08/05/10

白いオタマ

田圃で救出してきたシュレの卵のうち、すでにちぎれて、破片のようになり、中の卵が外に溶け出しているやつを洗面器に入れて観察してみることにした。
なんか、未熟児保護の救急病棟みたいな感じ。まだまだ卵塊の中にいなければいけないのに、田圃にトラクターが入ってミキサーされたんだろう。

こんな感じでブツブツが露出している

ところが、水の中に流れ出た卵の粒が、しぶとく白いまま変形し、オタマになっている。これは死んでいるわけじゃなくて、ときどき動いている初期オタマ。
こんな感じで、何匹も頑張っている。死んじゃうだろうなと思いつつ3日目。まだときどき泳いでいる。
水が腐ると思って、2日に1度程度水を換えているのだが、こうなると水を換えるのがいいのかどうか迷う。
シュレやモリアオの卵塊の中は水分が保たれているはずだが、それって、ただの水ではなく、人間で言えば羊水のようなもののはず。未熟なまま外に出てしまった場合、ただの水の中で成長できるものなのだろうか。
↑この横になっているやつも、死んでいるわけではなく、ときどきさかんに尻尾を動かして泳いで?いるのである。けなげだ。このままうまく大きくなってくれないものかと思う。
しかし、普通は卵塊の中で黒くなってから水の中に出てくるはずで、明らかに未熟児。
でも、ちゃんとオタマの姿をしているところがすごいね。シュレの卵って、ほんとに面倒くさいシステム。
田圃の縁に横穴を掘ってそこで産卵。卵塊の中でオタマに育った頃、うまくまとまった雨が降って水かさが増し、卵が溶け出して、そのまま水の中に流れ出す……ということらしいけれど、そんなにうまくいくわけないじゃないのねえ。
田圃に水が入る前に産み付けられた卵は、トラクターでかき回され、多くはミキサー状態で粉々になる。うまく難を免れた卵も、水が入ってきたことで流れ出し、ぷかぷか浮かぶ。そこに二度目のトラクターが入り、今度こそ確実にミキサーに……。
では、水が入って、トラクターが土をかき回した後に産めばいいのか……。多分、そうだ。
次の試練は、田植えの時期はじっと土の中に潜んでいて、田植えが終わった後に水田の中に泳ぎ出すというタイミングの難しさ。
その後、成長が遅れると、カエルになる前に田圃から水が抜かれてしまい、オタマのまま佃煮状態に干上がってしまう。
こうした数々の試練を全部クリアしたやつだけがカエルになって森に入っていくわけだけれど、そこでもヤマカガシなんかに食われちゃったりするやつがいっぱいいる。
無事に大人になって、3年後、また産卵するために戻ってくるやつなんて、ほんと、宝くじに当たるくらい困難なことだろう。
うちの池で、今年はどれくらいのシュレが無事にカエルになってくれるだろうか。

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