋は実に良心価格なのがまた嬉しい。
福島市は駅前などはどんどん寂れる一方だが、タクシーを呼んで角屋に行けば豪華な食事を堪能できる。
福島市内に泊まることがあったら、ホテルのレストランなんかには目もくれず、角屋に直行ですね。
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