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 たくき よしみつの 『ちゃんと見てるよ リターンズ』

 (週刊テレビライフ連載 過去のコラムデータベース)

 2003年1月再開~年末まで


2002年春に一旦打ち切られた長寿コラム『ちゃんと見てるよ』は、「たくき よしみつのデジタル鑑定所」という短命シリーズをはさんで、2003年に復活した。タイトルは『ちゃんと見てるよ リターンズ』となり、連載番号は再び1からのスタートとなった。

たくきよしみつの『ちゃんと見てるよ リターンズ』

03年は「社会派エンタメ」で行こう


「昔の名前で出ています」的リニューアル?です。引き続きどうぞよろしく。
 さて、03年は本来の予定通りなら年末から地上波デジタル放送が始まったりするのだが、そんなことよりテレビの危機は番組の空疎化にある。芸能人が緊張感のない暴露話をして、ピーが入りっぱなしなんてのは、視聴者を馬鹿にした空疎番組の最たるものだろう。
 今、人々がいちばん感心があるものは「事実」である。不正、不条理、矛盾に満ちた事実。そうだったのか! と知って愕然とするような事実。
 娯楽の王道テレビも、「事実」を直視し、様々な手法で伝えるという初心に戻るべきだろう。
 別にNHKのドキュメンタリーみたいなものばかりやれと言っているのではない。例えば『ジカダンパン!責任者出てこい!』(テレ東系)などは、新しい切り口の「社会派エンターテインメント」と言えるだろう。『ブラックワイドショー』(日テレ系)なども注目していいかもしれない。北朝鮮のテレビ番組に出てくる子供たちの表情を執拗に紹介したコーナーなどは、単なるおふざけとは呼べない怖さが背後に見えてくる。こうした見せ方でもいいと思う。
 作り物には飽きた。みんな「本物」を見たがっている。今や、蓮池兄弟が画面に出てくると、「何を言うだろう」って、自然と緊張して見てしまうものね。24年間本気で戦ってきた、生き抜いてきたという事実の前には、どんな作り物も太刀打ちできない。
 03年は、安物が消えて、本物が増えるテレビ界であってほしいなあ。
(2002/12/02執筆)

シロウトではなく「非芸能人」に注目

 芸能人が番組でよく「シロウト」という言葉をよく使うが、以前から気になっていた。自分たち芸能人、あるいは放送業界以外の人間という意味で使っているのだが、実に失礼な言い方だよな。
 で、今やテレビずれしてしまった芸能人より、素人、否、「非芸能人」のほうがずっと面白い。
 前回の「事実がいちばん」にも通じるのだが、これからの番組は、非芸能人に注目すべきだ。
 終わってしまった『貧乏脱出大作戦』などはその成功例だが、アイデア次第ではもっといろいろな番組が作れそうだ。
●まだエネルギーがありあまっているのに定年退職したり、リストラで会社を追い出された人たちが再び社会に出るきっかけを作る番組『俺にやらせろ』。60過ぎの元会社員と、20代のアルバイトが同じ仕事をやった場合、どれだけの違いが出るかをみる。コンビニのレジ係とかウェイターなどの地味な労働でもいい。
●その道何十年の技術と経験を持つ老人たちと、若者たちの対決番組『青いケツ黒いケツ』。雪国で毎日バイクに乗って郵便を配っていた老人と暴走族による山坂道原チャリラリー対決とかね。
●30年前の同級生の通信簿を発掘して、一番のやつとビリのやつが、今どれだけ充実した人生を送っているかを調査する『30年後の通信簿』。
●発想を変えて、プロの一流女性スポーツ選手と男性アマチュアorシニア選手の対決『俺たちアンチフェミニスト』。全日本1位の男子テニス選手はウィリアムズ姉妹に勝てるのか? 実現は難しいだろうが、見てみたい。
(2002/12/16執筆)

ハードディスク+DVD機の威力


 年末年始の地上波特番や、年末年始など全然関係なく刑事ドラマを放送しているミステリーチャンネル(CS)の番組を録りためているうち、ハードディスクレコーダーが満杯になってしまった。VHSビデオデッキとの複合機なので、ビデオにコピーすることはできるのだが、時間がかかるし、見たらすぐに消してしまうような番組ばかりなので、わざわざVHSにコピーする気にもなれない。
 また、WOWOWの番組は多くがコピーガードがかかっているので、一旦ハードディスクに録画したものをVHSにコピーすることができない。おかげで、永久保存版にしたいラーメンズなどはいつまでも消せず、たまっていってしまう。
 仕方なく、もう1台買ってしまった。ヨドバシの店員には「贅沢ですねえ」と言われてしまったが、まったくそうだな。
 今度のはDVDと一緒になっている機種で、ハードディスクには50時間以上録画でき、DVDへのコピーも可能。コピーガードがかかっている番組も、コピーはできなくても「移動」はできるようなので、保存しておきたいものがハードディスク内にたまっていくこともない。最初からこのタイプを買っていれば1台だけで十分だったなあ。
 というわけで、これからハードディスクレコーダーを買おうと思っている人には、多少高くてもDVDとの複合機をお勧め。なんだかメーカーの回し者みたいだけど、便利さはやはりビデオデッキの比ではない。
 気になるお値段は、約9万円だった。待てばもう少し安くなるかな。
(2003/01/08)

引退後の貴乃花の人生にこそ注目だ


 横綱貴乃花が引退した1月20日、各テレビ局はこのニュース一色だった。改めて、いかに貴乃花という力士が日本人にとって特別な存在だったのか認識させられた。
 それにしても、最後の1年以上は、もう引退だの、復活はないだのと、冷たい論調の報道が多かったなあ。八百長をしないので有名な貴乃花に、ドーピング疑惑をかけていた週刊誌もあったし。
 彼が宮沢りえと婚約発表をした日に、当時37歳だった僕は一大決心をしてギターをゼロからやり始めた。裸のまま「りえさんと結婚します」と宣言した彼の若さがまぶしくて、感じるところがあり、その日の内に近所の音楽教室の門を叩いた。
 あれから10年。貴乃花(当時はまだ貴花田)の人気はあの頃がピークで、以後は自ら、孤独で辛い人生を選び取っていったような気がする。
 政治家のような計算としたたかさで地位を築き上げた横綱もいるが、貴乃花は違う。善も悪も、強さも弱さも全部自分ひとりで抱え込み、突き進んできた。特にファンだったわけではないけれど、その強さは、本当に驚嘆に値する。
 貴乃花のこれからの生き様にとても興味がある。相撲をとっていたときよりもずっと興味がある。
 父親・双子山親方(元大関貴ノ花)は、時期が来たら双子山部屋を譲りたいと早くも明言しているが、貴乃花にはそんなことよりも、大相撲そのものの改革に立ち向かってほしい。協会の中で偉くなっても、力士時代の「不惜身命」の精神を、何らかの形で見せてほしいと願っている。
(2003/01/20)

それでもWOWOW CSはやめられぬ


 一体、有料のテレビ放送に月いくら払っているんだろうと計算してみた。
 スカパーがベーシックパックオールで5700円+基本料390円+税で6395円。WOWOW(デジタル)が2415円(税込)。これにNHK。軽く1万円を超えてしまう。
 で、これらはその金額に見合っている内容なのだろうかと考えると、う~むと唸ってしまう。
 特にWOWOWはほとんど見ていない。ただ、テニスの4大大会のときなどは、入っていてよかったなと思う。NHKがやることもあるが、WOWOWに比べると全然「分かってない」。ダブルスはまったくと言っていいほど放送しないし、トーナメントの流れも伝えず、ただシングルスの試合をポンと流すだけ。
 先日の全豪オープン混合ダブルスでは、ナブラチロワが46歳3か月という最年長優勝記録を達成したのだが、WOWOWではこれを表彰式のスピーチまで含めて完全放送した。今月はこれで2415円かぁ……と、思わず計算してしまった。
 スカパーは見たいチャンネルが散らばっているので、結局パックオールで契約する羽目になる。我が家では地上波よりスカパーのほうが視聴時間が長いので仕方がない。最近では、JNNニュースバードとGLC24時間英会話チャンネルは定番になっている。
 無論、NHKはなくてはならない放送局で、やっぱりどう見直しても毎月1万円を超す視聴料金は減らせないようだ。
 それにしても金がかかりすぎる。有料放送はもっと番組に工夫を!
(2003/02/03)


このままでいいのか!?ニュース番組

 ニュース番組のワイドショー化がますますひどくなっている。特に、夕方5時台からの各局ニュース番組は、昼間やっている『ザ・ワイド』(日本テレビ系)のほうが硬派に見えてしまうほどだ。
 CM入り前にあおり文句を入れ、視聴者を引っ張るために画像の一部にモザイクをかけたり、肝心の情報を出さなかったりする手法は、バラエティ番組よりひどいときがある。CM明けの繰り返し映像も目に余る。
 内容も、どこの店のラーメンがうまいだの、老化防止には××が効くだの、女性週刊誌の広告ページ的なものに長時間をさく。これなら局アナより、みのもんたを出したほうがいいじゃん、とツッコミを入れたくなる。
「特報」とか「緊急リポート」と銘打った映像も、どこまで事実なのか疑わしく見えるものが多い。
 視聴者の目を引く極端な「絵作り」をしたいがために、仕込みをしたり、演出をしたり、前後の脈絡を無視した編集をしたりしているのではないか……そんな疑念を持って見られるようになったら、ニュースはおしまいだ。 バラエティ番組で、仕込みの恋人同士が派手な痴話喧嘩をするヤラセ映像と、ニュース番組で、元北朝鮮工作員が語る「衝撃の事実」の映像が同程度の信憑性で見られるようになったら怖い。このままでは、そうなる日も近い気がする。
 夕食の準備時に主婦がBGM代わりにつけているだけだから、という考えなのかもしれないが、それならいっそ「ニュース」という文字を番組名から消したほうが、テレビ局自身のためにもよい。
(2003/02/18)

作為なく伝えてもらいたいんですが

 年頭に「娯楽の王道テレビも『事実』を直視し、様々な手法で伝えるという初心に戻るべき」と書いた。何が起きるか分からないこのご時世、作り物よりも事実のほうがはるかに訴求力があるということに、テレビ局も気づいてはいるようだが、問題は報道の仕方だ。
 例えば未解決事件の容疑者をテレビで公開手配するという趣旨の番組が増えたが、似顔絵だけ見せて「お心当たりのかたはどんなことでもいいので電話を」とやる。
「隣に住む男に似ている」「別れた元彼にそっくりだ。元彼もキレやすい正確だった」「××のガードマンに違いない」「毎朝◎◎駅でこの顔の男を見る」などなど、いろいろな情報が寄せられ、それをそのまま紹介しているだけではあまりにもお粗末だ。似顔絵に似ているというだけで疑いをかけられた人たちは、新たな「犠牲者」だろう。
 かと思えば、タマちゃんの次は都内の川に大量遡上したボラちゃん騒動。それを狙ってカワウもやってきた。でも、なぜかカワウは歓迎されない。
「うわぁ、これはひどい。百羽以上はいます。一体どこから来るのでしょうか!」などと絶叫リポート。あほかいな。鵜飼いのウが魚を捕れば「素晴らしいですね」とコメントするくせに、野生のカワウが魚を捕まえると「これはひどい!」ってのはひどいでしょ。
 こんなことをしていたら、北朝鮮の「偉大なる将軍様」一色報道を馬鹿にできないよ。演出によって視聴者の精神状態を簡単にコントロールできると思っているとしたら、とんでもないことだ。
(2003/03/04)

危機だと感じていないことが危機

 アメリカが事実上のイラク攻撃を明確に表明した日本時間3月17日深夜、NHKは番組を中断してパウエル国務長官らの会見を生中継した。ああ、ついにここまで来たかという暗澹たる思いで画面を見ていた。
 そのとき、各民放ではいつも通りのおバカな深夜番組を流していた。女の子のパンツを執拗にローアングルで撮り続ける画面や、タレントが必死に笑いをとろうとする画面の裏で、NHKだけが、他国にこれから爆弾を落としますよと淡々と告げる人たちを映している。
 こんな風に宣告され、もうすぐ爆弾を降らされる地に住む人々のことを思いながら、どうしようもない虚無感に包まれた。
 それまでタマちゃんがどうのこうのというニュース?をトップで伝えていた番組では、「アメリカもよくここまで辛抱した」「日本が国連より米国という立場になることは仕方ない」などという、国民世論的にも少数意見である武力行使支持論者で固め始め、反戦を主張していた人たちの出番が少なくなってくる。
 この「変化」がどれだけ怖いことか、視聴者は気づかなければいけない。
 最悪でも、日本政府は今まで通り「国連決議を重視する」と言って逃げていればいいのに、わざわざ「武力行使を支持する」と言いきった。それが不必要な敵を増やし、日本を危険にさらすことになるという声はなかなか伝わってこない。
 テレビメディアにとって、「中立的な報道」をすることさえも、困難なことなのだろうか?
 世界は今、深刻な危機に面している。
(2003/03/18)

元アナ・キャスターのCM起用現象

 最近、元アナウンサーやニュースキャスターを起用したテレビCMをよく目にする。
 それも、ぼーっと見ていると、まるで報道ルームから中継しているような画像だったり、ニュースを読んでいたりするかのような演出が多い。
 現役のテレビ局専属アナウンサーだと、こうした「アルバイト」は恐らく禁止されているはずで、テレビ局を退社してフリーになってからの余禄(ヨロク……あ、死語かしら)なのだろう。
 面白いことに、同じCMでも、そのアナウンサーが以前に所属していた局で流れるときは、画面の片隅に「これはCMです」とか「○○のCM」などと断り書きが入っていたりする。きっと、流すテレビ局としても、元社員がCMを読み上げるのはあまり気分がよくないに違いない。
 週刊誌の広告でも、本文記事に似せたレイアウトで広告を載せることがよくある。これのテレビ版とも言えるのだが、どうも好感が持てない。
 ニュースを読んでいた人間が言うんだから信頼できる情報なんだろうと思う視聴者が、どれくらいいるのだろうか。中には逆に「きっとギャラも高いんだろうなあ」などと余計な想像を膨らませてしまい、かえって商品や企業に対してマイナスイメージを持ってしまう人もいるのではないかしら。なんか、この手のCMに比べれば、タレントがテレビショッピング番組で大袈裟に驚いてみせるほうがずっと潔いんじゃないか、という気がしてしまう。……え? そんなひねたやつはおまえだけだって? うむむ。
(2003/04/01)

ダーマ&グレッグとイラク戦争

 ブッシュのおかげで非常にストレスの多い今日この頃。テレビも番組構成が滅茶苦茶になって、留守録画がほとんど機能しなかった。
 特にひどかったのはNHK総合で、ドラマやバラエティはばんばん飛び、当日夕方でも夜の番組内容が分からない状態。『ダーマ&グレッグ』や『爆笑オンエアバトル』を録ったつもりが、映っているのはブッシュやアーミテージの見たくもない顔やら「戦場中継ショー」ばかり。どんどん人が殺されているときに、『ダーマ』や『爆笑~』が見られないと怒るのは不謹慎だと分かってはいるが、なんとかならないのかと思ってしまう。いっそNHK総合ではドラマやバラエティをやらないことにしたらどうか。
 それにしてもこういうときに見る『ダーマ&グレッグ』は複雑だ。ダーマや彼女の父母ラリーとアビー(反戦ヒッピー上がりのエコロジスト)は、今アメリカでどんな風に暮らしているのだろうと想像してしまう。アメリカ人にもいろんな人たちがいるということを教えるこのドラマは、救いであると同時に、イラク報道の合間に見ると無力感も目一杯感じてしまう。
 こんなときだから、『戦争とダーマ』という特番でも作ってみたらどうだろう。脚本家へのインタビューや出演者の社会観を紹介。現代アメリカ社会に実在している「ダーマ的」な人たちを捜す旅なんていうのも面白い。ラリーのような「反共和党」トーク爆裂のヒッピー親父は本当にいるのか? NHKエンタープライズさん、どうでしょう、この企画。
(2003/04/17)

海外短編ドラマの醍醐味を地上波で


 最近、CS(スカパー)に「シネマR」というチャンネルができた。R指定映画を中心にしたPPV(ペイ・パー・ヴュー=番組ごとに支払う)チャンネルなのだが、いわゆるアダルトチャンネルとは違い、面白いものを結構やっている。
 連休中にやっていた「アート・オブ・エロス」という企画は、世界各国の気鋭監督が「エロス」をテーマに30分ドラマを競作するというもの。ドイツの『象は見ていた』という作品は特によかった。サーカスで働くこびとの象使いがたまたま美女の交通事故に遭遇し、象と一緒に間一髪のところを救い出す。命を助けてもらったお礼をしたいという人妻に「では、ぼくと一夜を共に」と申し出る。映像の素晴らしさ、文学性、どれを取っても一級品の贅沢なもの。
 この手の秀作は、もっぱらCSで見つけるしかない。シネフィルイマジカ、ミステリーチャンネルなども要チェックだ。 それにしても、ドラマや映画は本来「総合芸術」と呼ばれ、あらゆる芸術的要素を取り込めるアートであるはず。そうした作品が日本で生まれてこないのは寂しい限りだ。『世にも奇妙な物語』あたりは頑張っているとは思うのだが、質があまりにも違いすぎる。
 脚本家や演出家、役者を育てられないのも致命的。それはひとえに視聴者の感性が磨かれていないからだろう。
 まずは視聴者を「育てる」意味で、質の高い海外単発ドラマを、思いきって地上波のゴールデンタイムに流したらどうか。テレ東あたりにぜひ挑戦してほしい。
(2003/05/06)

フジの深夜帯番組全盛期への復活か

 長い間低調だった民放の深夜番組だが、このところフジテレビが、他民放のような馬鹿騒ぎ番組とはひと味違った、全盛期の頃を思わせる番組を並べ始めた。
 特にお勧めは『お厚いのがお好き?』(木・深0・35)。かつての名番組『カノッサの屈辱』を思い起こさせる「教養?バラエティ」路線。世界の名著を毎回大胆に解釈していくという趣向だ。
 マキャベリ『君主論』から始まり、ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』、孫子『兵法』、パスカル『パンセ』、サルトル『存在と無』、フロイト『精神分析入門』……と続く。
 僕は学生時代ニーチェ、サルトル、パスカルあたりは囓った記憶があるが、どんなことを書いてあったかと問われてもうまく答えられないだろう。この番組はそうしたかつての哲学青年には懐かしく、少し気恥ずかしいが、むしろ現役の学生たち、哲学書なんてタイトルさえ知らないという若い人たちに見てほしい。番組進行役の白井晃が毎回言うように「まさか、○○を知らないわけはないですよね?」と、かつての学生は大人から言われ、顔を赤らめたものなのだ。
 その後の『たけしの斎藤寝具店』もついでに見てしまおう。日本人が知らない世界の国々の素顔を知ろうというコンセプトだが『なるほど!ザ・ワールド』のような取材や緻密さは一切ない。それでいてなんとなくほんわか見てしまう不思議な番組だ。オーストラリアはウラン採掘量世界一だが原発は一基もない、など、毎回1つは意外なミニ知識が得られる。たけしの力の抜け方もグッド。
(2003/05/22)

本物の一流人vsタレントという構図

 深夜番組をぼーっと見ていたら、明石康氏(元国連事務次長)がトーク番組に出てきた。相手は笑福亭鶴瓶と大竹しのぶ。
『ミライ』(フジテレビ)という番組だった。
 明石氏といえば、前々回の都知事選に自民党・公明党推薦で担ぎ出されながらも惨敗したことが記憶に新しいが、国連時代にはカンボジアや東欧の紛争地域で困難な仕事を次々にやり遂げたことで、世界的に評価が高い。
 今は「日本予防外交センター会長」というよく分からない肩書きになっているが、無名のシンガーソングライターとの共同リサイタルをやったり、こうしたお笑いタレントが司会を務めるトーク番組に出演するなど、お高くとまらぬ、気さくな活動をしているようだ。
 なるほど、こういう路線があるな、と感心させられた。これはスリリングな異種格闘技なのだ。
「本物」を前にしたとき、その人の魅力を引き出せないばかりか、薄っぺらな笑いで逃げようとする芸人は、底が知れている。
 逆に、一流と言われていても、芸人を前にして驕りや保身が目についてしまう人物は、評価を改めなければならないかもしれない。どちらにとっても厳しい場所だ。
 明石氏は魅力的な人物だった。首振り人形のようにせわしなく左右を向く姿は、両側に座っている二人の聞き手を平等に見るという気配りの現れだろう。その姿だけでも、何かが伝わってくる。
 タレントvsタレントという構図はもう見飽きた。これからは、こうした「異種格闘技トーク」番組をもっと増やし、視聴者を刺激してほしい 
(2003/06/03)

お笑いを駄目にしているのは誰だ?


 いきなり勝手に評価させてもらうと、今の若手お笑い芸人たちの中で、才能が輝いているのは、ラーメンズ、バナナマン、おぎやはぎ。その次くらいがドランクドラゴン、カリカ。普通に面白いのが、アメリカザリガニ、アンタッチャブル、アルファルファ、中川家あたり。この「才能が輝いている」順位は、同時に、「テレビに殺される指数」の高い順位でもある。人気が出ると、つまらないバラエティ番組にかり出され、いじられ、芸や志をつぶされるからだ。
 ラーメンズは自らがその危険性をよく知っていて、最近では地上波番組にはほとんど出てこない。彼らを安っぽいバラエティで使いつぶすまいとしている事務所も偉い。
 しかし、才能あふれる芸人の芸を、テレビで見られないのはおかしい。お笑いファンは、単純に「おもしろいもの」をテレビで見たいだけなのに。
 先日、落語界の至宝・春風亭柳昇さんが亡くなったが、柳昇はおろか、弟子の昇太の話芸もテレビで見ることは難しい。
 ラーメンズやバナナマンは、落語同様に確立した「芸」だ。ファンとしては、テレビにいじられない状態で見たいのだ。
 民放には期待できそうもないので、せめてNHKにお願いしたい。BSの寄席中継だけでなく、才能を持ったお笑い芸人たちの芸をそのまま見せる番組を増やしてほしい。『爆笑オンエアバトル』は、そろそろ、子供たちが審査することの弊害のほうが目立ち始めている。
 知性のない笑いで一時の視聴率を稼げればいいという根性が、本物の才能を殺している。
(2003/06/18)

低予算のほうが番組は面白い?

 不景気でみんな疲れているからか、最近は露天風呂を紹介する番組が多い。でも、地上波でやっているのは、どれもなんか嘘臭くて、素直に「おお、ここいいなあ」と思えない。特に、男性タレントが「おいしい」を連発しながらご飯を食べていたり、女性タレントがガチガチにタオルを身体に巻けてお風呂に入っている図っていうのは、あまりにも一般感覚からずれている気がする。
 スカパーの「旅チャンネル」でやっている温泉番組は、低予算ゆえにそうした演出がなくて、かえって面白い。
 最近深夜に『美女と隠れ湯』というシリーズをやっているのだが、これなどは本当にストレート。ナレーションも温泉の紹介内容もまったく普通なのだが、お風呂に入る女性がオールヌードという点だけが違う。そこだけ見ているとアダルト番組なのだが、番組全体のノリはのんびりした温泉紀行で、そのギャップがなんとも言えないのだ。
 登場する女性も無名の、プロだかアマチュアだか、若いんだかいい歳なんだかよくわからないびみょーな風貌で、これがまたリアリティを生んでいる。その女性が宿のオヤジとぎこちなく談笑するシーンなども実に味わい深い。
 エンドテロップを見ていると、企画・演出・撮影をたった一人でこなしているらしい。ビデオ機材を担いだおっさんとモデルの女性の二人だけでロケしているのかしら、などと想像してしまう。
 超低予算だからこそこういう番組が生まれてくるわけで、予算がないって、あながち悪いことではないじゃん。
(2003/06/30)

NHKスポーツ番組のよい点悪い点

 NHKが野球中継などのスポーツ番組を試合終了まで無制限延長放送するために、番組編成が滅茶苦茶になることへの批判は今まで何度か書いてきた。最近はメジャーリーグ中継も加わり、いっそうひどくなっている。
 また、ウィンブルドンテニスはNHK、フレンチオープンはWOWOWが中継したが、テニスの4大大会中継に関しては、WOWOWのほうがゲームの選別や細かな情報提供など、「分かった」中継をしている。今年のウィンブルドン中継は、地上波の総合テレビとBSで同じ試合を時間差放送していたりして、「なんの意味があるの?」と呆れてしまった。ただ流してます、という姿勢。
 メジャーリーグオールスターズの中継もNHKが行ったが、これは事前に見どころを解説した特集番組がよかった。
 特に、イチローや長谷川への本格インタビューは、インタビュアーの腕がいいのか、かなり内面的な言葉や専門的な内容まで引き出すことに成功していて、非常に見応えがあった。この番組を見て、普段野球に興味がなかった人たちも、関心を持つようになったかもしれない。
 ウィンブルドンに関しても、終わってからの特集番組のほうがよくできていた。こうしたNHKのよい面が、生中継ではうまく出てきていないのが残念。マラソン中継などでも、アナウンサーの不勉強ぶりや魂のなさが目立って、腹が立つことがよくある。CMに邪魔されないという点だけでもNHKのスポーツ中継番組はありがたいが、やはり「魂」が必要だよ。
(2003/07/16)

最近ますますあなどれぬMX-TV

 一時はこのまま消滅してしまうのかと心配していたMX-TVだが、まだ健在だ。
 先日、ふと見たら、蓮池透氏(兄)と石原都知事が対談をしていた。
 知事は「外務省の田中が……」と、何かと北朝鮮寄り言動で批判されることが多い田中均外務審議官を呼び捨て。蓮池兄も例のごとく、慎重な中にも強固な意志を滲ませた言葉選びで応じ、非常にスリリングだった。こういうのがなんの前触れもなく放送されているから、MXは油断ならないのだよなあ。
 過激と言えば、放言大王・立川談志と野末陳平のトーク番組、その名も『談志陳平言いたい放題』という恐ろしいものもある。他の民放番組では、たまにお笑い番組の審査員役などで出てきて、なげやりなコメントで番組の空気を凍りつかせることも多い談志だが、ここでは元気がいい。「だいたいこの番組を見ているなんてやつらはレベルが低い」から始まり、関係ないところで突然カメラに向かって「おまえら、知ってるか? 日本はアメリカと戦争やったんだぞ。原子爆弾2発落とされて何十万人も殺されたんだぞ」などと挑発。陳平に「年寄りしか見てないよ」とドライに諭される図は、まさに無法地帯。
 進行役として演芸番組の帝王・澤田隆治氏も入っているのだが、もちろん談志の暴走は制御不能。
 いつまで続くのか分からない危険な番組なので、見ておくなら今のうちかもしれない。事前にチェックしづらいのが辛いところだが、そこを見るのがマニアってものさ(なんのマニアだ!?)。
(2003/07/25)

死んだふり状態のBS民放最新情報


 毎年8月は地上波が届かない山奥に引っ込んでいるので、完全に衛星放送のみのテレビ生活。普段はCSばかりで、BSはあまり見ないのだが、この期間はどうしても見る機会が増える。
 それにしても、BSデジタルご自慢の双方向サービスは寂しい。双方向で視聴者が参加できるというふれこみのクイズ番組がいくつかあるが、中身が全然面白くない。いかにも「双方向のための魂なし企画」という感じ。
 ラジオやデータ放送もあるのだが、こちらはさらに悲惨な状況。テレビショッピングを文字情報で提供しているチャンネルなどは、提供商品が2点だけというのもあった。それも総菜と子馬! 子馬ってBS放送で売れるもんなのか、パカパカ。
 意欲的な実験番組はほとんどない。BSフジは多少気色の変わったことをやろうとしているようだが、他はどこも「死んだふり」状態。そんなにやる気がないなら、24時間ニュースでも流していたほうがまだマシだ。これでは数年後に完全移行するという地上波デジタル計画も、暗雲たちこめまくりだなあ。
 唯一の救いはバナナマンとおぎやはぎがコントを繰り広げる『デジタル笑劇研究所』(BS日テレ)だろうか。この2組にラーメンズを加えた3組を、私は勝手に「現代日本3大お笑いユニット」と呼んでいるのだが、そのうち2組を毎週見られるというだけで、BSチューナーがあってよかったぁ、と思える。ついでに『今週のラーメンズ』や、『大人のための裏お笑いオンバト』なんてのもぜひお願いしたい。
(2003/08/13)

もっとプレーンに見せてよ世界陸上

 2年に1度の楽しみである世界陸上は、今年もTBSが独占中継。またか。いつも、それを知るたびにがっくりくる。
 それでも前回はBSで別バージョンが見られた。今回もそうだと思っていたら、なんと地上波と同じものを1日遅れで流しているだけ。意味がない。
 おかげで、地上波がまったく入らない山奥にいた僕は、ニュースを見ないで1日遅れのBS中継録画を見るのに苦労した。
 中身に関しては、とにかく、世界最高レベルのパフォーマンスをなんだかんだ料理してほしくない。特に織田裕二のルーズなおしゃべりはじゃまでしかない。
 現在の陸上界情報や競技の基礎知識を事前に流す趣向はよいのだが、こういう視点で見ろと強制するような解説や、最初からヒーロー、ヒロインを決めているような演出はやめてほしい。淡々と現実を流すだけで十分ドラマチックなのだから。
 魂のこもっていない中継態勢が如実に出たのが男子百メートル二次予選で、不可解なフライング判定が起きたとき。誰もしっかりした意見を言えない。芯のある解説ができない。アナウンサーも解説者も、いざとなると差し障りのない言葉を探しているのが見て取れて白ける。それなら、終始見たままを伝えるNHK型中継のほうがずっとましだ。
 陸上はスポーツの中でもとりわけストイックな競技だ。その最高レベルを競う大会を中継するには、それなりの心構えや礼儀というものが必要ではないか。安直な盛り上げ姿勢で陸上ファンが増えると思うのは甘い。
(2003/08/26)

WOWOWが映画中心脱却なら歓迎

 いつも料金分はとても利用していると思えないWOWOWだが、9月は十分に元が取れた。
 なにせ、ラーメンズ・小林賢太郎プロデュース公演『Sweet7』、シティボーイズミックス『NOTA恙無き限界ワルツ』を立て続けに放映。しかも、それに先立ち、ラーメンズとシティボーイズの過去の作品8本も一挙放映という大盤振る舞い。ラーメンズの過去作品はビデオで売られているもので、全部持っているが、DVDに保存しておきたいため、毎晩せっせと録画した。
 全米オープンテニスもあり、月の前半はほとんど毎晩WOWOWを見ていた。まったく見ない月もあるのだが。ああ、毎月このくらい内容があればなあ。
 それでも、WOWOWの番組構成が映画中心であることには変わりない。映画ソフトは、レンタルビデオ屋で借りることができるし、CSもある。別にWOWOWでなければ見られないものではない。映画ソフトを買い付ける予算を半減して、魅力のあるスポーツ中継や演芸・演劇・お笑い番組を増やしてほしいものだ。
 月々2千円以上を払うのは、本当に見たいものには金を出すという大人の視聴者だろう。大人が、CM抜きでじっくり見たい番組は何か、よく考えてほしいのよね。
 音楽番組は、アメリカのケーブルTV『ベット・オン・ジャズ』みたいな路線を強化。ドラマはイギリス中心にヨーロッパものを輸入。ついでに上野鈴本あたりに定点カメラを置かせてもらって寄席中継。どうでしょね、こういう改革案は。
(2003/09/08)

そりゃないだろ総裁選生中継

 自民党総裁選挙は、当初の小泉首相不利説がいつのまにか覆って、選挙に勝つためならどんなことでもしてみせる自民党の体質だけが印象に残る結果となった。
『たけしのTVタックル』(テレビ朝日系)では、「小泉首相の勝利は百パーセントない」と断言していた福岡政行白鴎大学教授が他の出演者からボコボコにされているところが「おいしい絵」としてたっぷり流された。
 しかし、政治がテレビの中でゲームやショーのようにしか扱われない傾向は、日本人をどんどん政治無知症にさせる。
 特に呆れたのはTBSの総裁選挙生中継。若いアナウンサーが「おーっと、今、小泉首相が椅子から立ち上がりました。これから投票に向かおうとしております!」と、古舘節でまくしたてていた。なんなの、それ?
 誰が勝って誰が負けるか、誰が裏切った、あるいは野中広務の「毒饅頭」発言など、興味本位の構成ばかり目立ち、肝心の政策─誰が何を訴えているのかを解説しようとする番組がない。
 街頭インタビュー画面も、いい加減にやめたらどうか。鼻にピアスでまっ黄っきの髪の若者を掴まえて「誰がなっても同じでしょ、どーせ」なんていうお決まりの文句を言わせるのは無駄以外のなにものでもない。「おまえに言われたかねーよ」という視聴者のリアクションを計算した絵作りのは、とっくに見抜かれ、拒絶されている。
 いっそ、NHK『週刊こどもニュース』の池上彰パパを起用した『こどもニュース大人版(!?)』でも作ったらどうか。
(2003/09/24)

海外ドラマはやっぱ字幕版でしょ

 WOWOWで『TAKEN』全エピソード(10話)を一挙まとめて放送した。「スティーブン・スピルバーグ」という冠がついているが、実際には脚本も書いている共同製作者レスリー・ボーエムの作品と言えるのだろう。ハードディスクに録りためて、毎晩寝る前に1話ずつ観ていた。
 脚本はあちこち雑で、宇宙人よりも、人間の行動や政府、軍の動きなどに「んなわけねーじゃん」とツッコミを入れながら観ていた。話の引っ張りかたを知っている橋田壽賀子ドラマみたい。
 でも、日本のドラマと大きく違うのが、役者の演技力やキャスティング。
 親子や兄弟は、実際に似ている役者を選んでいる。同一人物の子供時代と大人時代で役者が変わる場合も、なるほどこんな風に大人になったのか、と思わせるような絶妙のキャスティングなのだ。
 例えば『おしん』では、小林綾子、田中裕子、乙羽信子という3人の女優が演じたが、あの3人、どう見たって顔や性格がつながらない。『TAKEN』では、主要登場人物が3家族3世代に渡るというものだったが、世代が変わったときの違和感が少なかったのは見事。
 ただ、吹き替え版ではそのへんが十分に楽しめない。WOWOW3(デジタルのみ)では字幕版をまとめて放送したのでそっちを録画したのだが、一部吹き替え版を観てがっかりしてしまった。特にアリー役のダコタ・ファニング(日本だと安達祐実かな)の台詞は、断然原語版じゃなきゃだめ。またやるだろうから、吹き替え版でしか見なかった人は次は字幕版でぜひ。
(2003/10/06)

このご時世NHKののどかさが救い

 多分本紙の読者は平日の午後にテレビを見ていることなど少ないと思うのだが、我々のような自由業は専業主婦と同じで、リアルタイムでテレビを見るのはこの時間帯が多い。起きてから一食目をとるのが午後2時過ぎなんていう生活はよくないんだけどさ。ふうう。
 で、なんとなく『ザ・ワイド』(日本テレビ系)あたりにチャンネルが合っていることが多いのだが、俵万智が妊娠したらしいというだけで自宅に押し掛け「予定日はいつですか?」「ファンのかたがたにはどのようにご報告するつもりですか?」なんてインターフォン越しに訊いている映像なんか見せられると、さすがに見ている自分まで情けなくなってきてチャンネルを替えることになる。
 未婚の母を決意か、なんて、余計なお世話だっての。メディアが暴くべきものは社会悪、巨悪でしょ。押し掛ける場所を完全に間違えている。
 で、最近ではNHK総合の『お元気ですか 日本列島』を流しっぱなしにしていることが多い。
 お昼の『ひるどき日本列島』は、事前のリハーサルがしつこそうだなあ、という雰囲気が画面から伝わってきてしまい、気持ちよく見ていられないのだが、『お元気ですか』のほうは、女性キャスター二人というのも意外と自然だし、リアルタイムにニュース映像なども入ってくるので、落ち着いて見ていられる。
 NHKっぽい「ダサさ」と言ってしまえばそれまでだが、殺伐としたニュースばかりの昨今、こういう番組を見ているとほっとするあたしって、じいさんなんですかね。
(2003/10/21)

さっそくIQ測定ブームが来るか?

 11月3日放送の『テスト・ザ・ネイション全国一斉IQテスト』(テレビ朝日開局45周年記念特別番組)を見てみた。
 3時間も枠を取ったため、冗長な構成と進行に辟易させられたが、WEBと連動してリアルタイムに全国の視聴者のデータが集められ、その結果がすぐに発表される点は、今後の番組作りに大きな影響を与えるだろう。
 特に、地上波デジタル化が進むと、視聴者との双方向通信が可能になるから、この手の番組は将来確実に増えるはずだ。
 今売れている本も、『バカの壁』だの『頭のいい人の○○術』『ケータイを持ったサル』などなど、虚しいタイトルのものが多い。人々の興味の対象にゆとりがない証拠で、行く末が不安だ。
 バラエティの哀しいサガで、東大生や医者といったグループと同列に「巨乳ギャル」グループを組んでいたが、どうせやるなら一緒に「貧乳」グループも作らなくちゃ。
 結果の中では、血液型別や都道府県別のIQ平均値がほとんど差がなかった(沖縄県が低かったのは、多分、焼酎を飲みながら見ていて途中で寝ちゃったか飽きたんだろう。決して沖縄人のIQが低いわけじゃない)のに対して、男女別IQ平均値が4ポイントも違ったのが物議を醸しそう。
 これのバリエーションとしては、インチキだ、トンデモだと言われている血液型と性格・体質の関連性なども、全国レベルで調査できるだろう。
『今夜論争に終止符!? 血液型人間学は本当か?』
 政党別政治家IQテストなんてのもぜひ見てみたいけど、無理だろな。
(2003/11/06)

『田舎に泊まろう!』の有名人絶妙度

 衆院選挙のあった11月9日、各局が工夫を凝らした開票速報をやっている最中、テレビ東京だけはあっぱれにも『豪快・ニッポンの名物かあちゃん』である。我が道を行くテレ東には、最近、風格さえ漂ってきた。
 以前このコラムで、旅番組は低予算のほうが面白いと書いたが、テレ東の旅番組やロケ番組にもその法則があてはまる。
 他の民放が「至福の湯宿ベスト100」みたいな企画を立てても、高級旅行雑誌や女性誌のグラビアページをそのまま映像にしただけという感じで、現実感がない。一泊6万円から、なんていう高級旅館に女優が泊まっているのを見ても、誰も癒されないってば。
 それに比べ、テレ東のロケ番組はえらい。まず、案内役のタレントがいい。名前を言われても顔を見てもよく分からない。○○亭っていうくらいだから、落語家さんなのかなあ、という程度。これでぐぐっと現実感が増す。
『田舎に泊まろう!』は「有名人が一般人の家にアポなしで無理矢理泊まり込む」というコンセプトだが、この「有名人」の人選も味わいがある。
 岡本信人、原口あきまさ、中野英雄、大仁田厚、川崎麻世、舞の海、榎木孝明、石丸謙二郎、山口良一、菅原孝(ビリーバンバン)、伊藤克信、島崎俊郎、阿藤快、川野太郎、西川忠志……。
 うん。有名人だけど、超有名人ではない。ああ、久しぶりだなあ、元気にやってるようでよかったよかった、と思えるような人もいる。この人なら、ほんとにヤラセなしかも、と思わせる人選。さすがはテレ東だ。
(2003/11/19)

『BS笑点』は本家より確実に面白い

 旅番組とお笑い番組は低予算なほど面白いという反比例法則をしつこく主張している私。『エンタの神様』(日本テレビ系)は毎週録画して観ているが、予算をかけ、編集しまくる手法は嫌いだ。
『M-1グランプリ』は予選のほうが面白い。茨城訛りの日本人とパキスタン人のコンビは、パキスタン人の滞在ビザが切れて出演続行不能になったそうだが、まことに残念。パックンマックンより面白そうだったのに。今年の決勝進出メンバー8組の顔ぶれを見ても、興味は笑い飯が爆裂するか……くらいかなあ。
 優勝賞金が30万円、準決勝と決勝を同じ日にやってしまうという『お笑いホープ大賞』はCSで観た。審査員と出演者のののしり合いのほうが本番の芸よりずっと面白いという本末転倒。スピードワゴン糸田などは、生意気な女性審査員をさして「あの人、今日、生理ですか?」とぶち切れ。
 歯科医のガダルカナルタカが男気を見せて女性審査員二人に喧嘩を売った姿と、磁石のひとりが言った「こんなの芸術じゃない!」という捨てぜりふは今年最も印象に残ったシーンだった。『ホープ大賞』で見るべきシーンはここだけ。
 もはやこういうのを拾って楽しむしかないね。例えば見捨てられた番組『BS笑点』(BS日テレ)にしても、蜘蛛の巣が張ったような本家『笑点』よりはずっと面白い。春風亭昇太が司会だけというのはもったいない。思えば、かつて昇太と立川志らくが組んで漫才もどきをやったときなんかが、若手落語家黄金時代だったなあ。
(2003/12/02)

地上波報道番組の質を見守りたい


 テロ(と呼ばれている一部アラブ人の対米勢力戦争)へ日本が巻き込まれる可能性、いつどうなってもおかしくない北朝鮮情勢、年金問題だけではない日本という国家の経済破綻……2004年は昨年にもまして不安材料満載でスタートする。
 しかし、日本人はまだまだ危機感が足りない。最も影響力のあるメディアである地上波テレビは、報道番組のワイドショー化が進むばかり。政治の世界だけではなく、地上波テレビにも構造改革が必要だが、広告と視聴率だけが大切という「構造腐敗」は悪化するばかり。
 残っている数少ないまともな報道番組といえば、『報道特捜プロジェクト』(日本テレビ系)、『報道特集』(TBS系)、『ザ・スクープ』(テレビ朝日系)あたりか。
『ザ・スクープ』は、北海道警察の拳銃押収捜査ヤラセの実体を暴くなど、検討したが、存続そのものが危ぶまれている。
『報道特集』はこのところ精彩を欠いている。
『報道特捜~』は昨年末、埼玉県議会議員団が、海外視察旅行の際、性風俗店にバスで乗りつける絵を撮ったりして健闘した(税金で買春する議員の顔をモザイクにする必要はないが)。
 今年、これらの番組が「報道番組」としての質と使命を死守できるのか、視聴者はしっかり見守っていく必要がある。
 そもそも、これらの番組がゴールデンタイムに放送されないという現状がすでに危機的である。
 税金を使って議員が観光旅行を楽しみ、果ては買春している映像は、どんな番組より視聴率を取れるはずだ。
(2003/12/16)



映画の原作として依頼され書いたものだが、家田荘子のルポが原作ということになって宙に浮き、文庫で出た↓



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