08/12/17

今日も虚しく終わった


10時37分
最後の挑戦を開始。


こうしてロッドを継ぎ足しながら掘っていく。もう何本継いだことか。
本日、最後の挑戦は69mまで進んだが、結局、どか〜〜んとは出なかった。
水は複数の層から出ているようで、いちばん上は12mあたり。下は69mまでじわじわと。

夕方、会長がやってきて相談。
「これ以上は掘っても出ないでしょう。明日はたくさん連れてきて井戸を仕上げます」
と宣告を受けた。今出ている水でも普通に使う分には問題ないというのが会長の考え。
引き際を見失うと、お互い、どんどん被害が大きくなる。確かにそうなんだろう。
あと1m掘れば大水脈にあたるのでは……と思いつつここまで来ただけに、切ない。
井戸掘りは人生に似ているなあと思い始めていた。
水脈は人生の中の強運。ヒットが出たり、力のあるプロデューサーと巡り会ったりという運。
何度か水脈にあたりそうで、その度にかすった感じで、また砂を噛むような(文字通り)時間に迷い込む。
ほんと、自分の人生を短縮版で見せられているかのようだ。
引き上げ際まで粘って掘っていたオペレーターのいくおちゃんが、「今日の最後、30センチくらいでまた固い層にぶつかったような……」というので、「じゃあ、明日朝いちばんに、1本だけ入れてみろ」と、会長が指示。
奇跡は起きるのか……。

08/12/18

最後の1本は1時間以上かかっても入らなかった。それだけ固い層にあたっているわけで、これを抜けたら何かあるのでは? という気になる。
ところが昼過ぎに会長率いる「仕上げ隊」が到着。ついに掘り下げは断念。
一気に井戸の仕上げに切り替わった。

今日は総勢6人来たので、けんちん汁も寸胴鍋で作る。
かみさんがいないので、一人でわさわさと準備。
白菜にいたイモムシ。可哀想だが、外に出すしかない。


12時21分:
けんちん汁の鍋を持って外に出たら、もう配管用の穴が掘られていた。
仕上げ隊は滅茶苦茶仕事が早い。
その一方で、さっきまで掘っていた掘削機のロッドがどんどん引き抜かれていく。ああ、虚しい光景だ。あと1mでもしかして……と、いつまでも未練が残る。

12時22分:
井戸穴におろすVP管(塩ビ管)。肉厚だなあ。DIY店で売っているのとは規格が違う。

鋸で細い穴を空けてある。ストレーナー加工。ここから水が中に染みこむ。こんな細いスリットで大丈夫なのかと不安になるほど。まあ、それは素人考えなんでしょう。

13時40分:
このくらい小さなバックホーがあれば、ずいぶん遊べるだろうな。カエルの池なんか、ばんばん作れちゃいそう。


13時42分:
ケーシング管(井戸水を吸い上げる塩ビ管)の外側に細かい砕石を入れていく。




砂利で水位が上がり、塩ビ管の先から勢いよく水が噴き出した。


ゴールが見えてきて、仕上げ隊の面々も、笑みがこぼれている。


13時58分:
上のほうからの水を止めるため、セメントを入れる準備。セメントをこねているのは79歳の会長さん。
会長さんが率先して動くので、他の面々もてきぱき動かざるをえない。それにしても見事なコンビネーション。6人がいくつもの作業を並行してこなしていく。

発売中! 『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社現代新書)

10月17日発売後3週間で4刷り4万部達成!
朝日新聞be連載『デジカメのキモ』、YomiuriPC連載『デジカメ写真サクッと修整講座』などの写真をカラーでふんだんに使った、デジカメ本の決定版登場!!
デジカメ業界最大のタブーに切り込み、読む者のもやもやをスッキリ取り払う。間違った思いこみや「定説」の呪縛から解放されれば、デジカメライフはこんなに楽しくなる!

一つ前の日記へ一つ前へ    目次へ     >>阿武隈図鑑へ<<     次の日記へ次へ

★タヌパック音楽館は、こちら   ★阿武隈情報リンクは、こちら

『デジカメに1000万画素はいらない』(講談社講談社現代新書)

『デジカメに1000万画素はいらない』

(08.10/講談社講談社現代新書、940円+税)……   デジカメ業界最大のタブーに切り込んだ問題の書。やさしく興味深く読み進め、読み終わったときには自然と写真がうまくなっているという二度おいしい本。サンプル写真はすべてカラーで収録。
立ち読み版へ!立ち読み版ページへ

アマゾンで注文!アマゾンコムで注文で注文


ギターデュオ KAMUNA  virtual singer Zag